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介護職をスタートする方へ♯9

介護職をスタートする方に向けてシリーズでご紹介

医療福祉業界に20年近く携わっており、現在は介護職の人事・採用活動や面接官、人材育成、事業運営(6事業所)、マネジメントに関わっています。

先日、新しく介護職として働き始める方から「入職してまずは何から始めるのが良いのか」というご相談をいただきました。

はじめて働き始める時は誰もが緊張したり不安になるものですよね。

今回は「介護職をスタートする方へ♯9」と題して、介護職として入職したあとにすべきことをご紹介したいと思います。

とはいえ…

すべてを一度にご紹介していくと文章量が多くなり過ぎてしまうので、シリーズ(続きもの)として、1記事3項目ずつに分けて投稿していきたいと思います。

私自身、キャリアのスタートは無資格の介護職でした。
自分自身の経験や、現在新人研修で伝達している内容なども踏まえてご紹介できたらと思います。

一記事、約3分~5分程度(3項目の本文は1500文字)で読み終わる内容を目安にご紹介していきます。

これから介護職・介護福祉士として活躍する方、介護職・介護福祉士の仕事にご興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

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前回ご紹介した内容

前回は…

➀認知症について理解を深める
➁支援の種類を考える
➂インシデント・アクシデント(事故)への意識を高めよう

基本技術や業務を覚えるといったことも勿論大切ですが、まずは働くうえでの基本となるものから紹介しました。

他の専門職も同じですが、専門職と言えど働くことの基本として求められることの多くは、そこまで大きな差はありません。

その中でも#8では、介護職として押さえておかなければならない認知症ケアや生活支援の際の思考、インシデント・アクシデントへの意識に焦点をあててご紹介しました。

介護職として働くうえで、認知症ケアは避けては通れない必須の知識です。

自分は高齢者分野ではない…と思う方もおられるかもしれませんが、認知症ケアの理解(思考展開や構造)は「その人」にスポットをあてたものであり「その人」を知るということは、認知症ケアにしか活用できないものではなく、様々な場面で応用が効くものです。

また、目の前の方が何を望まれているのかということを人が生活するうえでの全体像(ICF)を踏まえて支援を行うかどうかは、専門職として必要な視点の一つであり、ケアの質を高めていく上で重要なことです。

介護の仕事は連続性のあるものであり、部分的な援助で簡潔するものではないからです。

認知症ケアと同じく、その方の生活するうえでの全体像(人生・生活)を考えたうえで支援を行うことが必要なんです。

また、生活には危険もつきものです。

全てのインシデント・アクシデントを完全に防ぐことは不可能ですが、生活の質向上には安全面への意識も重要になります。

介護職としてスタートをきった初期段階で、こられのことを知っているかどうかというのは専門職としてのスキルや今後の成長に大きく関わってくるものです。

働き始めた段階で、これらのことを意識できているかどうかは、専門職としての成長に大きく関わります。

はじめは難しくてわからないことも多いとは思いますが、わからなくても大事なこととして見ようとしたり考えたりして、経験と知識を積み重ねていくことが重要です。

その積み重ねが後に大きな力となっていきます。

まだご覧になっていない方で、ご興味のある方は下記からご参照ください。

今回は♯9

今回は、♯9となります。

前回同様、基本的介護の知識や技術ではなく、まずは働くうえでの基本について介護業界ならではの視点でご紹介いたします。

詳細は目次をご覧ください。


➀自分が働くサービス形態を理解する

介護職として働くうえで、自分が所属する事業所が介護保険上のどのような立ち位置で、どのようなサービス形態なのかを理解することは非常に重要です。

介護保険上、どのようなサービスを提供する事業所なのかを確認することで求められるサービスや実践するケアの方向性、役割などを確認することが出来るからです。

例えば…「介護老人福祉施設」と「介護老人保健施設」どちらも施設サービスですが、提供するサービス内容は異なります。

名称は似ていますが、介護保険上の役割としては違う内容が明記されているんです。

厳密に言えば様々な違いはありますが、今回は提供するサービス内容の中でも、介護職が行う支援内容としてイメージしやすい表現でざっくりと簡単にご紹介します。

一言で言うならば、生活支援の段階による違いであり、医療的ケアの比重の違いです。

どちらも介護が必要な状態の方、体調などの経過、機能訓練等が必要な方が利用されるサービスではありますが、介護老人福祉施設は日常生活の支援がメインであり、介護老人保健施設は日常の生活支援に加えて、看護師やリハビリスタッフ指示のもと機能訓練(リハビリテーション)や医療的ケアを行うなどの役割を担っています。

また、施設サービスを利用される方々の中でも、在宅に戻られるのか、それとも在宅ではなく施設での生活を継続されるのか等、支援の段階により利用されるサービスは異なります。

