207.私は「正真正銘の役立たずだ」と思った件。
17才の時、高校を中退して、精神病院の入院を経て一人暮らしを始めました。
はじめての一人暮らしは、女子学生しか入居できないセキュリティーのしっかりしたマンションでした。日中は管理人さんが受付に常時いますし、もちろんオートロック。部屋は6畳一間の1Kです。隣も、隣も女子学生。なにかあれば筒抜けです。
そんな環境での暮らしぶり、学生生活の様子はこちらをご覧ください(^_^)
『精神疾患の子』であった当時の私が、この女子学生専用マンション(14階建て位だったと思うのです。ひとつのフロアに4~5部屋?細長い造りでした。)で友達をつくることができました。
当時、流行していた盛りに盛ったヘアスタイルで出勤するギャルでキャバ嬢の『A美』。
朝方に酒やけで声を枯らして帰ってくるA美に、おかゆを作って待っていたものでした。
おかゆを喜んでくれて、休みの日はいっしょにスウェット姿で外食して、楽しかったのですよ。
(精神的に)飾らない自然体な彼女の前では、私もそのままの自分で居られましたし、彼女が私のことで踏み込んでお節介をしたり、ということがなかったので、そっとしていてくれるところも楽で、くったくなく笑う彼女が好きでした。
そんなA美が、ある日、自分の部屋で火事(ボヤ?)を起こします。
電気ストーブをつけたまま寝てしまったそうです。
掛け布団がストーブにかかり…。
私が彼女の部屋へ行ったときには、部屋中が真っ黒!!
煤だらけ。
煤だらけの部屋にまず気をとられましたが、その部屋のなかにA美が居ました。
放心状態。
憔悴しきっている様子。
きっと私が来たことにも気づいていない、
A美のお母さんだと思います、
女性に寄り添われるかたちで、その表情のまま、A美は部屋を出ていきました。
あんなに良くしてもらっていたのに…
いつも明るくて優しいA美…
大好きなA美がピンチな時に、
こんな時に、
「私、なにも出来なかった。」
なにも声をかけることができず、
手も足も出すことができなかった自分。
そんな自分に絶望したことを覚えています。
***
絶望だなんて、大げさ?
大げさでしょうか。
当時、17才の私にとって、その位ガンとくる出来事でした。
大事に思っていた人の役に立てなかったこと、その時なにも出来ない自分だったことに「ガンときた」のです。
役に立ちたかった。
役立たずな自分が嫌だった。
悲しかった。
「肝心な時に、なにもできなくて、ごめん。」
***
私のなかにその気持ちがあるので、なおさら、今は人の役に立てることが嬉しいです。
喜びです。
人の役にたてた!と実感できる瞬間、それは魂が喜ぶ!!そんな感じがしています。