文系はオワコンじゃないかって話

※先に断っておくけれども、何も文系は無意味だと主張するわけではないです。

一応僕の学部、アグリビジネスは分類上、Scienceになっているけれども、学ぶ内容にマーケティング、マネジメントなども入っている。

日本でも高校では文系として勉強していたので、かなり文系寄りだと思う。

ただここ最近、一層、文系はオワコンじゃないかと感じている。

きっかけは何個かある。

ついこの間終わった一学期の授業で、ざっくり説明すると持続可能な農業について学ぶものがあった。

そこでの授業では化学、生物についての知識があれば、より一層学んだことに対しての理解が深まるのではないかと感じた。

もう一つ。

ポーカーを勉強する中で、確率、期待値、統計学、ゲーム理論などの数学的な勉強に興味を持った。

教養数学を理解し、さらにその先の応用数学を理解することで、ありとあらゆる分野へ応用することができる。わかりやすい例でいえば経済学なんかだろうか。

それもあって、今、統計学や土台となる数学の勉強を進めている。進めるうちにその必要性や、その知識がないと理解できないことの多さを実感している。

ではなぜ文系はオワコンなんだろうか。

いや、言い換えたい。

文系の知識しか知らないのではオワコンだ。

なぜだろう。

まず、上に書いたように、経済学だって数学を理解しなければ話にならないし、市場分析、世の中の流れなんかだって数字やデータで理解できることが多い(もちろんそれが全てではないが)。

最近の例で言えばコロナウイルスに関してだってそうだ。

客観的なデータを解析して、対策の再分析、あるいは新しい対策を打ち出す。経済などありとあらゆる分野への影響をそれをもとに考え、感情論で答えを出さないようにする。

科学的思考が行われるべきいい例だ。

近頃AIだのプログラミングだの言われているが、そういうコンピューターサイエンスにだって数学などが基礎になっているはずだ。

根本が理解できないのにヤイヤイ言って、理解する、あるいは使いこなすことができるのだろうか。

おそらくできないだろう。

また、そういう社会において、上っ面の経済学、法学、哲学etcだけしか知らない人間が本当に役に立つ人材なのだろうか。

絶対にそんなはずがない。

そもそも、日本の大学はネームバリューを手に入れる側面がかなり強いと思う。特に文系では、そこで学んだことと、そのあと就職する分野が必ずしも一致しない。

これが悪いこととは思わないが、それならなおさら文系だけの勉強をするのはいかがなものなのだろう。

入試の段階でも私立文系は数学を使わないし、国立文系でも数学3は履修しない。

入試や授業が終わってこれで数学から解放だ〜っていっている人を見てきたけれど、この現状にも疑問を感じる。

海外の大学も文系、理系の概念があまりないとはいえ、日本でいうところの文系の学部では、自分で探求しようとしない限り、その知識は身につかない。(体感として、オーストラリアでの大学の生徒全体の基礎的な数学のレベルは日本より低いと思う)

学ぶ環境は整ってはいるけれども。

また、いくら日本の大学よりもより実践的な知識やスキルが身に着けられるとはいえ、胡坐をかいてそれしかやっていないのであれば結局毛が生えた程度だと思う。

「哲学や法学に興味があるから」、「会計を学びたいと思ったから」など、そうやって大学に入り、勉強をすること自体は素晴らしいと思うし、それを自分も継続したいと思う。

しかし、興味があることや好きなことだけをしていてはこの先通用しなくなると思う。

嫌いだからなんて生ぬるいことも、周りにその嫌いなこともやっている人がいれば言ってられない。

それこそオワコンになる。

スティーブ・ジョブズのConnecting the dotsの話がある。

自分の興味があることにいろいろ手を出して夢中になれば、それが将来つながる可能性があるというような話だ。

確かにその通りだとは思う。

ただ、それは必要なことや、今の世界を理解するのに必要な知識(この記事で言えば主に数学、科学)を身につけない理由にはならないと思う。

前の記事にも書いたように、文系だけの勉強をしてたのでは自分の世界が狭まってしまうし、周りを理解することは難しいと考える。

自分の学ぶことには理系の知識は関係ないと言い切ってしまうことこそ危険だと思う。

その思考こそ文系の勉強しかしてこなかった弊害なのかもしれないし、この先弊害になることなのかもしれない。

直接的ではなくとも間接的、あるいは役に立つことはあるはずだ。

多分これは理系にも言える可能性がある。逆もまたしかりだ。

一昔前まではただプログラミングを書いていればよかったが今後はそうはいかないかもしれない。

とはいえ、文系の方が深刻ではある。

極端に言ってしまえば、掛け算ができないと思って勉強を始めなければいけないのかもしれない。

一応自分も文系だ。そのことを自覚しているからこそ、これからも理系の勉強に取り組んでいきたいと思う。

文系の知識しかない人とそうでない人を比べた時、自分ならそうでない人に価値があると思うからね。