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「政治資金の納税義務は?今はインフレかデフレか?」 2024年2月22日衆議院議員予算委員会 米山隆一質疑

予算委員会にて米山隆一の質疑が行われました。(午前:午後に分かれています)
ライブ動画および、当日の国会での配布資料、質疑を掲載した記事をこちらに掲載します。

◯主な質疑内容
1. 政治資金の納税について
2. 異次元の金融緩和(インフレ/デフレ)について



ライブ動画


2024年 2月22日 衆議院予算委員会 午前中 米山隆一質問

◯米山隆一 質問1) 
二階元幹事長への政治資金は、寄付か?納税義務は?

○米山委員 
それでは、会派を代表して御質問いたします。
2月16日から確定申告が始まっております。
 パネル、資料1を御覧ください。2023年現在で、税、社会保障を合わせた国民負担が国民所得に占める割合、国民負担率ですね、これはぐんぐん上って46.8%となっております。

議事録
米山隆一 資料1

もちろん、国家運営そして社会保障の維持には必要なことでございますが、しかし、それを維持するには、国民が納得して、そして納税される、適正な徴税が行われるということは必須条件でございますので、この予算委員会でお伺いしたいと思います。

 皆さんの御答弁を国民は見ておりますので、国民の目を介して皆さんにもそのまま向かっていくということを御認識して御答弁いただければと思います。もちろん、我々も、私自身の言葉、我々の言葉が自分に向かうということはきっちりと理解して御質問させていただきたいと思います。

 その前になんですけれども、昨日、大西委員が言われました、政策活動費は寄附なのか支出なのかというところで、ちょっと積み残っておりますので、ここを御確認させていただきたいと思います。

 まず、資料21ページ、一番最後にあるんですけれども、政治資金規正法では、第四条三項で寄附が、四項で政治活動に関する寄附が、第五項で支出が定義されております。

議事録
米山隆一 資料21

内容をちょっと読み上げますと、「「寄附」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のもの」、支出は、「「支出」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、第八条の三各号に掲げる方法による運用のためにする金銭等の供与又は交付以外のもの」。要するに、ほとんどそっくり同じなわけでございます。

 唯一違うのは、支出は債務の履行を含む、寄附は債務の履行は含まないということなんですけれども、いずれでもらったとしても、私、実は政務活動費は寄附だろうと思うんです。党の中の役職の人に渡して、それを支出しましたっておかしいでしょう、それは党外にやるのが支出でしょうとは思いますが、しかし、寄附でもらおうが支出でもらおうが、結局、政治家個人がもらったお金を政治家個人が使う場合には、それはそもそも報告義務はないわけですよね。政治資金収支報告書というのは、あれは政治団体がやるものですから。

 かつ、結局、寄附でもらおうが、さらに、支出でもらおうが、それはもらったものだ。かつ、支出でもらうということは、例えば電通さんが、自民党の党勢拡大のために、二階幹事長、お願いしますと年間十億円やるのは支出しましたというんだったら、それは、電通に自民党の宣伝のために十億円やりますというのと同じですから、納税という観点からいうなら、それは、支出として受けたんだったら、より一層ちゃんと納税しなきゃいかぬですよね、徴税しなきゃいかぬですね。何なら、それは二階広告社による事業所得になるでしょうということだと思うんです。

 ですので、これは別に支出であろうが寄附であろうが、それはどんな形態で所得を上げたかによって、事業所得になるのか、それとも何なら給与所得になるのか、幹事長としての給与所得ですとなるのか、若しくは雑所得になるかは分かりませんが、いずれにせよ所得になって申告、納税義務が生じるということでよろしいでしょうか。確認させてください。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁1)
政治資金は課税対象の可能性

◯星屋和彦 次長
お答え申し上げます。
 政治資金につきましては、それが政治家の関連政治団体又は政治家個人のいずれに帰属するかによりまして課税関係が異なるため、個々の事実関係を精査する必要がございます。

 その上で、一般論として申し上げますと、政治家の関連政治団体に帰属する場合には法人税の課税関係は生じませんが、他方、政治家個人が受領した政治資金につきましては、その名目のいかんにかかわらず雑所得の収入として取り扱われ、一年間の総収入金額から必要経費として政治活動のために支出した費用の総額を差し引いた残額が課税対象となり、残額がない場合には課税関係は生じないということでございます。

 いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、個々の事実関係に基づき、法令等に照らして適正に取り扱うこととしております。

議事録

◯米山隆一 質問2) 
二階幹事長の政治資金は、雑所得ではないか?

米山委員 
そうなんですよ。結局、別に支出という名目にするのか寄附という名目にするのかは関係ないです。いずれにせよ、基本的にはそれは雑所得。もし仮に二階幹事長が二階広告社とかつくっていたなら、それは多分事業所得になるんでしょう。そういうことであって、別に名目は関係ないということは確認させていただきたいと思います。

それでは、納税について伺います。

これもすごく基本的な質問で大変恐縮なんですが、公的年金、これは雑所得になり課税されますでしょうか。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁2) 
年金の場合は、雑所得で課税対象

◯星屋和彦 次長 
お答え申し上げます。

公的年金等に係る所得につきましては、所得税法上、雑所得に区分されるということでございます。

議事録

◯米山隆一 質問 3)
課税対象収入で申告のない所得は、どう徴税されるか?

