22. 止まらない涙と辞められない仕事。

入社して7年目に差しかかろうとしていた。

相変わらず異動することもなく、担当替えも起きそうにない。

我慢強さだけでやってきた私にも、とうとう限界がきていた。
頭痛が止まなくて、眠りも浅くなった。漸く眠りについても、朝にはひどい頭痛で目が覚めた。

家を出て会社に着くまでの間は、ずっと涙が止まらなかった。
会社に着くとできる限り表情を動かさないように、感情を出さないようにして過ごす。少しでも悲しい、楽しい、と感情が動いてしまうと、それによってまた涙が出てしまうからだ。一度泣き出したら止まらないのは分かっていた。せめて会社にいる間だけでも、泣かないでいたかった。心配されるのも嫌、誰に話を聞いて欲しくもない。静かに一日を終わらせたい。そればかり考えていた。

会社を出ると、その瞬間からまた泣いた。電車やホームで、知らない人に何度となくハンカチやタオルをもらった。
ライブ活動を続けていたのがせめてもの救いで、それ以外は家に帰っても頭痛に苦しむだけ。ちょうどその頃付き合っていた人も私の不安定さに堪えかねて連絡が取れなくなり、苦しみは倍増した。

・奨学金の返済が終わるまでやめられない
・次にやりたいことができるまでやめない方がいい

というのがずっと頭の片隅にあって、ずるずると決断先延ばしにしてきたのだが、そんなことは言っていられないくらい追い詰められていた。

おそらく今やめたら私はすぐに転職することはできないだろう。組織への恐怖心が強過ぎて、転職活動をする気力もない。

となるとやっぱり借金を残して辞めるのはだめだ。今の家賃を払いながら奨学金を返済し続けられるはずがない。

ここまで追い詰められてもなお、私の頭の中は生活の心配をしていた。

当時は退職金がもらえることも分かっていなくて、財形貯蓄をしていたのも大した金額ではないと思っていたので、逡巡は終わらなかった。

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