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ディドロ効果〜お金を蝕む統一心理とは〜

本日は久しぶりに心理学ネタで。

このコロナ禍で思いついたように部屋の模様替え
をしたり、洋服を新調したりした人はいませんか?

おそらくそういった場合、

・既存の部屋や洋服とのコーディネートを考える
・新しく買うもの全てのデザインや色調を揃える


といった心理になった人も多いのではないかと
思います。

これはある心理が働いているからです。

『ディドロ効果』


ディドロ効果(Diderot effect)とは、今までの
生活になかった新たな価値をを持つ、新しい物を
生活に取り入れた場合、その新たな価値に見合う
物で全てを統一しようとする心理のことです。

例えば、少しお高い「化粧水」を買ったとして、
その化粧水にすごく満足した場合、化粧水に
飽き足りず「乳液」「洗顔」などとどんどん
そのブランドのコスメが増えていってません?

他の例でいうと、服屋にあるマネキンを見て、
「このジャケット欲しいな」となってジャケット
だけの購入だと思っていたのに、気づいたら
スタイリングされたマネキンが着ている洋服
全てをカゴに入れている、なんてことはない
でしょうか?


これは全てディドロ効果の心理が作用しています。

自分に迎え入れた新たな価値が自分と融合し、
そしてその価値に自分の身の回りのものを
どんどん統一させていく形ですね。


もともとディドロ効果のディドロは、18世紀の
フランスの哲学者ドゥニ・ディドロの名前から
きており、彼のはエッセイ『私の古いガウンを
手放したことについての後悔』では、

プレゼントされたガウンがとても美しいため、
自分の生活品をそのガウンにふさわしいものに
新調しすぎて借金をしてしまったと語られて
います。

これくらい昔から人間の統一への心理は高い
みたいですね。

そして、このディドロ効果が作用するにはもう
1つの心理が働いています。

過去記事でも何度かご紹介した「一貫性の法則」
です。

人は何か行動を取るときに「一貫性」を持たせ
ようとします。


そのため、新しく取り入れた価値に一貫性を
持たせたいという心理から、統一したいという
心理に変容していきます。


このディドロ効果によって、たしかに統一感
とれた部屋や洋服などはとてもおしゃれで
気分が高まりますよね。


しかし、ディドロのように借金までしなくても、
この統一するためには知らず知らずのうちに
コストがかさんでいます。

上記の例でいうと、

全て2000円の化粧水や乳液、洗顔を使っていた
として、ディドロ効果により5000円のものに
全て統一したとします。

そうすると、3アイテムだけで9000円の支出
増加ですよね。

このように、ディドロ効果で知らず知らずに
コストが増えている支出って生活を見つめ返すと
たくさんあると思います。

過度な倹約は幸福度を下げるためおすすめ
しませんが、不必要な統一心理で無駄な出費
を増やすことは避けたいですね。

それでは。

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