米山委員
そうなんです。テレビを皆さん見ていますよ。公的年金、ちゃんと課税されるわけなんです。テレビ、中継はされていないんですよね。録画で見ますから。正確に。

次にですけれども、追徴についてお伺いします。

 これは、私、お恥ずかしながら、正直に申し上げますが、追徴されたことがございます。医者になったその年なんですけれども、医者になったら、それは普通に、医者の給与はちゃんと申告、納税したわけなんですけれども、当時、私、五月に医者になるという時期だったんですが、1、2、3月に塾でアルバイトをしていた。そんなことはすっかり忘れているというか、納税しなきゃいけない、申告しなきゃいけないということすら忘れているわけなんです。しかも、住所も変わっているから源泉徴収票も来ない。

 そうしたら、しばらくたってから、しかも、私、結構アルバイトをしたものですから、税務署から通知が来まして、はいはいと言って結構な額を支払わされたわけなんです。ごめんなさい、支払わせていただいた。済みません、自分に向かいますからね。喜んで支払わせていただいたんです。

 これはちょっとお伺いしたいんですが、こういうふうに、雑所得であれ普通の給与所得であれ、申告されない所得、これはどのように捕捉して、どのように徴税されるんでしょうか、お伺いいたします。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁3) 
国税当局は、税務調査を行う

◯星屋和彦 次長
 お答え申し上げます。
 申告納税制度の下では、まずは納税者の方々におきまして御自身の収入や必要経費を計算し、申告していただくことになります。

 その上で、一般論として申し上げますと、国税当局におきましては、様々な機会を捉えまして課税上有効な各種資料情報の収集に努め、これらの資料情報と提出された申告書とを分析いたしまして、申告すべき所得を申告していないなど、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどいたしまして、適正、公平な課税の実現に努めることとしております。

議事録

◯米山隆一 質問 4)
雑所得の控除の方法に関して

米山委員 
これもそうですね。申告はしなくても、通常というか、税務署の方が調べて、こいつは医者だけれども、塾講をしていたなというのを見つけて、ちゃんと納めなさいと言ってくるわけです。

 さらに、次は給与所得と雑所得の控除の違いについてお尋ねしますが、実は、私が追徴されたことはこの一度ではありません。本当に申し訳ございません。

 次は、私、原稿を割に書くんですね。原稿を書いて、お金を多少、少ないんですけれども、もらえるわけです。これはちゃんと申告したんです。ちゃんと申告したんですけれども、これも、源泉徴収票が来て、全部給与だろうと思って、だあっと給与所得の方に入れておいたんです。

 そうしたら、大分たってから、それもかなり時間が、多分2年とか3年とかたってからだと思うんですけれども、いやいや、それは雑所得ですと。いや、一緒じゃんと思ったら、雑所得は給与所得控除はございませんと言われまして、ああ、そうなんですか、でも、私も原稿を書くときにちょっと、だって、給与所得分ぐらいの苦労はしているというか、パソコンも使っているし、参考文献も買っているし、控除をされないんですかと言ったら、されませんと言われたわけなんですよ。

 結局、その差額として、これも、それ相応の額を払いなさいと言われて、喜んで払わせていただいたんです。

 このように、給与所得には給与所得控除が決められていますが、これはどのような趣旨で決められたものでしょうか。また、雑所得の控除金額はどのように決まりますか。併せてお答えください。

議事録

・財務省主税局長 青木政府参考人 答弁1)
雑所得は、必要経費を収入から差し引く

◯財務省主税局長  青木孝徳
お答え申し上げます。
 所得税における所得の計算におきましては、原則的に、収入から実際に生じた必要経費を差し引くこととなっておりますが、給与所得者につきましては、対象数、対象者の数も多く、自らその経費を積み上げる事務負担が大きいことにも配慮いたしまして、実際に生じた必要経費を差し引く代わりに、給与収入の額に応じて一定額を差し引く給与所得控除が認められております。

 一方、雑所得の計算につきましては、公的年金等に係るものを除きまして、所得税の原則どおり、実際に生じた必要経費を収入から差し引くこととされており、必要経費の計算においては、納税者において、実際に収入を得るために要した費用を積み上げて行うこととなります。

議事録

◯米山隆一 質問 5) 
雑所得の追徴課税に関する、控除について

◯米山委員 
そのとおりでございます。
 聞いておいてなんなんですが、それは知っていたので、実はパネルを作ってあります。この所得控除、結構大きいので、それで随分違うんです。逆に言うと、雑所得の控除をしてもらえるんだったら、結構額は減らせるんですよ。

議事録
資料2

ところが、追徴された私が言うのもなんなんですけれども、追徴された時点で、いや、私、経費があったんですけれどもと言っても、通常、これは聞いてもらえないわけなんです。いや、そんなもの、証明できないでしょう、証明できるんだったらどうですかと言われるわけです。

