おおはしゃぎ文集

札幌で活動する劇団Road of座の大橋という人間の文章。たまに公演する。

おおはしゃぎ文集

札幌で活動する劇団Road of座の大橋という人間の文章。たまに公演する。

マガジン

  • エッセイ過去選『表現の仕方が分からないのでこれで終わります』

    かつて存在していたRoad of座公式ブログ「隔日おおはしゃぎ」より、筆者・大橋とマネージャー・ミシェガワくんが選んだ良作のエッセイを載せていきます。ちょっとだけでも読んでみてね。月曜更新

  • 日々のエッセイ『2021おおはしゃぎ』

    2021年、ダメ学生から社会人へ華麗な転身を遂げた大橋が、社会ですり減らされたクリエイティビティを恢復すべく「闘争的さくぶん」をしていきます。木曜更新

  • 演劇『らーららーでぃでぃだーだーだん!!』

    実は劇団であるRoad of座の数少ない本業が形となったYouTube公開作品「らーららーでぃでぃだーだーだん!!」なる作品についての発表・宣伝・脚本公開がされてゆきます。

最近の記事

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【過去選♯0】まえがき

二年前、ブログを書き始めた。書き始めたというか、書き始めさせられた。と言うのがこの文章たちの編集をしてくれたミシェガワ君へのリスペクトを込めた表現か。コラムを隔日で書くというのが当初の理念だったブログ『隔日おおはしゃぎ』は、いつの間にか僕の個人的なエッセイを不定期で更新するナニカへと変遷し、最終的にここへ来た。 このブログ更新の間、僕は北大を離れ日本、フィリピン、カナダを転々としていたので、書くこと自体には事欠かなかった。一体誰が読んでいるのか、もうそんなことは考えていなか

    • 鉄道の旅 2024/8/1

      8月となりました。時間がどんどん過ぎていく。皆が有意義で愉快でおもろくて学びある時間を過ごしているのに俺ときたら、という思考で頭がいっぱいになって昨日の今くらいの時間は車窓を見ながら落ち込んでいましたが昨晩福島で友人と会って色々話したら何だか自信みたいなものが戻ってきて今は気持ち穏やかです。 昨日東京を出発し青春18きっぷを駆使して東日本を北上し最終目的地札幌を目指す旅。これまでバイクでしか旅行をしたことのなかった東北を鉄道で巡るというのはそれはそれで新しい感覚があります。

      • 太陽浴びて 2024/7/26

        屋久島から帰った。何泊したんだろう、特に興味はない。一瞬だった気もするし、東京の家を出発したことがもうずっと昔だったような気もする。←こういう言い方をする癖があります。時間というのがもうずっと僕の関心の中心にあるから。時々一年前のことより一週間前のことの方が昔のことのように思えることもある。過去のことっていうのは本当に面白い。淋しい。 行く前、宿も特に決まってないし、滞在日数も決まってないし、屋久島のことよく知らないし、そもそも本当に行きたいのかもよく分からなくなっていた。

        • ふるさとは 2024/6/11

          ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしや うらぶれて異土の乞食かたゐとなるとても 帰るところにあるまじや ひとり都のゆふぐれに ふるさとおもひ涙ぐむ そのこころもて 遠きみやこにかへらばや 遠きみやこにかへらばや 関東で感傷的にこの詩を思い出したり口ずさんだりしてましたが、普通にふるさとにはよく帰ります。高校時代、出ていきたくてたまらなかった町。もっと歴史的でもっとオシャレで(?)もっとハイカラで、もっと気取った町で育ちたかったなと思っていた町。10代

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        【過去選♯0】まえがき

        マガジン

        • エッセイ過去選『表現の仕方が分からないのでこれで終わります』
          8本
        • 日々のエッセイ『2021おおはしゃぎ』
          3本
        • 演劇『らーららーでぃでぃだーだーだん!!』
          1本

        記事

          あら! 2024/6/8

          ま〜だまだやれる。俺が苦しんでいることたちなんてのは、ま〜だまだ甘い。世の中にはそれはそれはもう救いのない真っ暗闇がある。俺なんてのがここで色々ウジウジしているのはおこがましい。こういう考え方を人に強要する奴は嫌われがちだけど自分に向けるなら良い心掛けと言えうるかもしれない。ふとシングルマザーの人たちの大変さ(もちろんそれを乗り越えていく幸せや楽しさもあるのでしょう)に思いを馳せて思いました。 そして、そんなふうに、自分に叱咤激励となりうる言葉をかけることがまさに叱咤激励と

          2024/6/4

          風が向いていない。何かが起こって、その挽回のためにしたことがまた裏目に出て、その挽回のためにしたことがまた裏目に出て。挽回、というほど過去に縛られたようなことでもなくとも、俺はあえて、自らの不幸のために別のことに気持ちを向けて一歩踏み出していこうとする動きを挽回と表現しよう。全てのことが偶然的で必然的である。偶然的にも必然的にも受け取れる。世界の真理が偶然だとしても、俺たちは偶然を認められるほど論理的に出来ていない。必然を信じてしまう。もういいんだ。色んなことを一度必然的だと

          取り返しがつかない思考のメモ 2024/5/30

          「もう二度と」とか、「今生の別れ」とか、「now or never」とか、「期間限定」とか、そういう言葉にめっぽう弱い人生を送ってきたけれども、その根底にあるのは、今この瞬間はもう永遠に巡ってこないという思考なのだろう。そして、その先にあるのは、自分のしたこと、言ったこと、自分とは関係なく起こったこと、他人が言ったこと、がもう全て、どんどん、取り返しのつかなくなったこととして世界に記録されていってしまっているという認識。認識、というけれどもそれは悲しみ、絶望、とか色々なネガテ

