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【要約】なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか? 読書記録6

なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?

岡崎大輔


アメリカ留学中に訪れたいくつかの有名美術館に展示されているアート作品を目の前にして、「他人は何を感じているのだろうか?どのような見方をしているのだろう?」と気になったことがきっかけで、検索から目に留まった一冊。

僕は中学生になりたてくらいの時から、「美術が好き」で、周りより「少しだけ得意かもしれない」ということに気付き始めた。

作品を作る過程の、あの、誰からも話しかけられずに自分の中で自分が納得するまで試行錯誤しながら、終わりの見えないゴールに向かってひたすら作品と向き合う。

そして、それなりに納得感をもって作品が完成した時のあの余韻に浸る時間。

これらの時間が、僕が「美術が好き」な理由なのではないかと認識している。

でもその「美術が好き」というのは「アート作品を作る」という行為が好きなだけで、中学の時によく授業中にやらされた「鑑賞会」は全く好きとは言えなかった。

ただ、ここ最近、美術館が身近にあったということがきっかけで「鑑賞」を積極的に行うようになった。
(アメリカの国内を旅行していると、有名な都市にはだいたい有名な美術館があることから、「せっかくこの都市に来たならこの美術館に行くか」という流れで美術館を訪れる機会が増えた)

本書ではアート作品をどのように「鑑賞」するのかという、実践方法について詳しく述べられている。

のと同時に、「鑑賞」によってどのような力が身につくのか、についてもかなり触れられており、アートの語源はラテン語で「ars(アルス)」=「生きる術」、つまり、アート鑑賞によって身に付けることができる力は「生きるという過程すべてにおいて生きる力である」という話になっていた。

「アート鑑賞が生きる術」なんて壮大な話、、、と思った方もいるかもしれないが、たしかに様々なことに応用可能な力を養うことができる、と思えるような納得感のある説明の仕方をされている。

また、「正解がない問いに主体的に取り組み、自分なりの答えを導き出す能力」はまさに現代に必要とされる重要な一能力であり、ここについての言及もなされている。

読み終えた頃には、今すぐ美術館に行きたくなることでしょう。

アートとは縁がないけど興味はある人、美術館でほかの人たちは何を考えているのだろうと思っている人、広義の「生きる術」を身に付けたい人、などには大変おすすめの一冊となっている。

気になった方はぜひ。

では、また。


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