 ちなみに、時間が迫っているのではしょりますけれども、レクのときに国税庁の方に聞きましたら、でも、そうはいっても、ちゃんと証明できたらいいんですよとかとおっしゃられたわけです。でも、ちゃんと証明って、2年や3年後に追徴が来て、じゃ、本屋で買ったのを本屋に聞きに行ったら、それは一々ちゃんと国税庁の人は聞いてくれるんですかと。それは聞いてくれないわけですよね。それはそうでしょう。聞いてくれないわけなんです。

 そこで、お伺いしたいんですけれども、あえて確認をさせていただきたいんですけれども、もし、雑所得、追徴して、後から来て、そして、その人が、いや、実はちゃんと所得控除と同じぐらいの控除がありました、でも証明するものが何にもありませんといった場合に、どうなりますか。国税庁の方でお答えください。

議事録

・国税庁 次長 星野 政府参考人 答弁4) 
必要経費に当たるかどうか検討する

◯星屋和彦 次長 
お答え申し上げます。
 雑所得の金額は、一年間の総収入金額から必要経費の総額を差し引いて計算することになりますが、一般論といたしまして、この場合の必要経費につきましては、その支出の事実の有無及び当該支出が必要経費に当たるかどうかの検討を行うこととしております。

 なお、雑所得につきまして、必要経費が認められるか否かにかかわらず、御指摘の給与所得控除につきましては、給与所得の計算のため給与収入から控除するものでございますので、雑所得の計算において控除することはできないということでございます。

議事録

◯米山隆一 質問5) 
領収書のない経費は、控除されるのか?

米山委員 
質問に答えていなくて、私の質問は、雑所得として認定しました、払ってくださいと言われて、いや、ちゃんと経費はある、かかったんです、でも、それを証明するものがありませんというときに、国税庁としてどう対応されるんですか。一般論として聞いているんです。

 全国の納税者が見ているわけです。いいんですよ、50万使いました、経費は、領収書はありません、でも、ちゃんと控除として認めますと今おっしゃるなら、全国の納税者がそうします。逆に、いや、なきゃ駄目なんです、なければそれはもう一切控除されませんと言うなら、ここにいる全員を含む全国の納税者に適用されるはずです。お答えください。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁5)
納税者側が、経費の支出事実を示す必要

◯星屋和彦 次長
お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますが、税務調査等におきまして、個人の必要経費につきましては、納税者の方から、まず、様々な書類によりまして必要経費として支出したという事実を示していただくこととなります。国税当局といたしましては、納税者の説明を伺った上で、その支出の事実の有無及び当該支出が必要経費に当たるかどうかにつきまして個別具体的に検討することとなります。

 いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、個々の事実関係に基づき、法令等に照らし適正に取り扱うこととしております。

議事録

◯米山隆一 質問 6)  
経費の控除には書類が必要

米山委員 
今、非常にすばらしい御答弁。それは、国税当局はそうじゃなきゃいかぬです。所得があって、雑所得があって、その経費を控除するのはちゃんと書類が要りますよ、それで、その書類を見た上で、それが本当に経費かどうかを認めますよということを御答弁いただきましたので、ここにいる全員を含めた、日本人全員に……(発言する者あり)いや、言ったと思いますよ。じゃ、違うんですね。書類はなくてもいいと自民党さんはおっしゃられるわけですね。(発言する者あり)いや、言いましたでしょう。まあ、結構です。
委員長

議事録

小野寺委員長 不規則発言には答えないでください。

米山委員 
時間になりましたので、次は午後にやらせていただきます。
どうもありがとうございました。

議事録

2024年 2月22日 衆議院予算委員会 午後 米山隆一 質問

◯米山隆一 質問7) 
経費の立証として領収書が必要か?

米山委員
それでは、引き続いて御質問いたします。
 午前中のところで、ちょっとまた思い出しておくということで、もう一度思い出しつつ、もう一つ聞かせていただきたいんですけれども、午前中のところで、雑所得があって、それはもちろん申告が前提ですけれども、申告しない雑所得がありましたら、私のようにありましたら、それはちゃんと国税当局で把握して徴税に行くと。しかも、そのときに、経費の控除に関しては、まず、徴税される方といいますか、納税者の方はちゃんと証憑を示して、そしてそれを税務当局が見て、認めるか認めないか、認めたものは経費になりますよというお話がございました。

 そこで、もうちょっとそこを、もう一つお聞きしたいんですけれども、というのは、私、自分の例ばかりで恐縮なんですけれども、修正申告するときに、修正申告書を出すわけですよ。そこに経費と書けば、それで経費になるわけじゃないですよね。先ほどおっしゃられたのは、修正申告書に、経費ですよ、経費100万円と書けばいいんじゃなくて、ちゃんと経費を立証する領収書が必要ですよ、そういう御答弁だったということを確認させてください。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁6)
経費は、領収書だけでなく内容で判断

◯星屋和彦 次長
お答え申し上げます。
 必要経費の判断につきましては、単に領収書等の書類の有無のみで判断するのではなく、その支出の事実の有無、当該支出が必要経費に当たるかどうかの検討を行って判断するということでございます。

議事録

◯米山隆一 質問8) 
政治活動の経費は、何が認められるか?

