北原六花

ここには詩を載せようと思います。ほかは「桜宮ゆずる葉」の名でBloggerに書きます。…

北原六花

ここには詩を載せようと思います。ほかは「桜宮ゆずる葉」の名でBloggerに書きます。https://hosidukiyo.blogspot.com  2024/7/27記

マガジン

  • 「創作大賞2024」応募作

    期間限定マガジン。「創作大賞2024」の「オールカテゴリ部門」に応募した詩です。

  • ソネットの14行だけまねをして。14行書いた詩を載せます。

記事一覧

【詩】

水に浮かぶ氷の音

目を閉じてレモンスカッシュ

瞼に浮かぶ背伸びした喫茶店

甘酸っぱい青い夏

北原六花
11日前
4

【詩】 ごはんとみそ汁、パンとみそ汁

四半世紀よりずっと前 朝のテーブルを七人が囲んだ ごはんとみそ汁、海苔又はふりかけ付き パンとみそ汁、マーガリン付き 早くからパンを好んだのは誰だったか 思い出は抱…

北原六花
3週間前
6

【詩】 大河だ

大河だ 水はない あるのは底なしの闇 暗くはない 流れる星星のおかげ わたしの何千倍もの大きさの 金平糖型ではなく かわり玉のように丸い 光を放つ星星 星の間を小舟でゆ…

北原六花
1か月前
7

花日記

北潟湖畔花菖蒲園に行ってきました。見頃です。

北原六花
1か月前
2

【詩】 空と海がひとつになる場所

波打ち際で裸足になる 潮風に向かい見晴るかす ふたつのあおが出会う 空と海がひとつになる場所 旅はあおに満ちた日がいい 赤ちゃんの笑いのような空 白い帆のヨットが眠っ…

北原六花
2か月前
10

めずらしく徒然日記

今日はきれいに晴れて、でも長袖でも暑くなく、過ごしやすい日でした。 私は運転免許をもっていないので歩くことが多いのですが、考え事をしながら知らず知らず早足になっ…

北原六花
2か月前
3

【詩】 大樹がくれる木陰にて

大樹がくれる木陰にて そういえばこの樹は、といつかの日を思い出す 保育園の子どもたちがお弁当を食べていた樹 日差しの下は暑かったけれど 子どもたちには大きな樹があっ…

北原六花
2か月前
3

「創作大賞2024」に詩を一篇応募しようと思っています。しかし、数日ねばった詩を下書きから削除しました。まぁ先は長いのでまたぼちぼち書きます。

「ロイヤルダムセルが泳ぐ空から降ってくる
 星のつぼみ
 少女はエプロンを広げ
 空を見上げて不安定なステップを踏む」

ふぅ

北原六花
2か月前
5

【詩】 時

木陰の涼やかさがうれしい昼下がり 読みかけのページを手で押さえる 葉擦れの音は耳にここちよく 服をはためかし去っていく風に おまえは時の束縛をうけないのかと 二千年…

北原六花
3か月前
8

【詩】 風

カンザスのとうもろこし畑の土のにおい モンサンミシェルの鐘の音 千夜一夜にただようかぐわしい花の香り 昨日も今日もタージ・マハルでカメラの音 雨降りそぼつジャングル…

北原六花
3か月前
5

遊歩道の花たち

今日は歩くと暑いくらいでしたが、風が強く日陰は心地好かったです。 遊歩道は車の音があまり聞こえず、落ち着きます。出会った花たちを見てください。

北原六花
3か月前
2

『エイリアン通り』を読んでホームに思いを馳せた

40年くらい前でしょうか、妹と熱心に読んだ漫画のひとつが『エイリアン通り』(通りにはストリートとフリガナが打ってあります)です。先日ブックオフに全8巻セットで売っ…

北原六花
3か月前
1

春花さんぽ

今日はよく晴れてあたたかな日でしたので、歩いて川へ桜を見に行ってきました。 桜の写真は難しいです。中で気に入ったのを切り取りました。 山がきれいだなと思って歩道…

