片岡龍峰

オーロラの研究をしています。

片岡龍峰

オーロラの研究をしています。

記事一覧

魔法の居酒屋

大型連休の後半戦の初日、オーロラ研究の先輩である久保田さんの居酒屋に行って来ました。お酒もお料理も本当に美味しくて、とても居心地よかった。お店の名前は久重。花小…

片岡龍峰
4日前
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ボンゴを叩くしかない

オッペンハイマーを見ました。長い原作があるようです。 オッペンハイマーは、1930年代にブラックホールの著名な研究者だった。1940年代の前半には、核分裂を原理とするキ…

片岡龍峰
7日前
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初日にパンダ

仕事の混乱を抱えたまま大型連休に突入してしまったようで、さっそく初日にパンダを見たりして遊び疲れて寝たものの、抱えた混乱のせいか夜中に目が覚めてしまいました。こ…

片岡龍峰
10日前
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講演会の再開

講演会が再開してますよね、という話です。 長くパンデミックだったこともあって、随分やらなくなった「講演会」。やはり、あちこちで再開されているようで、光栄なことに私…

片岡龍峰
12日前
4

春の終わり

4月も下旬に突入しました。桜の季節が終わり、新緑がきれいで、夏のような日射しを感じる日も、ぼちぼち出て来ました。長距離徒歩通勤ができるのも、もうすぐ終わり。暑す…

片岡龍峰
2週間前
9

無理を無理と思うのが無理

4月になってから、それはそれは必死な顔面で、必死に仕事をしていまして、AIアシストが自然に日常に溶け込んできて驚きは絶えないものの、やはり結局は人の力を借りないと…

片岡龍峰
3週間前
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オーロラから宇宙の環境を知る

みなさん「オーロラ」を知っていますか。緑や赤、ピンクなどのあざやかな光が夜空にうかぶ自然現象のことです。日本ではなかなか見ることはできませんが、南極や北極の「極…

片岡龍峰
1か月前
9

区切り

忙しすぎた年度始めの三日間が終わり、やっと一息つけるところまでたどり着きました。ひとまず、しめきりは、あと3つくらいのはず。台湾で大きな地震があり、石垣まで津波…

片岡龍峰
1か月前
12

オーロラ研究ミッションの研究会

佐々木さんと藤井さんのnhk将棋対決を見逃した日曜から始まった1週間が終わりました。そのために受信料を払っていると言っても過言ではないのに、やらかしました。まだnhk…

片岡龍峰
1か月前
6

風から少しだけ電気を作る

ここ何年か、風から少しだけ電気を作るための研究をしてきていまして、今日も、対応しかけの論文リバイズをオフィスに残して、地下室で風車の低温試験に1日を捧げていまし…

片岡龍峰
1か月前
13

生きていることがギャグ

月曜から金曜まで南極にエフォートを投じた1週間が終わりました。また少し、自分ファクトリー化を進めました。古本が増えてオフィスを少しだけ片付けました。雪が2度も降…

片岡龍峰
2か月前
42

泉ヶ岳にこだまする

2月も最終日。うるう日のせいかどうか、免許証の更新システムがエラーというニュース。 この2月は長かった。よく働き、よく遊びました。梅林にも行った。バードウォッチン…

片岡龍峰
2か月前
7

オーロラ研究のプロジェクトのこと

大体のことがfixしてきまして、見学に来られる学生さんたちへの事前情報としても、まとめて書いておくと便利なこともあり、何か書きます。 ポスドク時代に立体視に挑戦し…

片岡龍峰
2か月前
19

文理の分離の分類について

ダジャレですが、パターンが分けられるかもしれない、と思いましたので何かメモを書いておきます。 一つは共同研究。文系の先生と理系の先生が、お互いの知らないことを補…

片岡龍峰
2か月前
4

ポカポカ陽気の翌日に物事が起こりすぎていること

またOpenAIが不可能を可能にした、という動画生成のニュースで大騒ぎの金曜日です。確かに、これは予想と想像のはるか上を行ってしまっている。 基盤Sが採択されたり(私は…

片岡龍峰
2か月前
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不発の事後に思うこと

完全不発、幻となった磁気嵐を終えて、まさかここまで徹底的に外すとは思わず、なかなかの衝撃を受けました。実は2012年にも、大きく外して、あっけにとられたことがありま…