米山委員 
これは多分ちょっと答弁が逃げたんですが、ともかく、修正申告書だけでも、領収書だけでも駄目なんだから、それは修正申告書だけでも駄目だし、領収書だけでも駄目だし、実際にちゃんとなきゃ駄目です、しかもそれを御確認されるということなんだと思います。

 さて、ここでちょっと話を移しますけれども、話を最初に戻すというか移すというか。
 最初のところで、政治家が政党から受けた政治活動費や政治団体から受けた寄附、これは雑所得に当たるというふうにおっしゃられました。
 そこで、政治活動に使った経費というのが認められるわけなんですが、これはどのようなものが経費になるか、お答えください。
一緒に、申告の仕方も教えてください。それを聞き忘れました。申告の仕方と経費の仕方。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁7)
政治活動に支出したものが、経費

◯星屋和彦 次長 
お答え申し上げます。
 政治活動のために支出した経費に該当するかにつきましては、その支出の事実関係を総合的に勘案して判断するということでございます。例えば、政治活動に関する交際費、接待費、寄附金、あるいは、専ら政治活動のために支出した委託調査費、図書費、会議費等々でございます。
 それから、必要経費に該当するかどうかでございますが、所得税におきましては、申告納税制度でございますので、納税者の方において自ら計算し、申告していただくということでございます。

議事録

◯米山隆一 質問9)
申告しなかった経費は、課税されるのか?

米山委員 
そうですよね。
 こちらの方、そもそも国税庁の方からちゃんと文書が出ておりまして、一々読み上げませんけれども、今ほどお話でもありましたように、専ら政治活動のために使用した秘書、事務所職員の給料、手当などなど、まあ、それはそうだろうというものが認められるということになります。逆に言うと、そうでなかったら認められないわけなんですよ。そうですよね。

 先ほど、今ほどもお話ありましたけれども、申告するというのが当然だとおっしゃられました。
 そうすると、ここはお伺いしたいんですが、これは一般論ですよ、あくまで一般論としてお伺いしたいんですけれども、政治家が、雑所得としてあった、政治活動費があった、そして残ったお金がある、それなのに申告しなかった場合、私だって徴収されたわけなんですけれども、そういう雑所得を申告しなかった場合、それは国税庁としてはどのように御対応されるんでしょうか。そして、どのような税金が課されるかも併せて教えてください。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁8)
過少申告加算税、延滞税課税の可能性

◯星屋和彦 次長
お答え申し上げます。
 国税当局におきましては、様々な機会を捉えまして、課税上有効な資料情報の収集に努めております。これらの資料情報と提出された申告書とを分析いたしまして、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなど、適正、公平な課税の実現に努めることとしております。
 それから、税務調査の結果といたしまして修正申告が提出された場合でございますが、修正申告に基づき追加的に納めるべき税額に加えまして、法令上、原則といたしまして、過少申告加算税が課されることとなります。それに対しまして、調査によらないで納税者が自主的に修正申告書を提出する場合には、過少申告加算税は課されないこととなります。
 なお、いずれの場合にいたしましても、納付日に応じまして延滞税がかかる場合がございます。

議事録

◯米山隆一 質問10)
政治家の雑所得の追徴時、証拠がない場合の経費は認められるのか?

○米山委員 
そこで、また御確認させていただきたいんですけれども、申告していないじゃないですかという雑所得があったとして、私の例と同じになると思うんですよ。
いや、経費、本当は使ったんだけれどもなと主張する。でも、何にもありません。何一つありません。ただただあるのは、政治資金収支報告書に、使いました、使途不明と書いてある、この紙だけしかありません。私の場合には、私は違いましたけれども、政治資金の話じゃなくて原稿料の話ですけれども、私の場合には、それは全然経費が認められなかったわけです。

 政治家、一般論ですよ、政治家は、雑所得が追徴になって、そして何にも、政治資金収支報告書以外の何の証拠もないときに、経費は認められますか、認められませんか。お答えください。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁 9)
事実の有無の確認など、一般納税者と政治家は同じ

◯星屋和彦 次長
お答え申し上げます。
 一般論でございますが、必要経費の判断につきましては、その支出の事実の有無及び当該支出が必要経費に当たるかどうかの検討を行い、判断することでございます。
 この取扱いにつきましては、対象が一般の納税者であっても国会議員であっても同様でございます。

議事録

◯米山隆一 質問 11)  
政治資金収支報告書の修正だけで、納税は不要になるか?