このような違いがあるからこそ、介護職として働くうえで求められる視点や知識・技術などにも違いが生じてくるんです。

だからこそ、単に「介護」としてではなく、自分がどのような事業所で介護職として働くのかということを知っておく必要があるんです。

➁個人情報・プライバシーの保護について学ぶ

介護職として働くうえで、個人情報・プライバシーの保護について自覚と責任を持った言動求められます。

特に情報が目まぐるしく更新される今の時代、そしてなにより一個人が知り得た情報を簡単に発信できてしまう現代のような状況下では「個人情報の保護」であったり「プライバシーの保護」は、しっかりと把握したうえで実務にあたらなければなりません。

介護は利用者様の命をお預かりし、人生をサポートさせていただく仕事です。

そこには信頼が大事なキーワードとなります。

利用者様や家族様の大切な個人情報やプライバシーは、尊厳を支えるうえでも重要なことであり、これらが守られないような結果となると精神的な苦痛や不安、不信感を与えかねません。

介護職は利用者様・家族様の大切な個人情報やプライバシーに関わる機会が多くあります。

だからこそ、個人情報やプライバシーを守るということはどういったことなのか、どのような行動を指すのかを予め学んでおくことが大切なんです。

➂高齢者虐待について知ろう

介護の仕事は心理的にも身体的にも利用者様との距離が近くなるため、高齢者虐待について理解することは大切です。

高齢者虐待についての理解を深めていなければ、知識がないがゆえにいつの間にか高齢者虐待になってしまっているということもあるんです。

命や生活、安全を守ろうとしただけなのに虐待に該当する事項だった…

【無意識・無自覚】ということもあるんです。

また、高齢者虐待と呼ばれる行為の前段階には、不適切ケアという段階があります。

不適切ケアが当たり前になってしまうと、高齢者虐待が発生しやすくなってしまうんです。

不適切ケアが行われている段階で「このケアって本当にいいんだろうか…」と立ち止まって考えることが大切です。

どのような行為が高齢者虐待・不適切ケアに該当するのか、知識を得て日々考える習慣をつけることが虐待を防ぐことに繋がります。

利用者様の大事な命をお預かりし、生活のなかでの不安や困りごとを支援する仕事だからこそ、虐待や不適切ケアについてはしっかりと把握しておかなければなりません。

そのことを理解せずに自覚と責任に欠ける言動をとってしまうと、利用者様・家族・自分自身・共に働く仲間、すべての関係者にとって不幸な結果になってしまいかねません。

せっかく志をもって介護の仕事をスタートしたのですから、このような結果を防ぐためにもしっかりと理解して日々考える姿勢が大切になります。

東京都福祉局が出している高齢者虐待の基礎知識【種類・程度・背景などが記載】についての記事がありますので、以下のリンクよりご確認ください。

介護職・介護福祉士としてレベルアップが現状を変える(継続は力なり)

いかがでしたでしょうか。

今回は♯9として…

➀自分が働くサービス形態を理解する
➁個人情報・プライバシーの保護について学ぶ
➂高齢者虐待について知ろう

以上の3つを簡単にご紹介いたしました。

介護は大変な仕事であるということが良く言われているように、確かに大変な仕事ではあります。

しかし、よくよく考えてみれば人様の大切な命、尊い人生をサポートする仕事が大変でないわけがないという見方もできます。

大変な仕事に対しても日々学びを深めて追究(追求)することにより、自分自身をレベルアップさせたり現状への最適解を導き出しながら、大変さを軽減させていくことは可能だと私は思います。

確かに一足飛びにはいきませんが、積み重ねることで大きな力となり、このプロセスの中で介護職としてのやりがいに必ず出会うことができます。

私は介護職・介護福祉士の仕事は誇りある仕事だと思っています。

介護の仕事をしている
介護職・介護福祉士としてキャリアアップを目指している
介護に悩んだり不安になっている

そんな方々の少しでも力になれたらと思い、今後も投稿いたします。

よければ、今後ともよろしくお願いします。

また、ありがたいことに最近では多くのご質問やご相談をいただくようになりました。

今回、記事をご覧いただいた方の中で、質問等がありましたらコメント欄もしくはX(旧Twitter)にてポストいただければと思います。

いただいた内容に全力でお答えいたします。

自分の能力でお答えできない場合はsabukurochaで調べた後にお応えします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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医療福祉業界に20年近く在籍する中で、患者様や利用者様、家族から学ばせていただいた「人生をより良いものをにするために必要なこと」についてご紹介しています。

ご興味のある方は下記リンクよりご覧ください。

これからもご覧いただいた方々に少しでも「良かった」と思っていただけるような投稿に努めていきます。

今後ともよろしくお願いします。

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