Yoshimi Taketomi

Yoshimi Taketomi

マガジン

  • ムービー・オージー・クロニクル

  • 武富倉庫 Taketomi Warehouse

    学生時代からこれまで自宅や実家、そしてレンタル倉庫にため込んできた色々。 2022年12月、レンタル倉庫が閉鎖されてしまったため、新たな倉庫に引っ越しを行ったが、その際に(再)発見されたあれやこれやを記録していくスペース。

  • ミクシィ日記アーカイブ

  • 落造形

    落書きのように、パパッと小麦粘土をこねて作ったブツ。

記事一覧

ムービー・オージー・クロニクル その5

『ムービー・オージー』が全米に広がっていったという話 その4はこちら 長編映画数本と、ダンテとデイヴィソンが集めた"ネタ"フィルムを繋ぎ合わせ、1本の"映画”に近づ…

Yoshimi Taketomi
1か月前
3

ムービー・オージー・クロニクル その4

『ムービー・オージー』がフィラデルフィアから飛び出したという話 その3はこちら 前々回、前回と「「キャンプ・ムービー・ナイト」こそが『ムービー・オージー』の種と…

Yoshimi Taketomi
1か月前
1

ムービー・オージー・クロニクル その3

『ムービー・オージー』はそもそも"映画"ではなかったという話 その2はこちら 前回はダンテが学内で上映イベント「キャンプ・ムービー・ナイト」を開催し、それが『ムー…

Yoshimi Taketomi
1か月前
9

ムービー・オージー・クロニクル その2

『ムービー・オージー』のルーツは連続活劇にあったという話 その1はこちら 1910年代頃から流行した連続活劇という映画の上映形式がある。15分〜30分ほどの短編を毎週1章…

Yoshimi Taketomi
2か月前
3

ムービー・オージー・クロニクル その1

『ムービー・オージー』が生まれる前の話 2024年2月3日、国立映画アーカイブでジョー・ダンテ監督の『ムービー・オージー』(The Movie Orgy)がめでたく日本初上映となった…

Yoshimi Taketomi
2か月前
2

Don't Panic

昨年末、倉庫の引越しをして、色んな物を新しい倉庫に移動したり、不要な物を処分したりしてるんだけど、ここ数ヶ月は作業も止まったまま。まだまだ本やDVDが山積みになっ…

4

#7 AKIRA絵コンテ集1・2

AKIRA絵コンテ集1・2 大友克洋 著 講談社 絵コンテ集1:1988年7月16日第1刷発行 1988年8月16日第2刷発行 絵コンテ集2:1988年8月12日第1刷発行 定価:各1,500円 初めて…

11

5,000円で広げた行動範囲

生まれも育ちも那覇で、特に成人前はあまり市外には縁がなかったワタクシなのです。なにしろ車の免許を取ったのが30歳過ぎだったし、原付の免許でさえ20歳過ぎてからだった…

3

#6 Spies Like Us / Paul McCartney

Spies Like Us ポール・マッカートニー 12"シングル、45 RPM 1985年発売(UK) 前回書いた「Girl From Ipanema Goes to Greenland」と一緒にレンタルレコード店で買った中…

1

#5 Girl From Ipanema Goes to Greenland / The B-52's

Girl From Ipanema Goes to Greenland The B-52's 12"シングル、45 RPM 1986年発売(US) 前回「マルクス兄弟のおかしな世界」を書いたとき、レンタルビデオについてちょっ…

1

#4 マルクス兄弟のおかしな世界

マルクス兄弟のおかしな世界 THE MARX BROTHERS AT THE MOVIES ポール・D・ジンマーマン 著 中原弓彦・永井淳 訳 晶文社 1972年12月15日初版 1987年4月30日 9刷 定価:1,…

1

私はバカになりたい

「末は博士か大臣か」なんて今どきは使わない言葉ですかね。 小さい頃はマンガ家になりたいとか思ってましたが、その夢を忘れた後は一体何になりたいと思うようになったん…

4

#3 DVD ウォルト・ディズニー/ウィリス・オブライエン作品集

Hollywood Club 幻の洋画劇場 ウォルト・ディズニー/ウィリス・オブライエン作品集 発売:日立インターメディックス株式会社 企画:株式会社 シーアンドエー 提供:株式会…

2

#2 ソフビキット ウルトラマン

1/150SCALEソフトビニールキット ウルトラマン Cタイプ 海洋堂 / 原型製作:田熊勝夫 1980年代、僕の住む沖縄県那覇市でプラモデルを買おうと思ったら、おもちゃ屋、デパ…

3

#1 発狂した宇宙

発狂した宇宙 WHAT MAD UNIVERSE フレドリック・ブラウン 稲葉明雄 訳 ハヤカワ文庫SF 222 昭和52年1月15日発行 昭和55年12月31日 9刷 定価:360円 中学生頃から…

