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【書評】プルースト『失われた時を求めて』からひとまず撤退

ロッシーです。

プルーストの『失われた時を求めて』を読みました・・・

と、言いたいところなのですが、1巻目のさわりだけ、ほんの十数ページだけ読みました。

この本は、私の「いつかは完読してみたい本リスト」のうちの一角を占めています。

しかし、ネットで色々と調べたところ、本書を完読するのは相当な覚悟が要りそうだということが分かりました。

岩波文庫版だと全14冊で約8000ページ(しかも全ページ文字びっしり)という大作であり、文章もひとつひとつのセンテンスが長く、比喩や例えが多くて非常に読みにくいようです。

さて、こういう大作にまともに突撃すると、木っ端みじんに粉砕されることは間違いありません。

以前トルストイの『戦争と平和』で撤退しましたが、「大作には対策」が必要だということです。

ですから、まずは実際どんな感触なのか斥侯的に1巻目のさわりだけでも読んでみようと思った次第なのです。


さて、実際に読んでみたところ・・・

いや・・・

う~ん・・・

これは・・・

かなりやばいですね・・・

これは普通に読もうとしたら完読は無理そうです。

例えるならヒマラヤ登山ですね。そのくらいの準備と計画をしなければ、この巨峰には挑めないぞ、と痛感しました。

まあ、それが分かっただけでも十分な成果です。今回はタッチ・アンド・ゴーでひとまず撤退します(笑)。

いや〜良かった良かった。もしも勢い余って14巻をセット購入なんぞしていたら目も当てられません。図書館で借りて正解でした(笑)。

そういえば、村上春樹氏の『1Q84』にこんな記載がありました。

「プルーストの『失われた時を求めて』はどうだ?」とタマルは言う。「もしまだ読んでいなければ、読み通す良い機会かもしれない」
「あなたは読んだ?」
「いや。俺は刑務所にも入っていないし、どこかに長く身を隠すようなこともなかった。そんな機会でもないと『失われた時を求めて』を読み通すことはむずかしいと人は言う」

本当にそのとおりかもしれません。

サラリーマンとして日々仕事をしながら片手間に読むのはかなりハードな気がします。引退して時間がたっぷりできたら読むほうが良いのかもしれません。

なお、本書を完読した方の書評を読むと、皆さん揃って非常に高い評価を与えています。

逆に、つまらないといって早々に1巻目で挫折してしまう方も多いようです。

おそらく、完読できるような人は、面白いと思えたからこそ完読できたのでしょう。

つまらない小説を我慢して完読することも可能だとは思いますが、さすがにこの分量を我慢して読み続けるのは常人では難しいです。というか無理です。

私はまだ1巻目のさわりに触れただけですが、少なくとも「つまらない!」という風にはなりませんでした。そういう意味では本書に対するアレルギー反応はなかったということですから、読み進められる可能性は高そうです。とはいっても、読み進めるうちにアレルギー症状が発症する可能性もありますが(笑)。


それにしても、いつか読んでみたい本があるというのはいいものですね。果たしたい目標があるというのは一つの生きがいになりますから。

いつかまた本書に再開するまで、健康に留意して頑張ろうと思います。


最後までお読みいただきありがとうございます。

Thank you for reading!

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