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戦争と保険金〜戦争による死亡の場合どうなる?〜

ロシアとウクライナによる戦争が長期化しており、
日々悲しいニュースを目にしますね…

一刻も早く事態が収束することを祈ります。


本日は戦争に関連して、戦争による死亡の場合、
死亡保険の保険金は支払われるのかについて
解説したいと思います。


そもそも日本は戦争をしない国です。
それは憲法に定められているからです。

日本国憲法第9条には以下のとおり定められて
います。

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 
前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
引用:日本国憲法 第9条

そのため、日本が他国との戦争を行い、
日本人が亡くなるということはないだろうと
考える方も多いかと思います。

しかし、世界各国間では、

「国連平和維持活動(PKO)」

と呼ばれる国際的な活動があります。
これは紛争地域において、各国部隊で編成される
停戦監視団による紛争解決への監視や引き離しが
行われるものです。

このPKOの活動において、国連の決議により
日本においては自衛隊などが派遣される場合が
過去にもありました。

その場合、直接的ではなくとも、何かしらの
戦争によるリスクなどに巻き込まれることが
あるかもしれません。


そのような戦争下でなくなった場合はどうなる
のでしょうか。

これはほとんどの生命保険会社各社共通で
答えが同じです。

例えば、SOMPOひまわり生命保険の定期保険
約款を抜粋してみます。

第3条(戦争その他の変乱の場合の特例)
被保険者が、戦争その他の変乱により死亡し、または高度障害状態(別表1)に該当した場合 に、その原因により死亡し、または高度障害状態に該当した被保険者の数の増加が、この保険の 計算の基礎に影響を及ぼすと会社が認めたときは、会社は、死亡保険金または高度障害保険金を 削減して支払います。ただし、この場合でも、責任準備金相当額を下まわることはありません。
引用:SOMPOひまわり生命保険 定期保険普通約款 第3条


かなり複雑な記載ですので噛み砕いてみます。

もし保険金の対象となる人が戦争などによって
亡くなった場合、
その戦争が起因として亡くなった方が保険料
計算の基礎部分に影響を及ぼすほど多い場合
は削減して保険金を払うかもしれない。

このような意味合いです。


保険に加入したら毎月、毎年、保険料を支払う
と思いますが、その保険料は一定の計算にもと
づいて算出されています。

これは「収支相当の原則」というものが
考え方の基本となりますが。

保険会社の収益とは、

お客様からの保険料と、その保険料を運用して
得た資金の2つです。

保険会社の支出とは、

お客さまの万が一に支払う保険金と、保険会社
を運営していくための事業費の2つです。

これらの収支が合うように、アクチュアリーと
呼ばれる保険料計算部門の方たちが妥当な保険料
を割り出し、それを皆さまに提示しています。


しかし、戦争など予期せぬ国家規模のリスクが
発生し、戦争によって多くの方がなくなった場合、
先ほどの支出(保険金)が多額となり、収支の
バランスがとれなくなります。

そうした場合、いただいていた保険料では
収支相当とならないため、保険金を削減して
お支払いする可能性があるのです。


そのため、日本国内で戦争が勃発し、
多くの日本人が一斉に亡くなるような悲劇が
起きない限りは問題ないでしょう。

しかし、このようなウクライナとロシアによる
戦争も誰が予想できたでしょうか。

CNNによるウクライナ ゼレンスキー大統領への
インタビューでは、ウクライナの死者は2022年
4月16日時点で2500人〜3000人とされています。

これだけの人数がもし日本で亡くなったとしたら、
上記の約款記載の削減支払いなどは発動するかも
しれません。

今後日本においても、どのような事態となるか
誰も予想はできません。

そのため、戦争下での死亡保険金支払いは
一例でありますが、そのほか自分が所持する
資産などが、こういった予期せぬ国家レベル
のリスクが発生した際に、どういった条件が
あるかなどは確認しておきたいですね。

何事も興味を持って、細部まで調べておく
ことは大切です。

それでは。

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