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ムービー・オージー・クロニクル その5
『ムービー・オージー』が全米に広がっていったという話
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長編映画数本と、ダンテとデイヴィソンが集めた"ネタ"フィルムを繋ぎ合わせ、1本の"映画”に近づいた『ムービー・オージー』だが、これで完成というわけではなかった。相変わらず新しい"ネタ”を追加・削除したり、順番を入れ替えたりすることはもちろん、微妙なタイミングの調整も可能になったことで、ダンテは編集テクニックを磨きつつ、これま
ムービー・オージー・クロニクル その4
『ムービー・オージー』がフィラデルフィアから飛び出したという話
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前々回、前回と「「キャンプ・ムービー・ナイト」こそが『ムービー・オージー』の種となった」とか「このライブパフォーマンスこそが『ムービー・オージー』の始まり」などと書いたが、実は最初の『ムービー・オージー』の日付は記録が残っていない。
『ムービー・オージー』というタイトルが使われた年も1966年なのか67年なのかは不
ムービー・オージー・クロニクル その3
『ムービー・オージー』はそもそも"映画"ではなかったという話
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前回はダンテが学内で上映イベント「キャンプ・ムービー・ナイト」を開催し、それが『ムービー・オージー』の種となったというところまで書いたが、その続きに行く前に一旦《キャンプ》という考え方について触れておきたい。
《キャンプ》とは、アメリカの作家・スーザン・ソンタグが1964年に発表したエッセイ「《キャンプ》についての
ムービー・オージー・クロニクル その2
『ムービー・オージー』のルーツは連続活劇にあったという話
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1910年代頃から流行した連続活劇という映画の上映形式がある。15分〜30分ほどの短編を毎週1章ずつ公開し、翌週は続きのエピソードを公開、約15章で完結するというもので、数多くの作品が作られた。『スター・ウォーズ』や『インディ・ジョーンズ』は連続活劇の影響を強く受けたシリーズだ。毎回主人公に危機が訪れ、絶体絶命の所で終了
ムービー・オージー・クロニクル その1
『ムービー・オージー』が生まれる前の話
2024年2月3日、国立映画アーカイブでジョー・ダンテ監督の『ムービー・オージー』(The Movie Orgy)がめでたく日本初上映となった。
日本ではまず観ることができないと思われていた作品の初めての(もしかすると最後かもしれない)上映だったこと、無料上映ということもあっただろうが、チケット予約開始からわずか10分ほどで300席ほどの会場が埋まった状況
Don't Panic
昨年末、倉庫の引越しをして、色んな物を新しい倉庫に移動したり、不要な物を処分したりしてるんだけど、ここ数ヶ月は作業も止まったまま。まだまだ本やDVDが山積みになってる状態なんですよねー。
処分する基準は<もう読み返したり観返したり聴き返したりする機会はなさそうなモノ>という風にビシッと決めているのです。
決めてはいるんだけど、何年もしまい込んでた小説を処分しようと取り出してみると、ついついもう一度
#7 AKIRA絵コンテ集1・2
AKIRA絵コンテ集1・2
大友克洋 著
講談社
絵コンテ集1:1988年7月16日第1刷発行 1988年8月16日第2刷発行
絵コンテ集2:1988年8月12日第1刷発行
定価:各1,500円
初めて大友克洋のマンガを読んだのはいつだっただろう。
普段は「少年ジャンプ」などの少年漫画誌を読んでいたけど、少しずつ守備範囲を広げて青年誌もちょくちょく読むようになった頃、たまたま立ち読みした「ヤン
5,000円で広げた行動範囲
生まれも育ちも那覇で、特に成人前はあまり市外には縁がなかったワタクシなのです。なにしろ車の免許を取ったのが30歳過ぎだったし、原付の免許でさえ20歳過ぎてからだったんで、那覇からコザまで行くとすればバスしかなかったあの頃は狭い世界で過ごしてたワタクシでした。
たまーに家族や、両親のやってたお店の従業員たちと一緒にお出かけなんかした機会には、ライカム(地名)近くのステーキハウスだとか、宜野湾あたりの
#6 Spies Like Us / Paul McCartney
Spies Like Us
ポール・マッカートニー
12"シングル、45 RPM
1985年発売(UK)
前回書いた「Girl From Ipanema Goes to Greenland」と一緒にレンタルレコード店で買った中古盤。
当時はロクにビートルズを聴いてなかったし、ソロ作品となるとなおさらだったんだけど、そんな自分がなぜこのレコードを買ったかと言えば、ジョン・ランディス監督の映画『
#3 DVD ウォルト・ディズニー/ウィリス・オブライエン作品集
Hollywood Club 幻の洋画劇場 ウォルト・ディズニー/ウィリス・オブライエン作品集
発売:日立インターメディックス株式会社
企画:株式会社 シーアンドエー
提供:株式会社 モーションプロ
HIM-A010 税別3,480円
いつどこで買ったかも思い出せないが、『キング・コング』('33)や『猿人ジョー・ヤング』('49)などで知られる人形アニメーションのパイオニア、ウィリス・オブラ
ゆっくり考え、すばやく行え
実家から今の家に引っ越す際に、収まりきらない荷物をレンタル倉庫に預けておりました。
荷物と言っても、プラモデルや本、DVDにレコード、LD、カセットテープにビデオデッキ、パソコン等々、中学生時代からため込んだあれやこれやを1畳ほどのスペースに山積みにしてたんです。
良く言えば、僕自身が歩んできたり学んできた記憶のアーカイブ。悪く言えば食い散らかしてきたモノの残りというか。
そして10年以上、その