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親に介護が必要となったのに、子どもが放棄することなんてできるのでしょうか? もしできるとしたら、どんな場合でしょう?

親の介護は子どもが義務を負うケースがほとんど


要介護者に関しては、直系血族もしくは兄弟姉妹が面倒を見るのが義務とされています。直系の血族、すなわち、要介護者の親か子どものことです。年齢的に親では不可能でしょうから、必然的に子どもが負うことになります。また、兄弟姉妹も要介護者と同じような年齢であることが想定されますので、やっぱり結論としては親の介護は子どもが見ることになるでしょう。

あくまでも「義務」であって「強制」ではありません。しかし現実的には、一般的に仕事をして収入があれば、どんなに生活がギリギリだったとしても子どもが面倒を見る「義務」が発生します。

親の介護を放置すると罪になる可能性がある


義務があるにもかかわらず放置した場合、刑事罰を受けることになります。

「保護責任者遺棄致死罪」
面倒や保護する義務があるのに、何もしなかったため、対象者が死亡した場合にかけられる罪。

「保護責任者遺棄致傷罪」
面倒や保護する義務があるのに、何もしなかったため、対象者が傷害を負わせた場合にかけられる罪。

介護の基礎知識

「保護責任者」という言葉は、育児放棄のニュースで耳にします。子の世話をせず放置した場合のことですが、親を放置して世話しなくても同じ罪に問われます。認知症になった親の世話をせず、放ったらかしで家に閉じ込めていたとしたら、それは介護放棄した状態となります。

参考:<刑法第218条>
死亡した場合
「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。」


介護を行う余裕がない場合の解決策


親にお金があれば、資産に見合った介護施設を探し、入居してもらえば良い話です。しかし問題は、親の資産がなく、子どもの生活も苦しい場合です。

生活に余裕がない意思表示をする

親の介護の義務は自身と配偶者・子どもの生活に余裕がある場合に発生するので、余裕がなければする義務は発生しません。自身の兄弟姉妹とよく相談して、自分の生活に余裕ががないことを理解してもらいましょう。それでもまとまらない場合は、家庭裁判所に相談することです。一人で悩まず、家族だけで悩まず、公的機関に相談することで解決策を探していきましょう。

親の生活保護を検討する

親に資産がない場合は、親に生活保護を受けてもらい、その費用で入れる施設を探すという選択肢があります。

生活保護を受ける条件は、以下の4つです。

  • 資産をもっていない人

  • 働くことができない人

  • 他に利用できる公的制度がない人

  • 親族からの支援が受けられない人

条件に「親族からの支援が受けられない人」とあるため、親が生活保護を受ける場合は福祉事務所などから子どもの資産について調査や支援の可否の確認が入ることがありますが、あくまでも任意の協力依頼です。

安易に借金をせず、公的機関とよく相談し、親の看取りまで家族みんなが苦しむことのないような選択を探しましょう。困った時は、まず「地域包括センター」に連絡することです。あなたがお住まいの街にも必ずあります。「介護のよろず相談所」のような機関ですので、気軽に相談することができます。

サポートしたいと思われるくらいまで頑張って書きますので、今はシェアかコメントをいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。