見出し画像

見えない彼女と見える僕

僕は僕で生きる世界があって
この世界に流れる風は、どこまでも冷たい
幾千の星々は、そんな僕にも笑いかけ
でもやっぱり、朝になれば泡のように消えていく

そこら中を見えないモノたちが潜んでいて
願い事を託す、彼らにはこの世が
まるで穴が開いた空のように映っているんだろうか
嫉妬と焦りと闇が漂う世界に何を望むだろうか

冷たい空に見える君を、僕はどうすることもできなくて
海が見える踏切で一人考えてしまう
君に近づく方法は何通りあるのだろうか。

君を見つけてから、灰色であるはずの世界に
色が足された気分で
僕の小さな世界は変わり始めた

僕の前で通せんぼをする君。
優しい君が、僕を止めている姿が苦しいね。
優しい君とまた会えたら、どうかそんな世界が見えたなら
僕は喜んでその場所を求めて走り出すのに

君のいる世界と
僕のいる世界の
価値は一緒なんだろうか、誰か教えてほしい
雨が好きだと言っていた君だけど
ずっと空は降りそうにない青色が永遠と続く
君の好きには程遠いね

いつか見た夢の続きを見られたら
君が一番好きな四葉のクローバーを探しにいきたい

目に見える世界は、僕を自由にはしてくれなくて困る。
君といつか来た水族館で、海中の魚群が回る姿に興奮した
あの、柔らかく流れる時間を愛しいと思ったから。
それすら思い出すことを拒んでしまう。

黒く塗られた思い出を思い出すのは
もう少しだけ待っててほしい

見える世界は思った以上に複雑で
君の手のぬくもりをいとも簡単に忘れさせる
蒼く遠く過ぎ去った青春は
教室の窓からはじけるように飛んでいってしまった。

狼のように孤高な僕にまるで、蝶のような君が話しかけて来たときは
そんな君を突っ張る強さなんてなかったよね。
自分を狼だと勘違いしていた僕に君は
てんとう虫くんとあだ名をつけた時、僕の本質を暴かれたようだった。
どこまでも続く青い空に、透き通る君。

君の言う通り、やっぱり弱かったよ僕は。
てんとう虫だと見抜いた君はさすがだね。

ちょっとだけでいいから、君に近づきたかったんだけど
君からの大量の言葉が僕を留める

この、君へ自然に生まれる感情は
また退屈な明日を連れてきてくれる。


あとがき
学生の頃出会った彼女は、独りぼっちだった僕に声をかけてくれた。僕の本質を唯一わかってくれた彼女は、大人になって世界から消えてしまった。

彼女がいない世界になって、彼は見えないモノが見えるようになった、幽霊か幻か。そのなかに彼女の姿を見つける。彼は色がない世界でいるより、夢の続きを見たい(彼女と同じ世界に行きたい)と願うが、彼女はそれを拒んだ。たくさんの愛の言葉を告げて引きとめてくれる。僕にくれるたくさんの言葉は、あの時(学生の頃)に伝えてほしかった。だけど、彼女の言葉を聞いて、踏切で思いとどまり、また明日も生きようと思う。

この詩は、「喪失感を乗り越える」ことをテーマにしています。

言葉の羅列から生まれるストーリー

無造作に無作為に言葉を羅列する
そのままの順番でストーリーを作る
今日はこの羅列↓↓↓

僕は僕で,流れる風は,幾千の星々は,泡のように,そこら中を,願い事,穴が開いた空のよう,嫉妬と焦りと,冷たい空に,海が見える踏切,灰色である,小さな世界,通せんぼ,優しい君が,どうかそんな世界が,場所を求めて,価値は一緒,雨が好き,夢の続き,四葉のクローバー,目に見える,海中の魚群が,柔らかく流れる時間,黒く塗られた,待っててほしい,見える世界は,手のぬくもりを,蒼く遠く,教室の窓から,はじける,狼のように,突っ張る強さ,てんとう虫が,どこまでも続く,透き通る,やっぱり弱かった,ちょっとだけ,大量の言葉が,自然に生まれる感情,また明日を


この記事が参加している募集

スキしてみて

眠れない夜に

儚く美しい詩や物語が好きです★また明日も頑張ろって思えるようなものご用意しています♡ぜひご覧ください。いっしょに素敵な世界線へまいりましょう。