Ryo

オーストラリアにいる日本人

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最近の記事

全員を幸せにはできない~ホスピタリティー産業から考える~

歴史にみる幸福観 最近ふと思い出したことがある。 高校生の時、漢文や世界史の勉強の中で中国の古典(漢文)や歴史について学んでいたとき、こんなことを聞いた覚えがある。 もちろん、その時代その時代において求められることは多様であるし、統治体制の崩壊には様々な内的外的要因があることは歴史が示しているが、民衆の数が他の地域や国比べて圧倒的に多く、加えて革命が頻発していたことも踏まえると、この要素はあながち排除できないのではないか。 古代であれば、農業を発展させ、住む人間全員が

    • Enjoy Uncertainty

      あらかじめ分かっている結末に向けて進んでいくことがつまらないと感じるのは僕だけだろうか。 攻略本の通りにやればクリアできるゲーム、結末を知った上で触れる映画や漫画、どれもまったく興味をそそられない。 「ネタバレ」をされてから感じる楽しさと、そうでない楽しさを比較した時、後者のほうがより楽しいと思う。 これらの場合、少なくとも、事前に「知らない」「わからない」ことがマイナスに働くことはほとんどない。 これから観ようとしている映画の結末を知らなくても不幸せになったり、何

      • Brisbaneの美味しいレストラン Vol. 1 (2024年2月更新)

        需要が極めて限られている記事を書きます。 「ブリスベンには美味しい店がない」「日本みたいにいろんな飲食店がない」そんなふうに思っていませんか? 確かに、日本ほど低価格帯で普段使いできるような店のバラエティーは決して豊富ではないです。 ただ、実は中価格帯以上の店は結構豊富で美味しい店も意外とあります。 僕はおそらくブリスベンで250-300軒程度(もしくはそれ以上)の飲食店に行ったことがあるのですが、この記事ではその中でも美味しかった店、行くべき店を料理ジャンル別に紹介

        • アートって何なの?

          アートとは何だろうか。 Wikipediaではこう記されている。 また、とある記事では と定義されている。 つまり、ある対象に対して、精神的、感覚的な変化を得た時、その対象はアートというらしい。 アートに正解はないと言われることがあるが、この定義から考えれば腑に落ちる。 全ての人にはその人に刺さる何かがあり、それはその人にとってアートなのだろう。 おそらく普遍的な価値を持つであろう有名な絵画、彫刻、音楽などの芸術作品は、多くの人に感覚的、精神的な変化をもたらしう

        全員を幸せにはできない~ホスピタリティー産業から考える~

          環境と意識、質と量

          昨年の中旬から年末にかけてかなり体重が増えた(8kg程度)。 筋肉が増えて体重が増えるならいいものの、実際には2020-2021年につけた筋肉をほとんど失い脂肪がつくという最悪の有様だった。 原因はいたって単純で、食べ過ぎ&運動不足だ。 座りっぱなしでポーカーをして、運動もせず、不健康なもの(ハンバーガーや揚げ物など)を食べていればそうなるのは当然だ。 そんな状態で、身体が重いし、寝起きも悪いしで調子があまり良くなかったので、年末に、元の体に戻そうという決意をした。

          環境と意識、質と量

          思考する癖

          人間が他の生物と決定的に異なる点は高いレベルで思考することができることだろう。 ある事象について観察し、言語や数式を使い分析し、結論を出すという行為が人間という生きものを特別なものにしているはずだ。 そんな人間らしい「思考」という行為はとてもエネルギーを使う。 長時間の思考活動後に食欲が出たり眠くなったりするように、脳みそを働かせて考え続けることは肉体的にも、そして時には精神的にも消耗する。 そうであるが故に、人は意識していないと、あるいはその癖をつけていないと思考と

          思考する癖

          人生にRun it twiceなんてない

          ポーカーにはRun it twiceというものがある。 プレイヤー同士がオールイン(チップを全部賭けること)になったとき、何回勝負するかを決めることができるというものだ。 通常であれば1回のところ、お互いの合意があれば2回以上勝負することができる。 *オンラインでは頻繁に起きる、ライブでは高いレートではできるが低いレートではできないことが多い。 簡単に言ってしまえば、「もう一回!」ってことだ。 どんなに勝率の高い勝負でも負ければ取れるはずのチップを全てを失ってしまうた

          人生にRun it twiceなんてない

          桃太郎電鉄から考える資本主義とお金持ちの定義

          この間、友達と桃太郎電鉄(Switch版)で遊んで、やはりこのゲームは面白いと思ったので、今回はこれに関することについて書いていこうと思う。 詳しいゲームのルールはWikiepediaでも見てもらえればわかると思うが、カンタンに説明しておく。 最大4人でプレイ可能で、プレイ年数を設定し、ひと月ごとにサイコロを振って、設定された目的地を目指す。目的地の道中、資産となる「物件」や、自らを有利にしたり相手を妨害できる「カード」を集めることができる。誰かが目的地に着くと、そこから

