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子どもの詩

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自分の子どもに育てられている大きな子どもの詩です。 子どもの掛けがえのない今を残しておきたいから作ります。いつかのあなたに届くといいな。
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2020年11月の記事一覧

♯子どもの詩 ある晴れた休日

♯子どもの詩 ある晴れた休日

あなたがまっすぐ線を引いた
もういろいろ描かれた紙の上が
さらに埋まっていく

もう冬のようで
暖かい日差しと
冷たい風が
混じっている
そんな昼下がり

あなたはパパを待っている
あなたのご飯を買いに出掛けたパパ

大きく風が吹いた
あなたの短い髪が大きくなびいた
風を振り切るように
あなたは立ち上がる

あなたは
走り出した
もう待っていられなくて
靴も履ききっていないまま

どこにいるかわか

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♯子どもの詩(エッセイ風絵本用) いつも大好き

♯子どもの詩(エッセイ風絵本用) いつも大好き

「いつも大好き」

あなたのその言葉が嬉しすぎて
私は思わずあなたを抱きしめた

そしてあなたの言葉を繰り返すようにして
私があなたに返した時
あなたも私の言葉をなぞるようにして
またその言葉を私にくれた
そうして何度もその言葉を二人で繰り返したね

あの日は日曜日で
あなたを私の大好きな場所へ連れ出した

朝ご飯を食べるのも
待っていられなくて
すぐに家を飛び出した

お腹が空いたのも忘れて

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♯子どもの詩 ある休日の朝

♯子どもの詩 ある休日の朝

私はもうとっくに起きているのに
苦しいくらいあなたは顔を
私の顔に
くっつけてくるから
私はまだ起きることができない

無理やりくっつけた顔と顔の間は
温かい

目を瞑ると
さっき見ていた夢を思い出せそうで
でもやっぱり思い出せなくて

諦めて
あなたの寝顔を見たいと思ったけど
顔と顔がくっつく距離では
それもできなくて

あなたの寝息に耳を澄ませる

規則正しく聞こえてくるあなたの寝息を聞きなが

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※絵本(字のみ) あなたには今、何が見えているの?

※絵本(字のみ) あなたには今、何が見えているの?

※「もしいつか生き方に迷った時に、私の声が届かないくらい悩んでいる息子に届けたい言葉」を想定して作りました。

自分にとっての意味を追いかけて
やっと追いつけたと思ったら
それはまったく違っていて

しばらくしたら
また自分にとっての別の意味を見つけていた
今度は追いかけようかどうか迷っている

でも結局追いかける
だって待っているだけではそれが本当かどうかも分からない

だからまた追いかけて追い

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♯子ども いま何が見えるの?

♯子ども いま何が見えるの?

ある日のあなたが忘れられない

真っ青な空の中を
ヘリコプターが泳いでいる

それを見つけたあなたは
ただヘリコプターだけを見て
全速力で追いかけた

私はあなたが誰かにぶつかったり
転んだりしないか心配だったんだけど
そんな心配は必要なかった

あなたは誰かにぶつかることも
転ぶこともなく
ただ前へ前へと進んでいった

迷うこともなく突き進んでいったあなたには
いま何が見えるの?

さっきいた場

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