一般社団法人 災害防止研究所

災害防止研究所は、「自分の安全は自分で確保する」という自助の精神を啓発・普及する「まぁ…

一般社団法人 災害防止研究所

災害防止研究所は、「自分の安全は自分で確保する」という自助の精神を啓発・普及する「まぁるい日本 プロジェクト」活動を行うことを目的として設立いたしました。 https://linktr.ee/saigaiboushikenkyuusyo

マガジン

  • ビジョン21: 二十一世紀の国家安全保障

    ここには、私が防衛構想を策定したときに、前提とした考え方や構想をつくる過程で“気付いたこと”を述べている。 陸上幕僚監部で議論された防衛構想ではなく、すべて個人的な考えであることをお断りしておく。 ご高批いただければ幸いである。 𠮷田明生

  • 基礎自治体訪問記

    各地域の環境はさまざまに異なっており、十把一絡げに語れるものではありません。地形などの自然環境、人口や政治・経済・社会などの実情に応じた関心があり重点があり課題があり、それを解決すべく、智恵があり創意工夫があり施策があり、日々、一歩一歩、改善努力をされてきた歴史があり、多種多様な答えがあります。 地域防災のトレンド、課題、現場の実態を知るには、市区町村を訪問して、重責を担って仕事をされている担当者の方々から学ぶことが不可欠で、そこから住民の意識や関心を総括的に把握することが早道です。 訪問記の間に、私がこれまでの経験から得た危機管理、マネジメント、リーダーシップ等のノウハウ、問題解決へのアイデアや提案、参考になると思われる原則事項や情報などを折々に、情報発信していきたいと思います。 https://www.saibouken.or.jp/

  • 災害の歴史

    日本は、古くからさまざまな災害に見舞われてきました。それらの災害は、地震や洪水、台風など、自然によるものが多くあります。このブログでは、日本の歴史を通じて起きた災害を振り返りながら、それらの災害がどのように日本を変え、今日に至るまでの影響を受けたのかを紹介していきます。また、日本では近年、防災意識が高まっており、災害を未然に防ぐための取り組みや、災害時の対応方法についても解説していきます。

  • 仏蘭西料理と私

    1900年創業、日本最初のフランス料理店、多くの文人・芸術家・軍人などの著名人が集った「龍圡軒」の四代目当主、岡野利男さん。18歳で単身渡仏して修行10年。フランスの最優秀調理師見習いコンクールで総合4位(ロースト部門とデザート部門1位)の成績を修めて帰国。今の時代に求められるチャレンジングな生き方、複眼のようなものの見方、明るくウィットに富んだお話しぶりに惹かれて、エッセーをお願いしました。

  • メンタルヘルスケア

    一般社団法人 災害防止研究所の公式サイトブログから、「メンタルヘルスケア」をシリーズ化したマガジンです。

最近の記事

「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No16~Ⅱ-2:日米関係(その2)

■日米の国益 1 日米に共通する国益 (1) 全般 ア 主要な世界システムの維持、発展 (ア) 自由貿易体制 (イ) 市場経済の拡大 (ウ) 資源、エネルギーの安定供給の確保 (エ) 自然環境の保全 イ 国際社会における平和の維持 (ア) テロの根絶 (イ) 地域覇権国の出現防止 (ウ) 米国の核抑止力の維持 (エ) 大量破壊兵器の拡散防止 (オ) 自由主義国間の連携と連帯の保持 ウ 同盟国(自由主義国)の発展と応分の役割分担 エ 国際的な法規制と紛争解決の受け入れ (

    • 「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No15~Ⅱ-2:日米関係(その1)

      ■全般 米国をどのように見るかは、安全保障、防衛戦略を考えるときの大前提で、日米関係は日本の安全保障そのものである。 圧倒的な国力、特に軍事力の差がある二国間関係において、自国の安全をどこまで同盟国に委ねるのか、軍事的な協力関係をどこまで期待するのか、何を期待されているのか、競合する国益は何なのか、譲れぬ一線はどこにあるのかなどについて、幅広く深く考察しておかなければ、過度の依存心を生んだり、論理的思考を失わせて感情的になったり、我が国の安全保障の前提や判断に大きな揺らぎ

      • 「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No14~Ⅱ-1:国家安全保障戦略(その5)

        ●準同盟国(友好国)の拡大 一千海里シーレーンから中東にいたる地域の周辺で、地政学的に重要な位置を占める国々と連携しながら、様々な手段で政治的に安定した国作りと経済的発展を支援し、準同盟国たり得る関係を構築することは、我が国の安全保障の強化につながる。 戦略的に重要な位置にある発展途上国の関心は、まず安全保障と政権の政治的安定であり、次いで経済的な発展によって紛争の種となる貧困を撲滅し、民心を安定化することである。 戦略的に重要な地域にある国々は、特定の国が圧倒的な力を持

