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赤い靴の夢幻

言葉の羅列から生まれるストーリー

無造作に無作為に言葉を羅列する
そのままの順番でストーリーを作る
今日はこの羅列↓↓↓

赤い靴,砂,ネクタイ,映画,トマト,変わる,透明,鋭い,蝶,回る,両方,ルール,呼んで,アニメ,茶色,白い鳥,温度,白紙,相槌,飛んで,寂しく,電線,月よ,ねじれた,修正,網戸,ページ,日記,転んで,うさぎ,瞼,扉,栞,止まる,ガレキ,青い空,ワンピース,嫉妬,涙,通り抜ける

赤い靴を履いた少女は砂時計を片手に少年の前に立つ。曲がったネクタイを整えて、さぁ映画館に入ろうか。
まるで熟したトマトのような色の靴は映画のシーンとともに、かわるがわる色を反射する。一コマ一コマを堪能するように靴もそれに応えるように。
透明な吐息は鋭い映像と同化し、まるで蝶が回っているように両方のスピーカーから聞こえる音は儚げだった。マイルールに縛られた映画の主人公は私と同じだ。縛ってしまうことは苦しいけど、心地はいいんだよね。私の名前を呼ぶかのように君は優しく見つめている。私を見ているかのように。
アニメのような描写は君の薄茶色の瞳にどう映っているのかしら。白い鳥はあとを濁さず飛び立つのは、どんな苦労があろうと見せることを美学としていないのは、映画と私の唯一の温度差。
私のストーリーは白紙で君の相槌だけが音を立てる。飛んでいきそうな意識の中寂しくなるのは私だけか。映画はいよいよクライマックスで、闇夜に映る月が美しい。電線越しに見える月よ、あなたには私がどう見えますか。純粋無垢な君と違って、ねじれた気持ちを修正するには時間がかかりそうだ。
網戸越しにみる風景が美しく見えるのは目のフィルターのおかげ。ページをめくる日記が美しく見えるのと同じ。
転んだ兎のまぶたは閉じているの?開いているの?
存分に楽しんだ後は、二人で一緒に映画館の扉を閉める。また次来るときの為に映画館に栞をしておきたいな。ここでちょうど砂時計は完全に止まった。目の前に広がるのはガレキの山と青い空。黒より赤のワンピースが似合うって今更だけど嬉しいよ。君の言葉で嫉妬も消えた。
彼はそんな私に涙を流し、二人の間に風が通り抜ける。

あとがき
この詩は、赤い靴を履いた少女と彼の関係、映画と自己表現、時間と変化、そして愛と成長というテーマを通じてメッセージを伝えています。
詩の冒頭で登場する「赤い靴」は、主人公の個性や自己表現の重要性を象徴しています。彼女は自分のルールに従って生きる自由な精神を持ち、映画のシーンとともに色を変える靴は彼女の内面の複雑さを表しています。
主人公が持つ砂時計は、時間の流れと自己の変化を象徴します。彼女は自らの人生を時間の経過と結びつけ、自らの選択や行動がその経過に影響を与えることを認識しています。
映画を通じて、主人公と彼の関係は成長し、愛情が深まります。
「私の名前を呼ぶかのように君は優しく見つめている。私を見ているかのように。」彼は彼女への気持ちを理解していませんでした。ですが映画を見ることで彼女への感情を知りそれが何なのかを理解できました。

最後に、「黒より赤のワンピースが似合うって今更だけど嬉しいよ。」
この部分は、映画を見る前に気づかなかった彼が見た後に気づいて言葉にしたことから、彼女への「愛」を理解したことを意味します。
そして彼は涙を流すことで、今までの彼女への愛があふれてきました。彼は愛を知り自分の内面を見つめ直し、彼女に対する深い愛情を確信し、成長と共に自らの人生を歩んでいくことを決意します。

この詩は、個性の尊重、時間の意識、愛と成長の重要性といったテーマを通じて、人生の豊かさや意味を考えさせる力強いメッセージを伝えています。

「二人の間に風が通り抜ける。」
これは二人の過去を流し本当の愛を紡ぐという表現をしました。

言葉の羅列からあなたならどんな世界を想像しましたか?



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