          桃太郎電鉄から考える資本主義とお金持ちの定義

          人生のバランスシート

          皆さん、貸借対照表(バランスシート、Balance sheet、B/S)は知っているだろうか。 バカにするなって? おそらく、多くの人が知っている概念だろう。 細かい説明は置いておくとして、このバランスシートには基本的な特徴、式がある。 Assets (資産) = Liabilities (負債) + Equity (純資産 あるいは 資本) だ。 つまり、この等式が成り立つが故にバランスシートと呼ばれているのだ。 今回のテーマはタイトルにある通り、「人生のバランス

          人生のバランスシート

          「努力」ってなんだろう

          「努力は必ず報われる」 「努力することは大切だ」 「努力を努力と思わない人が1番強い」 生まれてから今まで散々努力ということに関して色々なことを言われてきたし、聞かされてきたという人は多い。 名言的なものも腐るほど存在し、聞き飽きたくらいだ。 今回はそんな「努力」について考えていこうと思う。 最初に上げたフレーズなどを考える前に、まずは「努力」という言葉自体について考えてみたい。 実はずっと前から違和感を感じていたことがある。 「努力」は見ての通り「努」と「力

          「努力」ってなんだろう

          リスクとリターン

          何かの決断をする時、必ずそこにはリスク(コスト)とリターンがあるはずだ。 言い換えるなら、何かを選択する時、多くの場合、何かを諦めていることになる。 経済学では根幹をなす考え方ではないだろうか。 最近ではコロナウイルスの流行もあって、意識することが多いかもしれない。 飲み過ぎは身体に悪いと分かっていても羽目を外したり、病気になる確率が上がると分かっていてもタバコを吸ったり、交通事故に遭うかもしれないとしても、車、バイク、自転車に乗る。 どのようなリターンに価値や幸せ

          リスクとリターン

          タダというコスト

          「今なら無料」 「一つ買うと一つ無料」 こんな謳い文句につられたことはあるだろうか。 それが必要か不必要かを深く考えずに手に取ってしまったり、サービスを受けたことがある人は少なくないと思う。 違う目的で店に来たりしていたのに、いつの間にか無料というのにつられて本来の目的を見失う、まったく買うつもりのなかったものを買ってしまう。 マーケティングの策略にまんまとハマってしまうのだ。 必要のないものを抱えることでものが増えたり、無理して消費しようと普段の生活が崩れたり、

          タダというコスト

          勉強のやり方

          ついこの間すべての授業が終わって、テスト期間に突入した。 とは言っても、このコロナの状況で全部オンライン、選択問題なので全然大変じゃないけれども。 今回は勉強のやり方について思ったことを書いていく。 その前に少し一学期を振り返る。 そのためにオーストラリアの大学のシステムについて少し紹介する。 まず、日本と違って3年間の2学期制で、1学期に取れる科目が4科目、ほとんどの科目が1科目=2単位なので、3年間で48単位取って卒業になる。 授業のタイプも大まかに分けて2種

          勉強のやり方

          文系はオワコンじゃないかって話

          ※先に断っておくけれども、何も文系は無意味だと主張するわけではないです。 一応僕の学部、アグリビジネスは分類上、Scienceになっているけれども、学ぶ内容にマーケティング、マネジメントなども入っている。 日本でも高校では文系として勉強していたので、かなり文系寄りだと思う。 ただここ最近、一層、文系はオワコンじゃないかと感じている。 きっかけは何個かある。 ついこの間終わった一学期の授業で、ざっくり説明すると持続可能な農業について学ぶものがあった。 そこでの授業で

          文系はオワコンじゃないかって話

          自分の「世界」の広さと偏り

          今、世の中には様々なコンテンツが溢れかえっている。 分からないこと、知りたいことがあればインターネットを使っていつでも調べることができるし、SNS等を使えばリアルタイムで様々な情報に触れられる。 漫画、映画、ドラマはスマホで読んだり観たりすることができるし、YouTubeでは様々なジャンルの動画をみることができる。 もちろん友達とは頻繁にコミュニケーションが取れるし、会ったことがない人とも繋がりを持てる時代でもある。 そんな中で、それを十分に活用せず、限られた情報やコ

          自分の「世界」の広さと偏り

          美味しさの多様性

          日本料理、フランス料理、イタリア料理、スペイン料理、中華料理、メキシコ料理、インド料理 etc. 世界には様々な食文化があって、そのそれぞれに多様な料理がある。 もっとミクロな視点で見れば、レストランの~料理、コンビニの~料理、親が作る~料理、自分で作る~料理など形はたくさんある。 では「美味しさ」とは何だろうか? たまにこんなことを海外で言っている日本人がいる。 「日本食が世界で一番おいしい。この国の料理はまずい。」 日本食は美味しい。これはとてもわかる。みそ汁

          美味しさの多様性