米山委員 
すばらしい御答弁です。
 ちなみに、ニュース、これは事前に間に合わなかったので読み上げさせていただきますけれども、自民党の森山総務会長、雑所得を納税すべきではないかという話に対して、いや、政治資金として処理されている、だから追加納税はあり得ないとおっしゃられたんですけれども、この処理というのが、処理じゃなくて使用ならいいんですよ。本当に政治資金に使いました、そして、しかもそれを立証できます、それならそれは払わぬでいいです。
でも、処理というのは単に政治資金収支報告書を直しただけでしょう。それは駄目でしょう。だって、納税者はみんな、単に修正申告しただけだと駄目なんだから。

 今御答弁ありました、ちゃんと証憑があって、しかも、それが実態として経費かどうか、それが認定されたとき初めて経費になるということですので、それは駄目だということだと思います。それはもう御質問は、しましょうか。

 じゃ、それは駄目でいいですね。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁10)
法令に従う

◯星屋和彦 次長
お答え申し上げます。
 政治資金の課税関係につきましては、個々の実態に応じまして、法令等に基づき適正に取り扱うこととしております。

議事録

◯米山隆一質問 12) 
個人口座や事務所に長期保管していた場合、経費として認められるか?

米山委員 
それで結構です。それは要するに、みんな国民と同じ扱いをしていただかにゃならないということだと思います。

 それでは、パネル6を御覧ください。

議事録
資料6

これは、言うまでもなく、2月15日に公表された自民党の聞き取り調査に関する報告書でございまして、資料6を見ますと、還付金とたくさん書かれている。これがそもそもちょっと、いろいろもう話題になっていますけれども、それは、税金を納めてから返ってくるのが還付金で、税金を納めていないのは還付金じゃないだろうと思うんですが。


 さて、では、パネル7を御覧いただきますと、85名中、81名がいただいたお金を銀行若しくは現金で管理して、31名の方が使っていない。あれ、残っているじゃありませんか、通常、これは雑所得じゃないんですかねと思うわけです。

議事録
資料7

そして、パネル8、萩生田さん。5年間で2728万円を事務所の引き出しで保管されておる。自分で言っているんですよ、自分で。ニュースですからね。五年間ですよ。まだ五か月とかなら、いや、5か月、6か月後に使う予定だったと言えるかもしれませんけれども、5年間というのは、それは自分のものにしているでしょう。

資料8

パネル、資料9、丸川さん。822万円を自分の口座で管理した。これも御自分でおっしゃっているわけです。自分の口座ですよ。それは通常、自分のお金でしょう。

資料9

何度も言っていますように、今ここで言っていることは国民も見ています。これで経費にならないんだったら、私だって同じだ、塾講師のお金はちゃんと貯金していました、塾講師のお金は私の机の上に置いてありました、証拠はありません、雑所得じゃありません、そう言えるわけですよ。それはおかしいじゃないですか。

 これに対しては、この個別の案件に関しては申し上げません。でも、こういう明らかに雑所得だと思われるものがあったら、ちゃんとそれは調査する。調査して、本当にあるなら追徴する。追徴するときの経費はちゃんと証憑を求める。証憑がなくて、そして、仮に証憑があっても、それが到底経費と認められないものなら経費として認めない。したがって、残っている雑所得全額に対して追徴するということでよろしいですね。御答弁をお願いします。

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁11)
誰がどのように管理・使用していたかなどで精査する

◯星屋和彦 次長
お答え申し上げます。
 一般論でございますが、政治資金につきましては、それが政治家の関連政治団体又は政治家個人のいずれに帰属するかによりまして課税関係が異なるため、個々の事実関係を精査する必要がございます。
 その上で、政治資金の帰属を判断するに当たりましては、収支報告書の記載状況のほか、例えばその資金が誰によって実質的に管理、使用されていたのかなど、様々な状況を総合的に精査することとなります。
 いずれにいたしましても、政治資金の課税関係につきましては、個々の実態に応じまして、法令等に基づき適正に取り扱うこととしております。

議事録

◯米山隆一議員 質問13)  
自分の机や口座にあったら、その人のお金でしょう?

米山委員 
今ので、個人かというのがありましたけれども、ちなみに、また自分の例で恐縮なんですが、私の原稿というのは、あれは大体政治の話題なんですね。何なら、あれは私が持っている政治団体で受け取ったものですと後になって言い張ろうと思えば言い張れるわけですよ。でも、そもそも言い張ろうなんて思わなかったですし、それはもちろん、自分の口座に入ってくるし、自分で使っていましたから、それは私の雑所得ですねと言って認めたわけでございます。

 ですので、そちらも当然、実態に即して、自分の机の中で保管したら、それは自分のお金でしょう、自分の口座の中に入れたら自分のお金でしょうと。みんながそうされるんだから、政治家もそうされるということはよろしいですね。実態に即して御判断いただけるということを御回答ください。

議事録

・国税庁 次長 星屋政府参考人 答弁12) 
繰り返しの答弁

◯星屋和彦 次長
お答え申し上げます。
 政治資金の帰属を判断するに当たりましては、資金が誰によって管理、使用されていたのかなど、様々な状況を総合的に精査し、判断するということでございます。

議事録

◯米山隆一議員 質問14) 
財務大臣へ質問。政治家も一般国民も徴税・課税は同じでは?