北原六花
3か月前
2

新しい自己紹介をあっさりと 

プロフィールを新しくしようと思いました。 と言っても、あまり書くことはありませんが。 1970年生まれ。うお座です。 ジョン・キーツのソネットの幾つかが好きです。 投稿…

北原六花
4か月前
8

赤い電話ボックス

その時どうしても 電話をかけなくてはならなくて その時その場所でどうしても あなたの声が聞きたくなって そんな人が列をなした時もあったかもしれない 今はビルの壁の…

北原六花
9か月前
1

夕空

以前住んでいた所は近くに田んぼが広がっていて、渡ってくる風に吹かれる夕方の散歩は心地好く、懐かしく思い出されます。夕焼けが美しい日は、薄れてしまうまで空を眺めま…

北原六花
9か月前
4

【詩】

水に浮かぶ氷の音

目を閉じてレモンスカッシュ

瞼に浮かぶ背伸びした喫茶店

甘酸っぱい青い夏

【詩】 ごはんとみそ汁、パンとみそ汁

四半世紀よりずっと前
朝のテーブルを七人が囲んだ
ごはんとみそ汁、海苔又はふりかけ付き
パンとみそ汁、マーガリン付き
早くからパンを好んだのは誰だったか
思い出は抱きしめようとして空を切る
時を経て三人になり
黒かった髪に白髪が交じって
朝の時間はばらばら
ごはんとみそ汁、海苔又は納豆付き
パンとみそ汁、マーマレード付き
時にフレンチトースト、みそ汁付き
当たり前だけど有限な
無限大に愛おしい時間

【詩】 大河だ

【詩】 大河だ

大河だ
水はない
あるのは底なしの闇
暗くはない
流れる星星のおかげ
わたしの何千倍もの大きさの
金平糖型ではなく
かわり玉のように丸い
光を放つ星星
星の間を小舟でゆく
オールは闇をかき
星を精いっぱい突き押す
星の大きさに圧倒されながら
進む
あの人に会いに
数多の星の向こうにいるはずの
あの人に会いに
ちっぽけなわたしは進む
ほんとうにあの人かしら
星の彼方は
ほんとうにあの人かしら
何かち

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花日記

花日記

北潟湖畔花菖蒲園に行ってきました。見頃です。

【詩】 空と海がひとつになる場所

波打ち際で裸足になる
潮風に向かい見晴るかす
ふたつのあおが出会う
空と海がひとつになる場所
旅はあおに満ちた日がいい
赤ちゃんの笑いのような空
白い帆のヨットが眠っている海
空のひとは海へ一歩踏み出す
海のひとは空へ一歩踏み出す
アイコンタクトは「良い旅を」
その時その場所でわたしは何をするの
フレアスカートで体育座りをして
心が水彩絵の具のようにあおにとけて
「行ってらっしゃい」と手を振るわ

めずらしく徒然日記

今日はきれいに晴れて、でも長袖でも暑くなく、過ごしやすい日でした。
私は運転免許をもっていないので歩くことが多いのですが、考え事をしながら知らず知らず早足になっていることがあります。今日もそうでした。そんな私を立ち止まらせてくれたのは道端の花です。紫色の花びらが細くシャープな花が目の端に映りました。猛然と歩いていたような直前の自分を想像して嫌になりました。花を愛で、ほっと一息つくことができました。

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【詩】 大樹がくれる木陰にて

大樹がくれる木陰にて
そういえばこの樹は、といつかの日を思い出す
保育園の子どもたちがお弁当を食べていた樹
日差しの下は暑かったけれど
子どもたちには大きな樹があった
木陰がちょうど全員に行き渡って
木漏れ日のゆらめきだけではない、光の中にあった
その樹に今日はわたしひとり
春の陽がぬくめた空気と
散歩中の北風
葉のくすくす笑いが手を組めば
それはもう睡魔
思わず姿を探したくなる鳥の声も
まぶたを

