赤い電話ボックス

その時どうしても
電話をかけなくてはならなくて

その時その場所でどうしても
あなたの声が聞きたくなって

そんな人が列をなした時もあったかもしれない

今はビルの壁の一部のように
等間隔で立っている街灯のように
街の景色になって


静まりかえった街をひとり歩く
心はどしゃ降り
そんな夜もあるでしょう

赤い電話ボックスを街灯が照らしていたら
狭い箱の中で守られたくなるかもしれない

すこし落ち着いたら
聞きたい声があるでしょう

たまには
ポケットに小銭をさがしてみて


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