片岡龍峰
2か月前
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魔法の居酒屋

魔法の居酒屋

大型連休の後半戦の初日、オーロラ研究の先輩である久保田さんの居酒屋に行って来ました。お酒もお料理も本当に美味しくて、とても居心地よかった。お店の名前は久重。花小金井駅の近くにあります。みなさんもぜひ。

小金井の研究所を早期に退職して居酒屋を始めたということで、そんなことは、まず不可能だろうと私なんかは思ってしまうのですが、今日行ってみまして、この料理の才能が研究だけに使われていたのは確かにもった

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ボンゴを叩くしかない

ボンゴを叩くしかない

オッペンハイマーを見ました。長い原作があるようです。

オッペンハイマーは、1930年代にブラックホールの著名な研究者だった。1940年代の前半には、核分裂を原理とするキロトン級の原子爆弾を作る「マンハッタン計画」を先導することになり、大自然しかなかったロスアラモスに3年、20億ドルを投じて、ポツダム宣言に間に合わせた「トリニティ実験」を行った。

これが、カラーで語られていく「核分裂」編のうち前

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初日にパンダ

初日にパンダ

仕事の混乱を抱えたまま大型連休に突入してしまったようで、さっそく初日にパンダを見たりして遊び疲れて寝たものの、抱えた混乱のせいか夜中に目が覚めてしまいました。ここしばらく、仕事は何があったのかを簡単に説明できるほどには自分で良くわかっていないので、眠くなるまで、何か書いておきます。

まず、東大の仕事。これは、実は去年からだったのですが、教員の一人として、大学院生の研究指導をするもので、本郷に行っ

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講演会の再開

講演会の再開

講演会が再開してますよね、という話です。

長くパンデミックだったこともあって、随分やらなくなった「講演会」。やはり、あちこちで再開されているようで、光栄なことに私のところにも各地から依頼が増えています。いま予定しているのは秋で、9月アタマに五反田の文化センター。9月末に名寄の天文台。10月には福井の年縞博物館。

オンラインではなく対面の開催です。名寄と福井は未知の土地なので旅行も兼ねて行ってき

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春の終わり

春の終わり

4月も下旬に突入しました。桜の季節が終わり、新緑がきれいで、夏のような日射しを感じる日も、ぼちぼち出て来ました。長距離徒歩通勤ができるのも、もうすぐ終わり。暑すぎる夏が来るぞ。

仕事は、ほぼ全力を出せている感じで、毎日ヘトヘトになるまでパラレルプロセッシングで、がんばっていますが、このペースで目標に向かっていて大丈夫か、というとGWの休止は絶対に痛いはずで、安全を見ると、もう少し工夫して全面的に

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無理を無理と思うのが無理

無理を無理と思うのが無理

4月になってから、それはそれは必死な顔面で、必死に仕事をしていまして、AIアシストが自然に日常に溶け込んできて驚きは絶えないものの、やはり結局は人の力を借りないとできないことが大事で、これから一年ほどのスケジューリングもミスれないことによる大きめの不安要素が幾つも消せないまま4月も中旬に突入しました。眠くなるまで何か書きます。

昨日の嵐で桜は一気に散りましたが、仕事のほうは今日の午後になって、や

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オーロラから宇宙の環境を知る

オーロラから宇宙の環境を知る

みなさん「オーロラ」を知っていますか。緑や赤、ピンクなどのあざやかな光が夜空にうかぶ自然現象のことです。日本ではなかなか見ることはできませんが、南極や北極の「極地」ではオーロラがよく観測できます。一生に一度は見てみたいオーロラ。そのひみつを探っていきましょう!

オーロラは宇宙の現象

 オーロラは、地上にいながら宇宙空間を見ることができる自然現象です。いったい何が光っているの?色がちがうのはなぜ

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区切り

区切り

忙しすぎた年度始めの三日間が終わり、やっと一息つけるところまでたどり着きました。ひとまず、しめきりは、あと3つくらいのはず。台湾で大きな地震があり、石垣まで津波が来た。宮崎では落雷で高校生が重症、というニュース。

スーラータンメンを食べました。桜は遅いですね、しかし週末には満開かもしれない。見逃さずに楽しみたいという気持ちからか、そわそわしています。眠くなるまで、何か書きます。

