【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』20
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読書メモ
PartII 背景 5プリンシパル、エージェント、動機づけ
専門知識が非難を浴びていたとき、民間企業も株主より経営陣の利益を優先したとして非難の的になった
プリンシパル=エージェント理論
組織、経営者、従業員の目的のギャップに注意を向ける
従業員は監視・測定されなければならない
その測定は、組織について直接的な知識を持たない人間にも明確でなければならない
金銭的な報酬や懲罰が「エージェント」にとって最も効果的な動機づけの方法
エージェントが実際何をしているのかを、プリンシパルは知りたい
そのため、以下の2つのことを組織は行わなければならない
上層部は部下の活動情報を提供すること
エージェントとプリンシパルの関心を一致させられるような報酬制度を考案すること
経営についての専門書は、経営は明確な目標を設定するということであり、監視と動機づけを行うことだとした
→経営は、情報と報告のシステム、巧妙に構築された報酬に依存している
感想
測定が客観性を重視する体を装いながら、実は、株主や経営者側からの不信感によるものであるということがわかりました。
組織に測定が導入する前がどういう状態で仕事をしていたのかを知らないのですが、測定が導入される以前と以後でどのような変化が起きたのかも知りたいと思いました。
金銭による報酬も、「貢献度や仕事の質を数字で評価・表現したもの」といえそうです。しかし、その数値化は正当なものなのか、「シャドーワーク」「エッセンシャルワーク」とされている仕事をみると、考えさせられるものがあります。
また、金銭による報酬は、数字化されることで、他との比較も可能になります。金銭的な報酬の額が、仕事の価値(とそれを行う人間の価値)のように考えられてしまうのも、測定の負の側面であるように思いました。
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