4

ゆっくり考え、すばやく行え

実家から今の家に引っ越す際に、収まりきらない荷物をレンタル倉庫に預けておりました。 荷物と言っても、プラモデルや本、DVDにレコード、LD、カセットテープにビデオデッ…

2
ムービー・オージー・クロニクル その5

ムービー・オージー・クロニクル その5

『ムービー・オージー』が全米に広がっていったという話

その4はこちら

長編映画数本と、ダンテとデイヴィソンが集めた"ネタ"フィルムを繋ぎ合わせ、1本の"映画”に近づいた『ムービー・オージー』だが、これで完成というわけではなかった。相変わらず新しい"ネタ”を追加・削除したり、順番を入れ替えたりすることはもちろん、微妙なタイミングの調整も可能になったことで、ダンテは編集テクニックを磨きつつ、これま

もっとみる
ムービー・オージー・クロニクル その4

ムービー・オージー・クロニクル その4

『ムービー・オージー』がフィラデルフィアから飛び出したという話

その3はこちら

前々回、前回と「「キャンプ・ムービー・ナイト」こそが『ムービー・オージー』の種となった」とか「このライブパフォーマンスこそが『ムービー・オージー』の始まり」などと書いたが、実は最初の『ムービー・オージー』の日付は記録が残っていない。
『ムービー・オージー』というタイトルが使われた年も1966年なのか67年なのかは不

もっとみる
ムービー・オージー・クロニクル その3

ムービー・オージー・クロニクル その3

『ムービー・オージー』はそもそも"映画"ではなかったという話

その2はこちら

前回はダンテが学内で上映イベント「キャンプ・ムービー・ナイト」を開催し、それが『ムービー・オージー』の種となったというところまで書いたが、その続きに行く前に一旦《キャンプ》という考え方について触れておきたい。

《キャンプ》とは、アメリカの作家・スーザン・ソンタグが1964年に発表したエッセイ「《キャンプ》についての

もっとみる
ムービー・オージー・クロニクル その2

ムービー・オージー・クロニクル その2

『ムービー・オージー』のルーツは連続活劇にあったという話

その1はこちら

1910年代頃から流行した連続活劇という映画の上映形式がある。15分〜30分ほどの短編を毎週1章ずつ公開し、翌週は続きのエピソードを公開、約15章で完結するというもので、数多くの作品が作られた。『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ』は連続活劇の影響を強く受けたシリーズだ。毎回主人公に危機が訪れ、絶体絶命の所で終了

もっとみる
ムービー・オージー・クロニクル その1

ムービー・オージー・クロニクル その1

『ムービー・オージー』が生まれる前の話

2024年2月3日、国立映画アーカイブでジョー・ダンテ監督の『ムービー・オージー』(The Movie Orgy)がめでたく日本初上映となった。
日本ではまず観ることができないと思われていた作品の初めての(もしかすると最後かもしれない)上映だったこと、無料上映ということもあっただろうが、チケット予約開始からわずか10分ほどで300席ほどの会場が埋まった状況

もっとみる
Don't Panic

Don't Panic

昨年末、倉庫の引越しをして、色んな物を新しい倉庫に移動したり、不要な物を処分したりしてるんだけど、ここ数ヶ月は作業も止まったまま。まだまだ本やDVDが山積みになってる状態なんですよねー。
処分する基準は<もう読み返したり観返したり聴き返したりする機会はなさそうなモノ>という風にビシッと決めているのです。
決めてはいるんだけど、何年もしまい込んでた小説を処分しようと取り出してみると、ついついもう一度

もっとみる
#7 AKIRA絵コンテ集1・2

#7 AKIRA絵コンテ集1・2

AKIRA絵コンテ集1・2

大友克洋 著
講談社
絵コンテ集1:1988年7月16日第1刷発行 1988年8月16日第2刷発行
絵コンテ集2:1988年8月12日第1刷発行
定価:各1,500円

初めて大友克洋のマンガを読んだのはいつだっただろう。
普段は「少年ジャンプ」などの少年漫画誌を読んでいたけど、少しずつ守備範囲を広げて青年誌もちょくちょく読むようになった頃、たまたま立ち読みした「ヤン

もっとみる
5,000円で広げた行動範囲

5,000円で広げた行動範囲

生まれも育ちも那覇で、特に成人前はあまり市外には縁がなかったワタクシなのです。なにしろ車の免許を取ったのが30歳過ぎだったし、原付の免許でさえ20歳過ぎてからだったんで、那覇からコザまで行くとすればバスしかなかったあの頃は狭い世界で過ごしてたワタクシでした。
たまーに家族や、両親のやってたお店の従業員たちと一緒にお出かけなんかした機会には、ライカム(地名)近くのステーキハウスだとか、宜野湾あたりの

