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小説『それぞれのパンデミック ~そのとき彼等は』関連マガジン

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小説家 悠冴紀著の最新作(小説)『それぞれのパンデミック ~そのとき彼等は……』の本文からの切り抜き紹介や、登場人物たちの言葉をピックアップした「試し読み」等の記事をご覧いただけ… もっと読む
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2022年1月の記事一覧

【小説】『古城屋敷の奇妙な一日 ~侵入者たちの悲運』 (📖「それぞれのパンデミック」第三話 :前半からの本文切り抜き紹介)

【小説】『古城屋敷の奇妙な一日 ~侵入者たちの悲運』 (📖「それぞれのパンデミック」第三話 :前半からの本文切り抜き紹介)



【2021年9月初旬】

 この世の終わりとまではいかず、人類は相変わらずこの母なる星を汚染し続けていたが、外の世界は、まだまだ流行病を巡る騒動に揺れていて、次々に発生する変異種に振り回される一進一退の日々だった。その混乱に乗じてここぞとばかりに、独裁政権が息を吹き返したり、人民の自由と権利が国家権力によって脅かされるなど、世界中が短期間で激変し、不穏な時代が幕開けたというのに、この場は驚くほ

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【小説】 蝶の羽ばたき (📖小説「それぞれのパンデミック」 :第三話『古城屋敷の奇妙な一日』後半からの本文切り抜き紹介)

【小説】 蝶の羽ばたき (📖小説「それぞれのパンデミック」 :第三話『古城屋敷の奇妙な一日』後半からの本文切り抜き紹介)



⚫前話(P.93~98)はこちら

【蝶の羽ばたき】
(P. 118~123)

 この日の夜は、ひときわ月が明るく澄んだ空気をしていたので、寝室の窓を不透明な分厚いカーテンで塞ぎたくなかったJは、不用心ではあるが、珍しく薄いレースカーテンだけにしておいた。それも中央にあえて十数センチの隙間をつくり、中から月が見えるように。

「それにしても、噂というのは侮れないものだな。話に尾ひれがついて、

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