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「創作大賞2024」に詩を一篇応募しようと思っています。しかし、数日ねばった詩を下書きから削除しました。まぁ先は長いのでまたぼちぼち書きます。

「ロイヤルダムセルが泳ぐ空から降ってくる
 星のつぼみ
 少女はエプロンを広げ
 空を見上げて不安定なステップを踏む」

ふぅ

【詩】 時

木陰の涼やかさがうれしい昼下がり
読みかけのページを手で押さえる
葉擦れの音は耳にここちよく
服をはためかし去っていく風に
おまえは時の束縛をうけないのかと
二千年の隔たりをなす術なく受け入れる
まみえること叶わず
声音を知ること叶わず
土の道を共に歩くこと叶わず
貴方を想う幾度も
今の世から離れるための静けさ
求めても求めてもまだ遠く
翠の美しさに心を閉じて
貴方にまたほんの少し近づいてみる

【詩】 風

カンザスのとうもろこし畑の土のにおい
モンサンミシェルの鐘の音
千夜一夜にただようかぐわしい花の香り
昨日も今日もタージ・マハルでカメラの音
雨降りそぼつジャングルの葉のにおい
赤ちゃんをまもるお乳のにおい

遊歩道の花たち

遊歩道の花たち

今日は歩くと暑いくらいでしたが、風が強く日陰は心地好かったです。
遊歩道は車の音があまり聞こえず、落ち着きます。出会った花たちを見てください。

『エイリアン通り』を読んでホームに思いを馳せた

『エイリアン通り』を読んでホームに思いを馳せた

40年くらい前でしょうか、妹と熱心に読んだ漫画のひとつが『エイリアン通り』(通りにはストリートとフリガナが打ってあります)です。先日ブックオフに全8巻セットで売っていたので買いました。今読んでも面白かったです。妹に貸そうと思います。

主人公はアラブの架空の国の次期首長の息子シャール。ロサンゼルスの大学に留学中です。
その邸宅に同居しているのが、イギリス人執事のバトラーと、日本人の15歳の女の子、

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春花さんぽ

春花さんぽ

今日はよく晴れてあたたかな日でしたので、歩いて川へ桜を見に行ってきました。

桜の写真は難しいです。中で気に入ったのを切り取りました。

山がきれいだなと思って歩道橋から撮った遠景。

帰り道のムスカリ。

出会っていちばん嬉しいスノーフレーク。

のどかな時間でした。

新しい自己紹介をあっさりと 

プロフィールを新しくしようと思いました。
と言っても、あまり書くことはありませんが。
1970年生まれ。うお座です。
ジョン・キーツのソネットの幾つかが好きです。
投稿、創作は2016年からです。
ペンネームは色々考えてきましたが、この
北原六花という名前は、風の通りがよい気がします。
コメントにお返事するのは苦手です。

2024/7/28追記
ブログ(と言えるのかどうか……)始めました。

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赤い電話ボックス

その時どうしても
電話をかけなくてはならなくて

その時その場所でどうしても
あなたの声が聞きたくなって

そんな人が列をなした時もあったかもしれない

今はビルの壁の一部のように
等間隔で立っている街灯のように
街の景色になって

静まりかえった街をひとり歩く
心はどしゃ降り
そんな夜もあるでしょう

赤い電話ボックスを街灯が照らしていたら
狭い箱の中で守られたくなるかもしれない

すこし落ち着

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夕空

夕空

以前住んでいた所は近くに田んぼが広がっていて、渡ってくる風に吹かれる夕方の散歩は心地好く、懐かしく思い出されます。夕焼けが美しい日は、薄れてしまうまで空を眺めました。
この写真は4年前のもの。スマートフォンで撮影しました。色の移り変わりがきれいでお気に入りの一枚です。見て見てという気持ちで投稿します。