やはり春だから

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オーロラ研究ミッションの研究会

オーロラ研究ミッションの研究会

佐々木さんと藤井さんのnhk将棋対決を見逃した日曜から始まった1週間が終わりました。そのために受信料を払っていると言っても過言ではないのに、やらかしました。まだnhkプラスあるかしら。

強風が続き、大きめの地震も多い。ダルビッシュとオータニさんの直接対決があってすぐ、オータニさんの通訳が賭博で解雇されたというニュースがあったり。

眠くなるまで何か書きます。

南極にエフォートを捧げた1週間でし

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風から少しだけ電気を作る

風から少しだけ電気を作る

ここ何年か、風から少しだけ電気を作るための研究をしてきていまして、今日も、対応しかけの論文リバイズをオフィスに残して、地下室で風車の低温試験に1日を捧げていました。眠くなるまで何か書きます。

なぜ、そんな研究を?それは、南極大陸の電気のないところで、オーロラの写真を何ヵ月も撮り続けたいと思ってしまいまして、カメラと、そのカメラを動かすパソコンには電気が必要で、太陽の昇らない季節のことなので太陽パ

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生きていることがギャグ

生きていることがギャグ

月曜から金曜まで南極にエフォートを投じた1週間が終わりました。また少し、自分ファクトリー化を進めました。古本が増えてオフィスを少しだけ片付けました。雪が2度も降りましたよ。眠くなるまで何か書きますね。

東北大で学振ポスドクをやると給料100万円プラスというニュースがありました。とてもよいこと。その一方で、海外学振については最低賃金にも満たないのでビザが降りず、所望の大学や研究所に行けない例が増え

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泉ヶ岳にこだまする

泉ヶ岳にこだまする

2月も最終日。うるう日のせいかどうか、免許証の更新システムがエラーというニュース。

この2月は長かった。よく働き、よく遊びました。梅林にも行った。バードウォッチングもしました。名古屋にも行った。仙台にも行った。泉ヶ岳のお好み焼き屋「むかご」に20年ぶりに行ってきました。北海道の赤いオーロラの論文も投稿できました。東大へ出かけて最終講義も聴きました。3日連続で長距離徒歩通勤にも成功しました。

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オーロラ研究のプロジェクトのこと

オーロラ研究のプロジェクトのこと

大体のことがfixしてきまして、見学に来られる学生さんたちへの事前情報としても、まとめて書いておくと便利なこともあり、何か書きます。

ポスドク時代に立体視に挑戦したオーロラ3Dプロジェクトを終えて、超巨大磁気嵐の実態を探るオーロラ4Dプロジェクトというのをやって、今はオーロラXプロジェクトというのをやっています。南極大陸に国際協力でカメラを多地点配置することで、火星オーロラとも似た極冠のオーロラ

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文理の分離の分類について

文理の分離の分類について

ダジャレですが、パターンが分けられるかもしれない、と思いましたので何かメモを書いておきます。

一つは共同研究。文系の先生と理系の先生が、お互いの知らないことを補いあって進めていく。これは文理「融合」から距離感がある。

今はAI技術などを人文系に持ち込んで研究することが流行していて、それをやる研究者本人の背景は人文系からスタートしていたり、テクニカルなほうからスタートしていたり、両方のパターンが

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ポカポカ陽気の翌日に物事が起こりすぎていること

ポカポカ陽気の翌日に物事が起こりすぎていること

またOpenAIが不可能を可能にした、という動画生成のニュースで大騒ぎの金曜日です。確かに、これは予想と想像のはるか上を行ってしまっている。

基盤Sが採択されたり(私は宇宙天気関連の研究を担当する分担者)、フランス・イタリアと共同で行う南極プロジェクトが採択されたり、太陽はまたXフレアを起こしたり。

三連休で月曜のない、怒濤の平日があっという間に忙しく過ぎ去り、本日金曜日の昼には、オーロラオー

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不発の事後に思うこと

不発の事後に思うこと

完全不発、幻となった磁気嵐を終えて、まさかここまで徹底的に外すとは思わず、なかなかの衝撃を受けました。実は2012年にも、大きく外して、あっけにとられたことがありましたが、今回はそれ以上の衝撃かもしれません。

地球をかするか、かすらないか微妙なCMEを、今後どのように取り扱うと、はるかにましな予測になるのか。近年ずっと一貫して悩んできている、この問題意識を更に強めたわけですが。

新しい観測デー

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