もっとみる
#6 Spies Like Us / Paul McCartney

#6 Spies Like Us / Paul McCartney

Spies Like Us

ポール・マッカートニー
12"シングル、45 RPM
1985年発売(UK)

前回書いた「Girl From Ipanema Goes to Greenland」と一緒にレンタルレコード店で買った中古盤。

当時はロクにビートルズを聴いてなかったし、ソロ作品となるとなおさらだったんだけど、そんな自分がなぜこのレコードを買ったかと言えば、ジョン・ランディス監督の映画『

もっとみる
#5 Girl From Ipanema Goes to Greenland / The B-52's

#5 Girl From Ipanema Goes to Greenland / The B-52's

Girl From Ipanema Goes to Greenland

The B-52's
12"シングル、45 RPM
1986年発売(US)

前回「マルクス兄弟のおかしな世界」を書いたとき、レンタルビデオについてちょっと触れたけど、そういえばレンタルレコード店というのもあった事を思いだした。
個人的にはレンタルレコード店はほとんど利用はしてなくて、時々友人について行ったくらいしかなかった

もっとみる
#4 マルクス兄弟のおかしな世界

#4 マルクス兄弟のおかしな世界

マルクス兄弟のおかしな世界 THE MARX BROTHERS AT THE MOVIES

ポール・D・ジンマーマン 著
中原弓彦・永井淳 訳
晶文社
1972年12月15日初版 1987年4月30日 9刷
定価:1,800円

1980年代、レンタルビデオ店がポツポツと現われはじめた頃。
趣味の合う友人とは休み時間や放課後にレンタル店の情報交換をよくしていたものだった。
彼の家からは少々遠い住

もっとみる
私はバカになりたい

私はバカになりたい

「末は博士か大臣か」なんて今どきは使わない言葉ですかね。

小さい頃はマンガ家になりたいとか思ってましたが、その夢を忘れた後は一体何になりたいと思うようになったんだろう?

今、「○○になりたい」か問われれば、
「私はバカになりたい」と…。

「いや、なりたいとかじゃなくて、おまえ昔からバカじゃん」
と言われたら反論出来ないけど。
それこそ寅さんに「よぉ!相変わらずバカか!」と声をかけられるタイプ

もっとみる
#3 DVD ウォルト・ディズニー/ウィリス・オブライエン作品集

#3 DVD ウォルト・ディズニー/ウィリス・オブライエン作品集

Hollywood Club 幻の洋画劇場 ウォルト・ディズニー/ウィリス・オブライエン作品集

発売:日立インターメディックス株式会社
企画:株式会社 シーアンドエー
提供:株式会社 モーションプロ
HIM-A010 税別3,480円

いつどこで買ったかも思い出せないが、『キング・コング』('33)や『猿人ジョー・ヤング』('49)などで知られる人形アニメーションのパイオニア、ウィリス・オブラ

もっとみる
#2 ソフビキット ウルトラマン

#2 ソフビキット ウルトラマン

1/150SCALEソフトビニールキット ウルトラマン Cタイプ

海洋堂 / 原型製作:田熊勝夫

1980年代、僕の住む沖縄県那覇市でプラモデルを買おうと思ったら、おもちゃ屋、デパート、文具店等に行けば良かったが、当時広まってきたガレージキットを売っている店は自分の行動範囲では見つける事が出来なかった。
ガレージキットどころか、模型専門店さえほぼ無かった(1970年代のスーパーカーブームの頃に

もっとみる
#1 発狂した宇宙

#1 発狂した宇宙

発狂した宇宙 WHAT MAD UNIVERSE

フレドリック・ブラウン 稲葉明雄 訳
ハヤカワ文庫SF 222
昭和52年1月15日発行 昭和55年12月31日 9刷
定価:360円

中学生頃から意識してSF作品を読むようになった当初は星新一、筒井康隆の短編が主だったが、徐々に長編にも手を出すようになった。
同時に、海外作品も読むようになり、この「発狂した宇宙」もその頃に読んだ一冊だったよう

もっとみる
ゆっくり考え、すばやく行え

ゆっくり考え、すばやく行え

実家から今の家に引っ越す際に、収まりきらない荷物をレンタル倉庫に預けておりました。
荷物と言っても、プラモデルや本、DVDにレコード、LD、カセットテープにビデオデッキ、パソコン等々、中学生時代からため込んだあれやこれやを1畳ほどのスペースに山積みにしてたんです。
良く言えば、僕自身が歩んできたり学んできた記憶のアーカイブ。悪く言えば食い散らかしてきたモノの残りというか。

そして10年以上、その

もっとみる