31.私はどんな仕事がしたかったのか?①

高校生の頃、イベンターとして企画運営をしたときは「自分の考えたことで人が集まるなんてすごい!」という感動でいっぱいだった。

それまでの人生で「勉強」「学校」という枠の中でしか評価されなかった自分が、一気にその枠から抜け出て認められた感じがしたからだ。

大学生の頃ライブハウスで働いたのは、もっとたくさんのイベントに関わりたいと思ったから。実際、たくさんのイベントを見て、その空間の一部になることができた。何より、都内で有名なライブハウスで働けることを誇りに思っていた。

誤算は、そのライブハウスの規模が大きかったこと。
規模が大きければ大きいほど、仕事は分業化する。私の仕事は受付とドリンクカウンターが主で、企画やアーティスト本人と関わることはほとんどなかった。
私の思い描いていたライブハウスの仕事=企画できるというイメージには程遠く、だんだん「このままでいいのか?」という疑問が浮かぶようになった。

ライブというのがアーティストから始まってお客さんに届く流れは、だいたい下記のような感じである。

アーティスト

事務所

イベンター・プロモーター

プレイガイド

ライブハウス・会場

お客さん

お客さんに近付くほど、アーティスト側のいわゆる「企画」と言う行為からは離れていき、決められたことを実現する仕事を求められるようになる。

大学生の私は、「もっと上流を見なければ」と思った。
だからライブハウスを離れて、イベント会社に就職した。「企画」に近づきたかった。

就職して最初の部署は、アーティストや事務所とやりとりをする、まさに「企画」に携わる仕事だった。感動と誇りを持ち合わせていた。しかし、「企画」することが目的になってしまった私には「なんの企画で」「どんなことを」やりたいのか?と言うことが抜けてしまっていた。自分の意志のなさや力不足を感じた。

その後、異動になってプレイガイドの仕事をした。イベント業界の中ではあるが、プレイガイドの仕事は流通や管理といった側面が強かった。企画性よりも決められたことの実現を求められることの方が多かったと思う。チームで仕事をしていると、誰に責任があるのか分からなくなることもあり、それが一番のストレスだった。自由がない。周りに縛られる。人の顔色を伺う。調整するたびに目的から遠ざかっている気がする。向いていないな、と思った。

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