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君が僕の名前を呼ぶから

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本当の自分もわからない。こんな僕 なのに運命なんて思って 永遠を誓ったりってあるのかな。 その瞬間の気持ちに嘘はなくてって 永遠でってわかる。 でも永遠なんてきっとないよ。どこ…
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#精神科

言わなくちゃ伝わらない時の方がきっと多くて#07

彼の携帯を鳴らす。
いつもの嘘をつく。
またかよーって彼は笑って受け入れてくれる。

誰にも等しい約束された明日はない。

私達にはそれは余計になかった。
発作や発病、もし来れば、近くに
互いが認められないとなると、
事故みたいな形での終わりが来ることが
予想される。
ライムの場合は自殺率なんておかしな言葉を
使ってみると常人の20倍くらいだろう。
私の場合は20-40倍とかになるのかもしれない。

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常識と良識と病識と夢の季節#06

統合失調症の疑い。そう記された書類を見てから
気がつけば僕には病名が付けられていた。
統合失調感情障害。
僕は恥ずかしい事にそれまで精神病なる病気の概念も
何もかも知らなかった。
それからネットで調べたり、誰が何年にこの概念を発見し、なんて知らなくてもいいような事まで頭に叩き込んだ。やれと言われていたらここまでやらなかっただろう。
ユキのサポートもなかったら、関連疾患についてまで知れば知るほどに

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キミしか知らない物語#05

思えば恋心なんていつ以来だろう?
まともに記憶がない。でも記憶なんて曖昧な
ものだと思う。都合のいいようにいくらでも改変される。
脳なんて簡単に騙すことができる。 
色が違うだけで味はすべて同じとされている
かき氷のシロップみたいに。

ユキはすごく好奇心が強い。

「好奇心旺盛だね。」

なんて笑うと
ムスッとする。でも、すぐに顔色を変えて

「ねえ!こっちのイルカもかわいいよー!」

と僕を呼

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