米山委員 
でも、これはちゃんとやってくださるということだと思います。
 この国税庁を監督する財務大臣にもお伺いいたします。
 政治家にも、そして一般国民にも、同じように、公平に、同じ原則で徴税、課税するということを、今、国民の前で言っていただければと思います。

議事録

・鈴木財務大臣 答弁1)
国民も政治家も納税は同じ

○ 鈴木俊一 国務大臣
先ほど来、国税庁次長から答弁がありましたとおり、国税当局におきましては、様々な機会を捉えて課税上有効な資料情報の収集、分析を行う中で、課税上問題があると認められた場合には税務調査を行うなど、適正な課税の実現に努めております。
 こうした取扱いは、対象が国会議員であっても一般の納税者であっても、一切変わることはありません。

議事録

◯米山隆一 質問15)
植田日銀総裁へ質問。今はインフレか? デフレか?

米山委員 
ありがとうございました。大変御期待しております。
 では、次に、異次元の金融緩和といいますか、アベノミクスといいますか、若しくは物価と賃金の好循環といいますか、いずれにせよ、現在の政府、日銀の財政金融政策について伺います。

 資料10、パネル10を御覧ください。
 総務省発表の東京都区部の2024年1月の消費者物価指数、これは1.6%。2%を下回りました。また、実は、前月比ではこれは0.1%マイナスになっています。前年同月比ではプラスなんですけれども、前月比はマイナスなんです。
 植田日銀総裁にお伺いしたいんですけれども、今、インフレですか、デフレですか、端的にお答えください。

議事録
資料10

・日銀総裁 植田参考人 答弁1) 
今は、インフレ状態

○日本銀行総裁 植田和男
お答えいたします。
 月々の消費者物価は様々な要因で変動いたします。したがいまして、それを多少ならして見ることが重要と考えております。
 例えば、委員御指摘の東京都の1月の消費者物価は、前年比で見ますと1.6%のプラスとなっております。また、言い方を変えますと、このパネルで、今年の動き出しの、初めの動きが出ておりますが、右に行く動きを想像したとしますと、去年までと同じような右上がりの動きが続くというふうに一応予想しております。
 そういう意味で、デフレではなく、インフレの状態にあるというふうに考えております。

議事録

◯米山隆一 質問 16)
インフレなのに、デフレ脱却を言い続けるのは何故か?

米山委員 
さすが学者である植田総裁、そのとおりです。
 今、インフレなんです。インフレでしょう。なのに、何でこれをデフレ脱却と言い続けるのか。おかしいんですよ。しかも、政府自体がインフレ対策を打っているんですから。インフレ対策を打ちながらデフレ脱却って、何を言っているんだということですからね。これはもうインフレということで結構かと思います。ありがとうございます。
 そして、では、なぜ消費者物価指数が二%を下回ったと。これは、本当のリアルなんて分かりっこありませんけれども、分析者としての御見解を伺います。

議事録

・日銀 植田参考人答弁 2) 
政府の対策で物価の伸び率は縮小気味

○日本銀行総裁 植田和男
お答えいたします。
 ここのところ、委員御指摘のように、前年比の物価の伸び率のプラス幅は縮小しております。これは、既往の輸入物価上昇が国内物価に転嫁されるという値上げの動きが鈍化しているということに加えまして、政府の経済対策の影響もあって、エネルギー価格の寄与が大きくマイナスになっているということを反映していると考えております。
 ただ、賃金の上昇を反映する形で、サービス価格は緩やかに上昇するという姿は続いているというふうに見ております。

議事録

◯米山隆一 質問 17)  
政府2%物価上昇目標を、政府対策で物価上昇を引き下げている矛盾

米山委員 
これも本当におっしゃるとおりの分析かと思います。
 要は、政府の対策で無理やりインフレ率を下げているだけなんだろうと思うんですが、これはなかなか矛盾した状態で、だって、日銀と政府、物価目標は日銀だというふうにおっしゃられるのかもしれませんが、何せ、日銀と政府はアコードを結んだ上で2%物価上昇率を目標にしているわけなんですよ。しかも、2%を達成するために10年以上頑張ってきたわけでしょう。そうすると、今1.6%になっちゃったんだから、また、じゃ、もっと物価を上げなきゃいけない、それが本来の整合的な話ですよね。だって、もう世界中に我々は2%を物価安定目標にしていると言っているんだから、下がっちゃ駄目だ。じゃ、物価対策を打ちながら、なおまた物価を上げるための努力を日銀はされるんでしょうか。

 日銀国債買入れ、2023年に112兆7000億円ほど買い入れていますけれども、この買入れ額、2024年は増やすんですか、減らすんですか。物価を上げるための努力をする、2%にするための努力をするのかしないのか、お答えください。

議事録

・日銀総裁 植田参考人  答弁 3)
上昇局面の物価に合わせた金融政策をとる

○日本銀行総裁 植田和男
私ども、政策を決める際には、足下の物価上昇率というよりは、短期的な物価上昇の変動要因を除きまして、一年半とか二年間くらい続くような基調的な物価上昇率を見て、それで判断するという姿勢でおります。

 この基調的な部分、何%というのはなかなか難しいんですが、これは徐々に高まりつつある、高まっていくというふうに判断しております。その上で、それに合わせて適切に金融政策を運営していきたいというふうに考えております。

議事録

◯米山隆一 質問 18)
デフレ脱却を求める局面ではない?

