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遠州の茶室

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織部の一番弟子・小堀遠州のつくった茶室を集めました!将軍家の茶道指南役も勤めた茶人随一の出世頭。
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#伝統文化

国宝茶室 密庵(京都大徳寺 龍光院)

「密庵(みったん)」

国内に現存する国宝茶室(待庵・如庵・密庵)の一つで、江戸前期の茶人・小堀遠州の作。

密庵のある龍光院は京都大徳寺の西南の端に位置し、特別公開も含め一切の拝観を行っておらず完全非公開となっています。そのため、他の二つは見ることができることから「最も見るのが難しい国宝」とも呼ばれます。

密庵は現在、書院の北西隅に組み込まれていますが、当初は独立した建物であったそうです。

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太閤山荘 擁翠亭(十三窓)

「擁翠亭(ようすいてい)」

京都市北区にある茶室。⁡

江戸時代前期に加賀三代藩主・前田利常の依頼で、京都の彫金師・後藤勘兵衛の屋敷内に、小堀遠州によりつくられたものとされています。⁡

その後、清蓮院に譲渡され、明治に入り解体。京都の数寄屋大工・平井家に保存されていた擁翠亭の古材と古図を照合し、2015年に茶室研究者の中村昌生(1927~2018)の指導で復元されたのが現在の「擁翠亭」です

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八窓庵(札幌中島公園)



「八窓庵(はっそうあん)」

連子窓が三つ、下地窓が四つ、突上窓(天井)が一つの八つの窓を持つ二畳台目の茶室。

桃山時代から江戸前期の茶人、小堀遠州の晩年の作。

各地に移築された後、札幌中島公園内の日本庭園に昭和46年に移築され、現在に至る。

遠州が発展させた書院の茶室・孤篷庵の忘筌(ぼうせん)などとは対極的な草庵風の小間席。こちらの茶室も別名は「忘筌」。

鉄粉を混ぜ込んだ鉄錆の外壁に

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