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詩誌 ラブレター

18
誰かに届きますように
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#詩

ラブレター15 柱

ラブレター15 柱

不遜

隣と下にしか
人柱がいないから
私はきっと
不遜なのです

紙の上で

それ以外では
微塵子のよう
よるべがなくて
吹き飛ばされて
しまいそう

紙の向こう側で
許し合いたい
おかあさん

私も上から連なって
いたいのです本当は

あたし東洋人だから

臍帯

母と繋がった私は
つまらない人間になった
従順で
人の目を気にする

ビプレッソからラミクタールに
変えたせいもあるのだろうか

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ラブレター14

ラブレター14


文士

おい文学、頭ん中お花畑さかしてんじゃねえぞ 
それで学問て言えるんか 
お花ばらまくのはかまへんが 
自分までお花になって 
文学やれると思うなよ
頭ん中お花畑にさせときたいなら
文学のお客さんでいろよ

合理から逃げたのが浪漫なのか?
学問なら
逃げるなよ

気持ちいいことが好きなら
何すればいいかは自明だろう

===

それだけでいい

理由がなんであれ
私があなたを求めるのは本当

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ラブレター12

ラブレター12




結ぶ
結ぶ
縁を結ぶ

まあるく
まあるく
世界を結ぶ

けして汚くない
けして汚くないと
信じさせてよ

ねえあなた
血は流さないで
そんなの
望んでない

ねえあなた
耳を噛むわ
あなたの左耳
穴が空くほど

戦わなくても
あなた強いの
血を流さないから
あなた強いの

詩作品 ラブレター7

詩作品 ラブレター7

過去形

初めて
唾を付けてくれた
貴方
私の身体にも
付けてほしかった

===

満ち

満ち足りもセズ
枯れもセズ

それでいて
充たされて
やる気に満ち
病と
遊びの
絶妙なバランスを
取る以外に方法はなく
それがどれだけ
傍にいる人に迷惑をかけるか
それはわかっている

美知、
あなたを一番
愛していました

===

ピル

「ピル飲んで欲しいな」

大学生の時の彼
衝撃の一言
まだピ

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詩作品 ラブレター6

詩作品 ラブレター6

ハーレム

後宮の名残なら
本来自然なのです
経済の中で
金と美の交換
神の見えざる手

農耕のない未開の時代
殆どの間ヒトは
男も女も
互いにとっかえひっかえ
自然淘汰と多様性

市場経済では
有能な男に女は群がって
一夫一妻なら殆ど妥協
地主のドラ息子はごめんだけれど
腕一本で逞しく 
生き抜くあなたに
くびったけ

===

需要と供給

あなたの穴を
私が埋めれる
そんな確信だったの

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詩作品 ラブレター4  (宛名付)

詩作品 ラブレター4 (宛名付)


茨木のり子さんに 

倚りかからない詩人の貴女が
倚かかったのは椅子の背もたれだけ

でもその椅子は、旦那さまが
最後に欲しがった物

夫が欲しいというものは
全て買ってきたあなたにとって
その椅子は特別な物

貴女は最期までその椅子を頑として手放さなかったという
そして
「Yの箱」が発見されました

マスターベーションを詩にできる貴女が
羞恥心でそれを発表しなかったとは
解釈できず

貴女にと

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3rd drop  ・ 3滴目

3rd drop ・ 3滴目

When I woke up, No one was there

I can't do moreover only by myself
I need some help
But nolonger Ican't believe anything else
I'm sad that I can't lean on anything else
but I believe the power of W

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詩作品 ラブレター3

詩作品 ラブレター3

出版人

みんなのためなら
「書きたい」と思う

会社のためなら
「書く」と思う

私のためなら
「愉しむ」と思う

あなたのためなら
「働く」と思う

あなたのためなら
「書ける」と思う

===

作文中毒

言葉を掴み損ねるのが
一番悔しい

降ってきた言葉は
すぐに残さないと
跡形もなく消えていく

お料理だってしてられない
パスタは泡をふいちゃうし
照り焼きなんて真っ黒こげ

お風呂に入

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詩作品 ラブレター2(カミソリ入り)

詩作品 ラブレター2(カミソリ入り)


マスコミさん

他人をニュースにし続けてきて
自分がニュースにされるのは
どんな気分ですか

あなたは筒なのに
誰かと誰かを繋げることで
何者かになったつもりなのでしょうか

自分は筒だと気づいているなら
何も言うことはないのですが
もし気づいてないのなら
筒の役割も果たせないでしょう

意図を持ったらそれはフィルター

フィルターならフィルターと
名乗らなければ

筒が当人と違う意図をもつから

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詩作品 ラブレター

詩作品 ラブレター

編集者

編集者は、
この人になら自分の文章に何されてもいいって思える人がいい

自分が表現したかったことを、
隠しておいたコンセプトまで読み取ってくれる人がいい

根底を誉めてくれるけど、
だめなものはだめと
プライドと情熱を持って伝えてくれる人がいい

言いたいことを言いやすい人がいい

私のことを、うまいと思ってくれる人がいい

===

風刺句

母親は
恋に堕ちれば重罪人
こんな立場に誰

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