        • 「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No13~Ⅱ-1:国家安全保障戦略(その4)

          防衛構想の第三は、日米関係の強化である。 日米関係では、最も重要なものが欠けている。 同盟関係の根本になる脅威認識を共有し、両国が本当に必要としている共通の作戦ニーズについて話し合い、部隊運用を具体化することである。 それは、在外邦人の保護であり、弾道ミサイル対処であり、シーレーン防衛である。両国にとって、死活的に重要な国益を共同で守る努力をすることなく金銭的負担だけを増やしても、喜ばれはするが、真の信頼関係強化にはつながらない。 何かをしてあげる、何かをしてもらう関係ではな

        「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No16~Ⅱ-2:日米関係(その2)

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        • ビジョン21: 二十一世紀の国家安全保障
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        • 基礎自治体訪問記
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        • 仏蘭西料理と私
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        • メンタルヘルスケア
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        • 防災と安全保障と成長
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        記事

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No12~Ⅱ-1:国家安全保障戦略(その3)

          防衛構想の第二は、地域大国、中国の軍事的影響力を排除することである。 このため、中国の軍事的影響力の拡大を相殺するように我が国の防衛力を強化する。 共産党と人民解放軍は、ノーメンクラツーラ(赤い貴族)の既得権益を保護し、自分たちの地位を保障するために経済成長路線を継続し、海外に拡大した国益を確固たるものにするために軍備を拡大し続ける。 中国が、市場経済を導入して飛躍的な経済成長を遂げることができた理由は、社会主義体制が規格化された大量生産の時代に適合した政治体制であったため

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No12~Ⅱ-1:国家安全保障戦略(その3)

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No11~Ⅱ-1:国家安全保障戦略(その2)

          ■国家安全保障戦略 ●防衛構想等 第一は、ユーラシア大陸から脅威を生じさせないことである。 ロシアは、欧州正面と極東正面を結ぶことによって、容易に超大国になることができる。 ロシアは、欧州正面と極東正面との連接が緊密になり、軍事力が強化されればされるほど大国としての存在意義は増し、国際社会での地位を高くする。 現在のロシアの安全保障上の関心は、もう少し拡散している。 ロシアの防衛上の第一の課題は、欧州正面のNATOに対抗する軍事力の維持であり、第二の課題は、南西のイスラ

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No11~Ⅱ-1:国家安全保障戦略(その2)

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No10~Ⅱ-1:国家安全保障戦略(その1)

          ■全般 安全保障は、“永遠の国益”を保障するための努力である。 大きな揺れが生じる可能性のある政策的な目標を国益として、安全保障の規範に置くべきではない。 第一項で取り上げた安全保障の「考察の前提及び基軸とする視点」は、日本が現在の位置にある限り背負う、宿命とでも言うべき地政学的条件と国家目標によって方向づけられる。 我が国が置かれた地政学的条件下で国家目標を実現するには、二つの課題を解決しなければならない。 一つ目の課題は、大陸周縁部にある海洋国(リムランド)として

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No10~Ⅱ-1:国家安全保障戦略(その1)

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No9~Ⅰ-3:脅威等への対応手段(その2)

          ■脅威等への対応手段等 ●全面戦争 1 予防 (1) 外交的手段 ア 周辺国の政治的動向の把握 情報活動 諜報活動 イ 国際的枠組み、特に大量破壊兵器の拡散、使用に関する規制強化 軍備管理 通常兵器の移転管理 査察の実施 核拡散防止条約(NPT) 包括的核実験禁止条約(CTBT) ミサイル技術管理システム(MTCR) 化学兵器禁止条約(CWC) 感染症封じ込めの安全実験施設(P4)の稼働、充実等 ウ 宣言、演説、決議等による意思表明 エ 外交ルート(外交官)を通じての意

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No9~Ⅰ-3:脅威等への対応手段(その2)

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No8~Ⅰ-3:脅威等への対応手段(その1)~

          ■全般 人的・物的な国際交流、金融・経済の自由化、国家間の産業の機能分担と相互依存(サプライチェーン)は進み、情報は、サイバー空間のネットワーク化によって世界中にリアルタイムで伝達され、誰もが等しく手に入れることができるようになった。 脅威は予想を超えた時間、地域、規模、機能的範囲で奇襲的に発生し、脅威がもたらした被害や混乱は、人々に与えた心理的影響や世論を受けて複合的に拡大し、またたく間に世界中に波及する。 脅威への対処は、脅威の拡大に先んじて、迅速かつ細心にして大胆に、

