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読書メモ

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noteで記事にまとめる前の簡単な読書メモです。A4用紙や付箋紙(75mm×75mm)に描いたマインドマップ付き。
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記事一覧

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』25

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』25

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 6哲学的批判

ケドゥリーによるサッチャー批判

マーガレット・サッチャーの保守政権

高等教育向けの公的資金改革
→「実績指標」を大量に要する内容

政治理論学者のエリー・ケドゥリーが、この計画を痛烈に批判する

「効率」をスローガンのもとにどんでもない不正行為が行われている、と断言

大学はビジネスではない

説明責任の急速な前進

その後

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』24

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』24

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 6哲学的批判

科学主義

フリードリヒ・ハイエク

合理主義者:「見せかけの知識」と呼んだ

社会主義者による大規模な計画経済:「科学主義」と非難

計画は重要だが、特定のニーズに応えたり、新たな目標を生み出したりする、起業家的発見の芽を潰してしまう

測定執着の中核にある定量化可能な目標への固執
→ソビエト的システムの本質的結果の複製

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』23

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』23

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 6哲学的批判

測定基準の両側に批判者がいる

左翼マルクス主義者
→測定基準は脱熟練の促進

システムに従属する者たちの機能や経験の価値の引き下げ

疎外の促進

合理主義者の幻想

保守派や古典的自由主義者思想家たちによる「測定としての説明責任」(ハイエクなど)

知識の形を2つに区別

抽象的で定式化されたもの

より実践的で暗黙に了解さ

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』22

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』22

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 5プリンシパル、エージェント、動機づけ

外的報酬と内的報酬

外的報酬だけで考えるのは単純すぎるし、内的報酬にのみ突き動かされると思うのも甘すぎる
→どんな場合に、これらの動機が最も効果を発揮するのか?

内的モチベーションの「クラウディングアウト」
→金のためにやっているとほのめかされて、自尊心を傷つけられてしまう

実際、プリンシパルはエ

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』21

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』21

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 5プリンシパル、エージェント、動機づけ

ニュー・パブリック・マネジメント

1980年代から、エージェント理論的な考えが、営利企業から政府機関・非営利組織にも広がっていった
→「もっとビジネスらしく」機能すべきで、そうしていないのが問題、と主張した

政府機関・非営利組織には価格設定の仕組みがなかったため、ビジネスらしくするには困難があった

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』20

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』20

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 5プリンシパル、エージェント、動機づけ

専門知識が非難を浴びていたとき、民間企業も株主より経営陣の利益を優先したとして非難の的になった

プリンシパル=エージェント理論

組織、経営者、従業員の目的のギャップに注意を向ける

従業員は監視・測定されなければならない

その測定は、組織について直接的な知識を持たない人間にも明確でなければならない

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』19

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』19

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 4なぜ測定基準がこれほど人気になったのか

その抗しがたい魅力

もう一つの要素
→情報技術(IT)の広がり

スプレッドシート急速な普及
→数字の集計や操作が簡単になった

スプレッドシートの強みは数字であり、数字で容易に具体化できる側面だけが強調される(=無形の要素は、そう簡単に定量化できない)

データを集める機会が増えたこと、それにかか

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』18

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』18

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 4なぜ測定基準がこれほど人気になったのか

組織の複雑さの中でのリーダーシップ

定量化可能な測定を推し進めた経済的な力

組織が大きく多様になっていくなかで、組織のことをすべて把握するのは不可能

測定は限定合理性(時間や能力が限られた中で判断を下したり、過剰な情報を処理したりしなければならない)に対処し、人が理解できる以上の物事に向き合うた

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』17

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』17

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 4なぜ測定基準がこれほど人気になったのか

コスト病

医療と教育における説明責任のもうひとつの原動力
→これらのサービスの相対的なコストがほとんどの消費財にかかるコストに比べて高くなったこと

コスト病(ウィリアム・ボーモルとウィリアム・ボーウェンが初めて提唱)

医療や教育など、同等の人的サービスのコストが、高止まりし、どんどん突出していき

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』16

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』16

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 4なぜ測定基準がこれほど人気になったのか

専門職批判と選択の神聖化

非営利部門(政府、学校、大学)には、成功や失敗を測る手段がない、という信念が生まれた
→この解決策として、標準化されたプロセスでの「客観的な」測定という形を取った代替的な純損益を創り出した

「科学」に基づくとされていた専門的診療にばらつきがあることや、実績の差があるという

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』15

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』15

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 4なぜ測定基準がこれほど人気になったのか

主たる問い

測定文化、説明責任、透明性の有効性との隔たりはどう考えればよいのか?

測定基準はこれほど欠点があるのに、どうしてこれほど人気なのか?

判断への不信感

信頼が失われるにつれ、測定された説明と透明性への要求が高まっていく

数値的測定基準は、透明性があり客観的である印象を与える

階級

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』14

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』14

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 4なぜ測定基準がこれほど人気になったのか

管理主義と測定

物質主義バイアス(ルトワック):無形の人的要素(戦略やリーダーシップなど)よりも、インプットと有形のアウトプット(火力など)を測定することを目的としたもの

ルトワックが批判したことの大部分は、アメリカ国内外の幅広い組織に伝染しようとしていた

測定執着のひとつの方向性:経営コンサル

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』12

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』12

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 3測定および能力給の成り立ち

実績を測定する ― テイラー主義

科学的管理法

1911年、フレデリック・テイラーが提唱

工場における銑鉄の製造工程を構成要素ごとに分け、それぞれの作業について標準的なアウトプットを決めた

作業の分業化と標準化、すべての行動の記録と報告、金銭的なアメとムチを、テイラーと彼の弟子たちが残した

テイラー主義

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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』11

【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』11

読んだ本読書マインドマップ読書メモPartII 背景 3測定および能力給の成り立ち

測定基準の暴挙は、どうして起こったのか?

能力給の期限の一部

ヴィクトリア朝時代のイギリスの政策決定者たちが最初に思いついた

自由党議員ロバート・ロウが提案した政府から学校への財政援助

マシュー・アーノルドは、ロウの計画に反対した

市場向きの基準を暮らしのほかの領域にまで拡大することに対して常に警告を発

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