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#4 マルクス兄弟のおかしな世界

マルクス兄弟のおかしな世界 THE MARX BROTHERS AT THE MOVIES

ポール・D・ジンマーマン 著
中原弓彦・永井淳 訳
晶文社
1972年12月15日初版 1987年4月30日 9刷
定価:1,800円

マルクス兄弟の本と言えばこれ!

1980年代、レンタルビデオ店がポツポツと現われはじめた頃。
趣味の合う友人とは休み時間や放課後にレンタル店の情報交換をよくしていたものだった。
彼の家からは少々遠い住宅街の中にポツンとある店で、どう考えても海賊版のビデオがあったなんて話も聞いたなあ。

そんな彼とバスター・キートンの話題で盛り上がっていた頃、クラシックコメディが見たくなり、あちこちのレンタル店を回っては「新作入荷」のコーナーには目もくれず、コメディコーナーの端っこの方からめぼしい作品をチェックしたりしたもんだった。
それまでキートンやチャップリン、ロイドの短編作品は時々NHKで放送されていたが、マルクス兄弟となるとここ沖縄では見るチャンスは無かった。

しかしある時彼から「ひめゆり通りの店にマルクス兄弟があったぞ!」と情報をもらい、早速借りてみた。『我輩はカモである』(Duck Soup '33)だ。

これにはやられた。
キャラクター、動き、スピード、そして笑いがどれもこれも狂ったパワーで溢れまくってる。すげぇ。
そこからマルクス兄弟にハマったものの、なかなか全作品を置いているレンタル店は見つからず(当時全作品がビデオ化されてたかどうか分からないが…)少しでも彼らの事を知りたくて、この本を買ったというわけだ。

マルクス兄弟の映画について知りたいなら、絶対に外せない一冊だとおもうし、長い間(ちょっと大きめの本屋なら)いつでも手に入るくらいポピュラーな本だったと思うのだが、どうやら今は絶版のようだ。今ではマルクス兄弟の映画は全て観られるようにはなってるけど、逆にこういう研究書が手に入りにくい状況なのね。

できることなら新しい研究書が出版されると嬉しいんだけどな。
個人的には初期に撮られたという短編『Humor Risk』(’21・未公開)や、サルバドール・ダリが脚本を書いたという『Giraffes on Horseback Salad』(未制作)についての情報が知りたいんだよなあ。

2019年に出版された『Giraffes on Horseback Salad』のグラフィックノベル。


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