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人生にRun it twiceなんてない


ポーカーにはRun it twiceというものがある。

プレイヤー同士がオールイン(チップを全部賭けること)になったとき、何回勝負するかを決めることができるというものだ。
通常であれば1回のところ、お互いの合意があれば2回以上勝負することができる。

*オンラインでは頻繁に起きる、ライブでは高いレートではできるが低いレートではできないことが多い。


簡単に言ってしまえば、「もう一回!」ってことだ。


どんなに勝率の高い勝負でも負ければ取れるはずのチップを全てを失ってしまうため、複数回勝負することは長期的に見れば分散を減らすということになる。

補足をすると、2回勝負をするとして、2回勝てばポットが全額もらえ、1回勝てば半分もらえる。2回負ければもちろんポットは取れない。


不利な勝負をする側からしたら、どちらかで勝てれば負けが回避できるわけだ。




ゲームを例で考えてみたい。


ゲームではセーブをしていればそこに戻ってやり直すことだってできるし、何回も同じ部分を遊んだりもできる。

やろうと思えばRun it twice以上できて、1番良い結果を選択する事だってできる。

間違ったり、ベストではない結果が出たとしても何回でもやり直して自分の望む結果で終えることができるわけだ。



もちろん現実世界はそんなに甘くない。

勝負事に限らず、あらゆる人生における決断でRun it twiceなんて機能を使うことはできない。


当たり前のことだが、何かの決断をしたとき、その瞬間に戻ってやり直すことはできない。


ポーカーのようにその決断がどれくらいのEV(Expecrted value: 期待値) を持つかなんてこともわからないし、ゲームのように良い結果だけを保存するなんてことは絶対にできない。

Run it onceの勝負をして、その結果を受け入れる以外の選択肢はない。


何を当たり前なことを言っているんだという話だ。


しかし、何回も一つの勝負を試行することはできないが、何回でも勝負に挑戦することはできる。


話は少し変わるが、僕は小さい頃、ボードゲームなどの対戦する系のゲームで負けると絶対に勝ちたいという気持ちからよく「もう一回!」といって諦めなかった。

父親に将棋でボコボコにされたことを今でも覚えている。
負けてよく泣いていた記憶がある。


つまり、何回も挑戦し続けることはできるのだ。

ポーカーであればお金を追加してまた勝負することができる。



人生においてのあらゆる決断は変えることはできないし、何回も行うことはできない。

ただし、決断の試行回数は増やすことができるし、勝とうが負けようが、死なない限り何回でも挑戦し続けることができる。


そうであるからこそ、自分が期待値の高いと信じた決断を下し続けるということの大切さはあらゆることに共通して言えると思う。



たしかに、人生はやり直しが効かない分、分散が激しいかもしれない。

仮に同じように生きている人がいたとしても、その人生模様は絶対に違うはずだ。
今いる立ち位置が同じでもそこに至るまでの決断や過程が違うなんていうのも当たり前だ。



しなし、人生とはそういうものであるからこそ、個人的には変化量が大きい方が楽しいのではないか。

単発の結果にフォーカスせず何回もトライアンドエラーを繰り返すことで、分散を受け入れ、それで生じる変化を楽しむ。


それが人生を楽しむ秘訣なのかもしれない。



だから僕は今日も覚悟を決めてAKvsQQをRun it onceする。

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