○米山委員 
これもさすが植田総裁で、そつのない御答弁でありつつ、要するに、もう、実のところ、物価上昇率2%そのものを追わないとおっしゃられたに等しいと思うんですよ。だって、目の前で1.6%だけれども、趨勢的には2%だと。それはちょっと、どういう理屈かはよく分かりませんが。いずれにせよ、1.6%でも、これ以上物価を上げるための金融緩和を、増やすことはせずに、このまま行くか、若しくは巷間言われている利上げをするかということなんでしょうから。

 つまり、この一・六%は直ちに修正はしないということでよろしいですね。植田総裁にお願いします。

議事録

・日銀総裁 植田参考人 答弁4)
長期的な動きについて分析して政策を決める

○日本銀行総裁 植田和男
1.6%は足下のインフレ率の動きでありますので、これが基調的な物価上昇率に対してどういうインプリケーションを持つのかということをきちんと分析した上で政策の今後を決めていきたいと思います。

議事録

◯米山隆一 質問 19) 
総務省へ質問。インフレによって家計負担は?

米山委員 
これは押し問答してもしようがありませんので、少なくとも、二%を下回ったことに直ちに反応はされないということは確認できたかと思います。

 では、ちょっと総務省にお伺いしたいんですけれども、2023年の一人当たりの消費支出、そして、その消費支出から、概算ということになりますけれども、このインフレによって前年比でどのぐらいの負担が増えたのか、家計と一人当たりでお答えください。

議事録

・岩佐政府参考人 答弁1)  
1人あたり年間1万6860円の負担増に

○総務省統計局長 岩佐哲也 政府参考人 
お答えいたします。
 総務省で実施しております家計調査の2023年平均結果によりますと、一世帯当たりの一月の平均支出額は24万7322円となっております。平均世帯人員2.20人を用いまして一人当たりの消費額を算出しますと、11万2419円となっております。

 また、物価の上昇によりまして消費自体が増加する面もあり、また、様々な要因で消費行動が変化する側面もありますので、負担の増減を一概にお答えすることは難しい面もございますけれども、家計調査の結果によりますと、2023年の一世帯当たりの平均支出額は、前年比で、月に3911円、年間では3万7092円の増加となっており、一人当たりの増加額を算出しますと、月に1405円、年間では1万6860円となっております。

議事録

◯米山隆一 質問 20)  
インフレで家計負担が増加しているが、デフレ脱却の対策を続けた政府

米山委員 
そうなんです。それは言わずもがな、すごく当たり前なんですけれども、物価高は負担増なんですよ。物価高になって、インフレになって、負担が減るわけはないです。
 パネル11を御覧ください。

議事録
資料11

日本は、2021年9月から既に2年半、インフレ率がプラスでございます。だから、2年半もインフレだったのに、その間ずっとデフレ脱却を叫んでいたという極めて倒錯したことをやっていたんですが、それによって何が起こったかというと、実質賃金が減少しているんですね。物価と賃金の好循環というのは、2か月じゃなくて、2年半もの間起こっていないんです。
 政府は、政策の根幹として掲げている物価と賃金の好循環が2年半もの間起こっていない、これはさすがに原因を分析すべきだと思うんですけれども、原因は何だと考えていらっしゃるでしょうか。植田総裁、お願いいたします。

議事録

・日銀総裁 植田参考人 答弁5) 
名目賃金は増加、実質賃金は低下

○日本銀行総裁 植田和男
景気が緩やかに回復する下で、名目賃金も緩やかに増加しております。
 ただし、輸入物価の上昇を起点とした価格転嫁の影響から、消費者物価がそれを上回って上昇してきたことによって、実質賃金の低下がここ数年発生してきたと認識しています。
 しかし、先ほども申し上げましたが、これまでの輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は、徐々に和らぎつつあります。また、労働需給が引き締まる下で、企業の賃金設定行動も従来より積極的な動きが見られております。
 先行き、こうした動きが続く下で雇用、賃金が増加する中で、物価も緩やかに上昇するという好循環が強まっていくというふうに考えております。

議事録

◯米山隆一 質問 21) 
GDPは上がっているが賃金が低下。投資に回って賃金に回っていないのでは?

米山委員 
好循環がとおっしゃいますが、12を御覧ください。

議事録
資料12

今ほど、実質賃金が低下していると言いましたけれども、実質GDPは、増加率は低いなりに増加しているんです。実質GDPが増加しているのに何で実質賃金が低下するかというと、考えられることはただ一つで、それは、賃金に回る額が減っているからということですよね。
だから、物価が上がって、それはもしかして、インフレは投資に対してはプラスになりますから投資は増えるかもしれませんけれども、別に、物価が上がったからといって、投資は増えるかもしれないけれども、賃金が上がるとは何も帰結されていないし、実際起こっていないわけなんです。

 そして、ちょっと質問を飛ばしますけれども、パネル13

議事録
資料13

こちら、今ほど植田総裁もおっしゃいました。これは物価上昇というよりは金融緩和によるものですけれども、円安になっているわけなんです。日本円は、この10年間でおおむね100円から150円、つまり、価値が3分の1減って、3分の2になっちゃっているわけなんですけれども、こちらは一体原因は何だとお考えでしょうか。植田総裁に。

