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おとこらむ oto-column

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「音楽と鳥しんぶん」に連載されていたレコード研究家の音楽的日常のコラムが、noteマガジンでも登場!家人の夢の中で「あなたはレコードのマハラジャよ!」と美輪明宏さんに称賛された夏…
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#クラシック

ショパンの孫弟子による伝説のノクターン

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤⑤

ラウル・フォン・コチャルスキ(1885-1948, ポーランド )
ショパン「夜想曲第2番変ホ長調 作品9-2 (ヴァリアント付)」(1938年録音)

● ショパンの高弟カロル・ミクリにショパン伝統の継承者として育てられたサラブレットであるコチャルスキによる伝説的なSPレコード。聴き慣れないヴァリアント(装飾音)は、ミクリがショパン自身の演奏を聴い
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ロシアの憂鬱・類を見ないデリケートなピアノタッチによる珠玉の名演奏



ロシアに生まれたニコライ・オルロフ(Nikolai Andreyevich Orloff [26 Feb.1892 - 31 Mar.1964], Pianist) は、モスクワ音楽院でピアノをコンスタンチン・イグムノフに、作曲と対位法をセルゲイ・タネーエフに学んだ。ピアニストとしてデビューを果たした1912年には、作曲者自身の指揮でグラズーノフ「ピアノ協奏曲」の初演も務め成功を収めている。

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新発掘SP音源フリードマンの「告別のワルツ」を世界初復刻

「レシェティツキの弟子たち 第3集」(1880〜1882年生まれのピアニスト)● アルトゥール・シャタック(1881-1951)
バッハ:シチリアーノ(プライヴェート・アセテート録音)

● リヒャルト・ブーリッヒ(1880-1952)w/ウェズリー・キューンル
バッハ:コントラプンクトゥス第6番〜フーガの技法より
(プライヴェートSP録音)

● ミヒャエル・フォン・ツァドラ(1882-1946

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ニコライ・オルロフ ショパン名演集

01. バラード 第1番 ト短調 作品23
02. バラード 第4番 へ短調 作品52
03. 夜想曲 第5番 嬰へ長調 作品15-2
04. 夜想曲 第8番 変ニ長調 作品27-2
05~08. ピアノソナタ 第3番 ロ短調 作品58(全曲)
09. 幻想曲 へ短調 作品49
TOTAL TIME : 69’ 41”

【CD解説】ロシアに生まれたニコライ・オルロフは、モスクワ音楽院でピアノをコ

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完璧さ+α「奇跡のピアニスト、ブンダヴォエの究極のバッハ」

完璧さ+α「奇跡のピアニスト、ブンダヴォエの究極のバッハ」

Fragments of History ~ ピアニストの黄金時代を担ったピアニストたち(5)
実は音楽の父ヨハン・セバスチャン・バッハを架空の人物だと信じていた頃があった。教科書で見る肖像画は中学生の僕には余りにも唐突な姿で、まさか実在していたとは思わなかったのである。
しかし、バッハは意外にもダ・ヴィンチやミケランジェロの200年以上後に生まれており、僕らが生れる200年くらい前までは生きてい

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