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君が僕の名前を呼ぶから

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本当の自分もわからない。こんな僕 なのに運命なんて思って 永遠を誓ったりってあるのかな。 その瞬間の気持ちに嘘はなくてって 永遠でってわかる。 でも永遠なんてきっとないよ。どこ…
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2020年12月の記事一覧

36.7℃の心が傍にあるから#04

昏睡から目覚めてから
世界を憎んで呪っているそんな自分に初めて出会った。
その時の気分は、ちゃんと黒い自分が
存在したんだな。という、不思議な感想。
雪みたいに融けちゃいそう。
雲みたいに掴めない。
そんなふうに言われることがよくあった。
目を覚ましてから、次第に深まる家族の溝は
思えば僕がどんどん掘っていってしまったものだった。
なのに僕は周囲のせいにしていた。
話を聞いてなかったあいつが悪い、

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夜のコンビニとキミとホットサングリア#03

「なーにしてんの?」

突然、声が飛んでくる。

「どなたですか?」

「そんなに畏まらなくても、焼いて食べたりしないよ?」

「それは解りますけど。」
「地球最後の人類です、みたいな難しい顔してコンビニの前で30分以上も煙草吸って、何考えてるの?ブラックホールの在り処について?フェルマーの最終定理について?クオリアの証明について?夜空にホワイトホールでも探してた?私からすると、あなたはそれ以上の

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生きることを諦めた#02

生きることを諦めた人はどうなるか?
死んだように生きていく?
どこか生まれた場所から遠く離れる?
自殺企図?これらのどれもが僕には当て嵌まらなかった。
どうしたか?じゃなく、どうなったか?
そう、眠りについた。永遠の眠りに。
思春期と呼ばれる時分、悲しいこともなく、寂しいわけでもない。家庭や学生生活でたいして困ったことも無い。教師や親に何かを無理強いさせられる訳でもなく、兄弟にも恵まれている。でも

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