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No8~Ⅰ-3:脅威等への対応手段(その1)~

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No7~Ⅰ-2:脅威(その3)~

          ■諜報活動及び謀略 軍事活動ではない、極めて重要な、古典的ではあるが我が国に脅威を及ぼす活動として、諜報活動及び謀略がある。 諜報活動には、合法的なものと非合法的なものがあり、日本には、非合法的な諜報活動を取り締まる根拠法令がない。 いわゆるスパイ活動は、法律を整備して取り締まらなくてはならない。 諜報活動は、諜報活動と対諜報(防諜)活動に区分される。 諜報活動は外政の範疇で、対諜報活動は内政の範疇で考える。 諸外国と国益が競合する分野において、平和的な手段で政治目的の達

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No7~Ⅰ-2:脅威(その3)~

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No6~Ⅰ-2:脅威(その2)~

          ■全般 国益を追求することを阻害し、国の秩序やシステムの機能発揮に影響を与える要因には、どのようなものがあるか。 危機管理は、通常のルールを超えた事態を予想すること、つまり「考えられないことを考える」ことから始まる。 その要因を国内で生じる脅威と国外で生じる脅威に区分した。 国外で生じる脅威が我が国の安全保障に影響を及ぼす事態になるには、何らかの情勢の変化をともなう。  そこで、多分そうなるであろうと予想する蓋然性の高い情勢を基調となる情勢としてあげ、次いで、その情勢が変

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No6~Ⅰ-2:脅威(その2)~

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No5~Ⅰー2:脅威(その1)~

          Ⅰ-2 脅威 ■全般 国益を追求することを阻害し、国の秩序やシステムの機能発揮に影響を与える要因には、どのようなものがあるか。 危機管理は、通常のルールを超えた事態を予想すること、つまり「考えられないことを考える」ことから始まる。 その要因を国内で生じる脅威と国外で生じる脅威に区分した。 国外で生じる脅威が我が国の安全保障に影響を及ぼす事態になるには、何らかの情勢の変化をともなう。  そこで、多分そうなるであろうと予想する蓋然性の高い情勢を基調となる情勢としてあげ

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No5~Ⅰー2:脅威(その1)~

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No4~Ⅰ-1:国家目的及び国益~

          Ⅰ-1 国家目的及び国益 ■全般 国家の領域を保全して、歴史と伝統を守り、国民の主権と自由を確保して平和と独立を維持し、繁栄することを国家目的とし、それを具体化して、国益とした。 大英帝国の黄金時代、二度にわたって首相を務めたパーマストン卿が「国家に永遠の友も永遠の敵もいない。あるのは永遠の国益だけだ」という名言を残している。 永遠と言えるほど普遍的価値のある国益でなければ、国家運営の普遍的な指針や判断基準にはならない、ということだろう。 国益を短期的な目先の利益に基づ

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No4~Ⅰ-1:国家目的及び国益~

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No3~目次、思考過程~

          ウクライナ情勢について はじめに 序 目次 思考過程 Ⅰ-1 国家目的及び国益 ■全般 ■国家目的 ■国益 Ⅰ-2 脅威 ■全般 ■脅威 ■シナリオ ■諜報活動及び謀略 ■脅威分析の方法論 Ⅰ-3 脅威等への対応手段 ■全般 ■脅威等への対応手段等 ●全面戦争 ●領域警備事案(限定侵略) ●ミサイル攻撃 ●テロ等不法行動 ●サイバー攻撃 ●地域覇権国の出現 ●地域紛争等 ●シーレーンへの妨害等 ●自由貿易体制の阻害 ●諜報活動 ●謀略 ✿ ✿  コラムⅠ ✿ ✿

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No3~目次、思考過程~

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No2~序~

          序 【平成二十三年(二〇一一年)十一月記】   冷戦時代、文字通り、冷たい戦争を継続していたから、安全保障は、ソ連との戦争を主題として考えれば良い時代であった。 ソ連をはじめとする共産主義国は、資本主義国を侵略的だと断じ、資本主義国を撲滅して世界革命を達成し、プロレタリアート独裁の平和を実現するのだという教義を掲げていた。 米国をはじめとする自由主義国は、共産主義国をして、世界中に革命を輸出することを使命とし、機会主義的に他国を侵略することを狙っている好戦国だと見なし

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No2~序~

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No1~はじめに~

          【これは、私が二度にわたり、防衛力整備の長期構想策定(平成八年~十三年、~二十八年)に携わった際、考察の前提とした「国家安全保障」をベースにして、平成二十三(二〇一一)年、現役自衛官当時に書いたものである。 自衛隊退職後、平成二十五年、国家安全保障会議設置法が成立した際、関連部分に若干、加筆、修正し、「はじめに」と「あとがき」をつけて、書籍の体裁を整えた。 はじめに 【平成二十五年(二〇一三年)十二月記】 国家安全保障会議設置法が改正され、国家安全保障会議が立ち上がった

          「まぁるい日本 国家安全保障(ビジョン2100)」No1~はじめに~