議事録

・日銀総裁 植田参考人答弁 6)
さまざまな要因が考えられる

○日本銀行総裁 植田和男
恐縮ですが、為替相場の水準や評価について具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 為替市場では、多様な市場参加者が様々な理由で売買を行っており、変動要因としても、購買力平価、内外金利差、国際収支など、多くの要因が指摘されているところであります。

 いずれにせよ、為替は、経済、金融のファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要であると認識しております。

議事録

◯米山隆一 質問22)  
景気対策で海外投資へ円が流れ、国民負担が増えている事態

米山委員 
植田総裁のお言葉は市場に響いちゃうので、それはなかなか軽々なことは言えないのは分かりますが、しかし、パネル14を御覧ください。

議事録
資料14

円は、対ドルだけではなく、様々な高金利通貨に対して下落しております。どう見ても、日銀の低金利政策が円安をもたらしているわけです。その円安が物価高をもたらしているわけです。そして、物価高は賃金の上昇ではなくて消費の減少をもたらしているわけなんです。

 しかも、パネル15を御覧ください。こちら、円換算した米国の株です。株価です。

議事録
資料15

円安が続いていきますから、円換算したら米国の株は値上がり率が高いということで、何と、政府の肝煎り政策であるNISAでどうなったか。
これは主な、大きな統計は取れませんけれども、松井証券、個別のところでニュースになっていますが、松井証券が足下の店内データを集計したところ、NISAつみたて投資枠のうち、8割近くは世界株や米国株など海外に投資する投信が占め、これを前提にすると、年間5兆円規模の円売り・外貨買い需要が発生し、これにより年2兆から2.5兆円ほど円売りが増える可能性があると指摘されているわけです。
 つまり、政府が日本を復活させるためにやられているとおっしゃられているアベノミクスによって物価高がもたらされて、今、繰り返しになりますけれども、物価高がもたらされて、負担が増えて、消費が減って、円安が進んで、さらに、政府の肝煎り政策であるところのNISAによって日本の資産が海外に投資される、そういう事態が起こっているわけなんですよ。これは余りにも本末転倒といいますか、こんなことを続けていていいんですかと思うわけです。

 じゃといって、利上げを今もううわさされておりますのでちょっとお伺いしたいんですけれども、利上げをするかどうか聞くなんてやぼなことはいたしません、答えられないですからね。
 2月21日現在の長期金利は0.725%ですけれども、来年度予算では想定金利1.9%。これは財務省としては既に1%の利上げを織り込んでおります。織り込んで、前年度より1兆3000億円、14%増の9兆6910億円計上しているのは承知しております。
 まず日銀にお伺いしますけれども、今の見込みどおり、金利、だって政府が見込んでいるわけですから、見込みどおり金利が更に1%上昇した場合、日銀の含み損はどの程度発生するでしょうか。
また、民間金融機関全体でどの程度の含み損が発生するのか、こちらは金融担当大臣に。それぞれお伺いいたします。

議事録

・日銀総裁 植田参考人 答弁7)
政府の見込み通りの金利変動をした場合の日銀の含み損は、40兆円

○日本銀行総裁 植田和男
金利全般が1%上昇したという場合に、私どもが保有します国債の評価損は約四十兆円程度発生いたします。

議事録

・鈴木財務大臣 答弁2) 
様々な要因で、評価損・評価益は一定程度相殺されうる

○ 鈴木俊一 国務大臣
長期金利が一%になった場合における民間金融機関全体の含み損につきましては、金融機関は長期国債以外にも様々な有価証券を保有しており、その評価損益は、日本の金利以外にも海外金利や株価の水準、個々の金融機関の有価証券運用の状況など、様々な要因に左右されることから、特定の仮定に基づく影響についてコメントすることは困難であるということを御理解をいただきたいと思います。

 その上で申し上げますと、長期金利が上昇した場合、保有する債券の評価損益を悪化させる面がありますが、足下におきましては、銀行が保有する有価証券の評価損益は株式の含み益などの影響もありまして全体としてプラス、つまり、評価益が出ている状況にあり、仮に金利上昇による保有債券の評価損が発生した場合であっても、当該評価益と一定程度相殺されると考えているところであります。

議事録

◯米山隆一 質問 23)
アベノミクスは失敗だったことを認めて、新たな対策を打つ必要があるのでは?

米山委員 
もう時間が終わりましたので、最後、まとめますけれども、いずれにせよ、評価損は出るということかと思います。

 そして、最後、一言だけ言わせていただきますが、今ほど言ったように、アベノミクスは本当にそれは失敗だったわけですよ。そして、これを何とかするために金利を上げようと思ったら、またいろいろな損失も出るわけです。

 でも、それは失敗をちゃんと認めて、新たな対策を打たなきゃならないということを申し上げさせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 なお、厚労大臣、時間切れで質問できませんでした。大変申し訳ございませんでした。

 ありがとうございます。

議事録

予算委員会配布資料

国会議事録

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001821320240222013.htm


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