【詩】 時

木陰の涼やかさがうれしい昼下がり
読みかけのページを手で押さえる
葉擦れの音は耳にここちよく
服をはためかし去っていく風に
おまえは時の束縛をうけないのかと
二千年の隔たりをなす術なく受け入れる
まみえること叶わず
声音を知ること叶わず
土の道を共に歩くこと叶わず
貴方を想う幾度いくたび
今の世から離れるための静けさ
求めても求めてもまだ遠く
翠の美しさに心を閉じて
貴方にまたほんの少し近づいてみる

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