          取り返しがつかない思考のメモ 2024/5/30

          2024/5/21

          午後二時四分。家の近くのミスタードーナツにいる。ここはいい。コーヒーやカフェオレがおかわり自由だし、かつ、大手チェーンならではの個人主義が蔓延っていて隣に座っている男が何時間そこで同じように過ごしているかを気にする人はいない。店員のシフトの交代を横目で見ながら、ああ彼らもお金のためにここにいるのだと思い出す。きっとお金がもらえないなら一秒たりともそこにいないだろう笑顔の人たちから食品を受け取って享受する。どの人もお金のために。お金をもらえなくても是非とも過ごしたいと思う時間を

          2024/3/30

          午前10時。自宅にいて、外は快晴。こんなタイミングで日記を書くのは初めてだ。他にもうやることがなくてどうしようもない時にこの文章は精神安定のため役立ててきたのにこうして不必要なタイミングで書き出してしまっているのは何故だろう。嫌な贅沢をしている気持ちだ。FF7のリメイクの動画を見て久しぶりにその世界に没入できていることが嬉しい。昨日は春琴抄を読んだ。そして太陽の塔も。太陽の塔は読んだことあったわ。そして魯迅と若きウェルテルの悩みと異邦人をブックオフで買った。買わなくていい本を

          さん、に、いち、と何かが 2024/3/21

          またいつもの場所にいる。カフェ。時刻は17時47分。またあの時間がやってくる。夜がやってくる。来ないでくれ。もうここ数週間夜が辛くて辛くてたまらない。いつの間にか油断すると目に涙が溜まってくる。ここまでなんでもない時に思わず泣いてしまいそうになることがこれまであっただろうか。この夜。 俺にここまで残酷な試練を与えた彼らは今どこで何を? 誰と? 俺はこうしてどこにも行けず泣いてしまいそうな気持ちを抑えて、対症療法にすぎない、本質的でない、一石二鳥を快しとする性格の真逆を意地悪に

          さん、に、いち、と何かが 2024/3/21

          2024/3/19

          なあ、お前の生き方にはいつも波がある。人を楽しませる陽気で楽しい男であろうとすることはその全てが俺の偽りでないにせよある程度の仮面をかぶって初めて可能になっていること。つまり、スランプがある。本当の自分だと思わせて生きている俺が、まさにそうであろうと思って生きることにスランプがあることは自分からしてみたらこんな必然的なことはないが、俺がそう演出して交流している他人からすれば理解に苦しむことに思えるし、何より役者にとってそれを喝破されることはまるで舞台袖まで観客から丸見えである

          2024/3/17

          今日はなんだか気分がいい。俺は今の場所での暮らしが自分の才能の使い方、俺が本当にやりたいことからズレていることを知っていた。気づいていた。だけど楽しかった。これでなおかつ自分のやりたいことをここで出来るならそんな器用なことはないと思っていた。事実俺なら出来ると思っていた。具体的には、イボガエルのような事を同じように札幌でも、東京でもやって、あんな作品を作っているのに、本人は自給自足とか共生というか自治村というか、そういう世界で生きているらしいなんて、とってもかっこいいじゃない

          どら焼きを食べながら 2024/3/6

          時間だけが進んでいく感覚。焦燥感を掻き立てる。気がついたら三日くらい経ってる。一日がとにかく短い。ぼんやりしていたらもう終わっている。たとえば、歴史の教科書に載ってるみたいな重要なイベントとか、戦いとか合意だとか会議だとか、そういうのが、今自分が過ごしているみたいな一日の間で起こったということが何やら新鮮に驚きを与える。これまで当たり前に出来ていたことができない。今は車とかバイクの運転すら自信がない。人に気を遣えない。MACは開くことが出来た。ようやく気持ちを吐き出すという営

          どら焼きを食べながら 2024/3/6

          2024/3/1

          あれからもう二ヶ月も経ってしまった。あまりに辛いことが多すぎた。 きっとこんな悲しいことは二度とないと信じたいから、僕はせめて表現者として文字で気持ちを残そうと年明けから思っていたけど、出来なかった。正直今だって、自らの心を締めつけて引き絞ってそこから滴る血液をなすりつけているみたいにつらい。今回の出来事とその感情について、僕はつらいとか悲しい、しんどいくらいしか言葉を持たない。色々知識は溜め込んできていたと思っていたけど、難しい言葉とか入り組んだ表現は、特に必要ないみたい。

          アイ ウィル

          人の行き交う街の真ん中で 僕は強烈なひとりぼっちを感じた 楽しそうな若者の話し声も きっと助けを求めれば話くらいは聞いてくれそうなおばさんも 僕のひとりぼっちを際立たせているだけだった ああ昨日まで 世界は僕の手の中にあると思っていた ああ今日は すべてが僕につらく当たる ああ明日は せめて明日まではと歯をくいしばって 今日を生きた先にしか存在せぬのか せめて明日までは せめて明日までは 時の流れが僕を癒しても 一度くじけたこの胸は もう二度と晴れ晴れしないだろう 昨日ま

          申し込み 2023/12/18

          17:44。シェアハウスの自室。仕事が終わって帰ってきて、何かみかんを取りながら自分のマインドセットがやたらとうまく行って、色々気分が高揚して色々申し込んだ。まずはビリージョエルの来日ライブの抽選。秋前に完全に出遅れて応募もできなかったがここに来て追加抽選。当たりたいな。僕は前職の社内ニックネームがビリーだったし、それ以降の人間関係では大体ビリーで名乗っているから就職の友達には当たり前のようにビリーと呼ばれていることは大学までの知り合いにあまり有名ではない。そんな自分がビリー

          申し込み 2023/12/18