出世欲は人工欲である
ロッシーです。
「出世」
サラリーマンなら、この「出世」という言葉に敏感だと思いますがいかがでしょうか?
最近は、「コスパが悪い」といって出世を嫌がる人もいるようですが、おおむね普通のサラリーマンなら出世したいのではないでしょうか。
さて、この「出世欲」ですが、それ自体は悪いものではありません。
出世をして収入が上がることで、暮らしをより快適にしたいと思うことは健全な欲求です。
社員が誰も出世をしたがらない会社の未来はおそらく無いでしょう(出世しなくても非常に恵まれた給与水準の会社でもない限りは)。
だから、基本的に出世欲をもつこと自体は否定されるものではありません。
でも、この出世欲というのはやっかいなもので、
「あ~やっと課長になれた。もう出世しなくていいや。」
と思うようなことはあまりありません。
課長になれば部長を目指したくなるものですし、部長になれば役員を目指したくなるものです。
つまり、この出世欲には際限がないのです。
では、例えば食欲、睡眠欲、性欲などはどうでしょうか?
これらの欲は、際限なく持つことはできません。
・腹いっぱい食べたら、それ以上は食べられません。
・熟睡したら、眠ろうと思っても眠れません。
・性交だって際限なくすることはできません。
こういった私達が自然に持っている欲は、際限があるわけです。
そこが出世欲との大きな違いです。
出世欲というものを生まれながらにもっている人間というものはいません。
赤ちゃんに「出世したい!」なんていう概念はありません。
だから、この出世欲というものは、人間社会で人工的に発生した欲なのです。
似たようなものに金銭欲がありますが、これらの欲はどこまで行っても満たされることがありません。
もちろん、私達人間は社会的動物ですから、ある程度こうした欲とつきあっていかないといけない部分があります。
でも、食欲などのいわば「天然欲」とは異なり、出世欲は決して満たされることのない「人工欲」であることは自覚しておかなくてはいけません。
決して満たされることのない欲にとりつかれてしまうことは、海水を飲むことと同じです。いつまでも苦しむことになるのです。
かといって、「出世を目指すな!」と言いたいわけではありません。
「自分の出世欲が人工欲であり、際限がないことを自覚しておこう。」
ということを言いたいのです。
わけもわからずにしゃにむに出世欲という海水をガブ飲みするのではなく、自覚したうえで海水を飲めばいいということです。
もちろん海水ですから喉は乾くでしょう。
何も自覚がなければ、その喉の渇きを癒そうと、さらに出世欲を強めるしかありません。
でも、自覚があれば、その渇きは別の何かで癒すことができることに気が付けるはずです。
出世欲にとらわれているひとには、すぐそばにあるコップの水は目に入りません。
ずっと乾き続ける人生は苦しいものです。
いつも自分のそばに、水があることを知っている人生を選びたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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