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目が合ったら考えてあげる
この人は、いつもいつだって顔色が悪い。
箸を持っただけで指が折れそうだし、一度寝たらもう一生目を覚まさない気さえする。
…まあ、そんなことはないんだけど。
なんなら、今朝目が覚めてからずっとスマホとゲームコントローラーの往復を繰り返している。その横で目が覚めてから掃除洗濯、今はお昼ご飯の準備をしている私。掃除と言ったがするところがほぼない。大体いつもスッキリしている。この人の部屋が綺麗なのは、休
ダメなんかじゃない。
「こんばんは!チョコ、貰いに来ました!」
夜遅くにやって来て、第一声がこの図々しい一言。
しかも、制服姿。
「君の分のチョコなんて用意してません。
もう遅いんだからお子様は帰りなさい」
そう言ったらほっぺたを膨らませて、
明らかには不満がある顔をする。
図体でかいのにこういう
可愛い仕草が似合うから腹が立つ。
腹が立つけど可愛く見えるのは
惚れた弱みなのかもしれない。
彼は膨らませていたほっぺ
コーヒーなんて飲めないけど、
女の子はスタバが好きだって聞いた。
だから、スタバって単語を出せば、
興味を持ってくれると思ったんだ。
「あの、さっ、スタバ行かない…?」
ほら、これならきっと
君もオッケーしてくれるよね。
だって、スタバだよ!
「えっ、私コーヒー飲めないよ?」
あれ…?
予想外の反応で僕は
どうしたらいいか困ってしまった。
スタバってコーヒー以外のものなかったっけ。
フラペなんちゃらとか。
「フラペなん
まだ征服されていたい。
制服を卒業したら何を着たらいいんだろう?
私が着たい服を着ると色んな人に三度観されたり、変わってるって言われる。
私にとっての制服はそんな着たい服を着られないときに着る自分の弱いところを守る鎧みたいな鉄兜みたいなみんなに紛れるための擬態するためのものだった。
それがあと数ヶ月しないで着られなくなる。
じゃあ、私は何に守ってもらえばいいのだろう?
何を着たらいいんだろう?
弱いところを隠すには?
紛