クラフトビールバーでお試し店長してみた。
――飲食を提供することだけがサービスというわけではないってことを改めて感じました。ちなみに、僕は、二次会で来てくれた3人のうちの2人に自分の本を手売りすることができました。コミュニケーションを取って、本の魅力を伝えて、その一連のコミュニケーションに価値を感じてくれたから購入しようと決めてくれたのです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「クラフトビールバーでお試し店長してみた。」というテーマで話していこうと思います。
📚クラフトビールバーでお試し店長
先月僕の知り合いの宮田さんがクラフトビールバーを開きました。上水戸にある「The FAVORITE」というワーキングスペースを夜だけ借りて営業しているんです。で、昨夜のことになりますが、そのクラフトビールバーでお試し店長をやってみました。
宮田さんの本業は近くにあるゲストハウスのオーナーなので、飲食店の経営は単純にやってみたかったからやっている感じなんです。とりあえず自分で時間を割いて、金土日の3夜だけオープンしている状況なんですね。
実際に1カ月経営してみて、売り上げがすごい立っているわけでもないし、集客は難しいし、宮田さん自身はゲストハウスのオーナーをしながらだし、できれば少しずつ誰かに任せて、自分の本業の宿泊施設の拡大を重点的に進めたいらしいんです。
そんななか、宮田さんが僕に声をかけてくださって、「お試し店長やってみない?」と誘ってくれました。別に僕は飲食店やバーをやりたいわけではないけれど、場所づくりには十分に興味があったから、二つ返事で引き受けることにしました。
以上のような流れで、昨夜、お試し店長をすることになったんです。初回を昨日にした理由は、「The FAVORITE」が会場のイベントがあったからでした。
今話題のジブリ最新作「君たちはどう生きるか」についてみんなで語り合う「対話の夜会」があったのです。一応、僕も運営側にいて、事前に日時や場所を把握していました。実はこのお試し店長の話が入ってきたときには、既にイベントを「The FAVORITE」で開催すると決まっていて、確実に一定数の参加者が見込めるから、この日にお試し店長をしようと思ったのです。店を回そうと思っても、お客さんが来なければ仕方がありませんからね。
そんなこんなで一夜だけ宮田さんと一緒にお店を回すことになったんですが、たくさんの実りや気付きがありました。今日はそんなことを共有すると共に、僕がぼんやり考える「The FAVORITE」の使い方を綴っていこうと思います。
📚提供するのは飲食だけじゃない
僕は今、結婚式のバイトをしていますし、以前に飲食店でバイトしたこともあったので、サービスや配膳について無知というわけではありませんが、それでも昨夜は普段気付かないところに気付いたり、得られない学びを得たりすることができました。
昨日、お客さんが全員で10人いらっしゃったんですが、そのうちの8人は僕の知り合いでした。そもそもイベントが開催されていたので当然といえば当然なんですが、そのうえ急遽知り合い3人が二次会で来店してくださったので、ほとんど知り合いという状態になりました。ちなみにですが、いつもそんな感じです。いつ行っても、誰かしら知り合いがいるんです(笑)
それ自体は別に悪くないんですが、特筆したいことが、「The FAVORITE」に来るその知り合いたちは、おいしい料理を食べに、おいしいお酒を呑みにきているというよりも、知り合いがいるコミュニケーションの場所に価値を感じて通っているってこと。
それは、お客さん同士に限らず、店員対お客さんもそう。よく知り合っている仲だからこそ、余計なストレスが生まれないし、みんなでお店の雰囲気を楽しもうとする姿勢がみられる。普通にグラスを下げてくれることもあるし、僕や宮田さんに気軽に声をかけてそこから会話が始まったりもする。
もちろんもっとお客さんが入ったらその分ゆとりはなくなるし、知り合いだからこそそのあたり円滑に事が運んでいるのかもしれないけれど、飲食を提供することだけがサービスというわけではないってことを改めて感じました。
ちなみに、僕は、二次会で来てくれた3人のうちの2人に自分の本を手売りすることができました。コミュニケーションを取って、本の魅力を伝えて、その一連のコミュニケーションに価値を感じてくれたから購入しようと決めてくれたのです。本は1冊1000円で手売りしているので、分かりやすく数値化すれば、それぞれが1000円の価値を見出してくれたというわけです。
それで回るほど経営は簡単じゃないし、ちっぽけな価値だけど、無視していいことではないと思っていて、さっきもいいましたが、改めてサービスとは何かを考えさせられました。
📚「The FAVORITE」をどう利用するか
①ジブリ飯
あと、気付きでいうと、BGMって大事だなってこと。今回の「対話の夜会」は『君たちはどう生きるか』について語るので、お店のBGMをジブリソングメドレーにしたんです。久石譲さんの温かなメロディーが、店内の雰囲気にとてもマッチしていて、満足度が高かったんです。
というのも、実は、「The FAVORITE」は築90年の古民家をリノベーションしてつくられた場所。写真を見てなんとなくお分かりだと思いますが、木の温かみを感じられる優しい内装なんですね。ジブリ味を感じる雰囲気があるからこそ、そこに必要なのは流行りのJ-popでも洋楽でもなく、丸く、優しい音で構成された音楽だと思うのです。
それを思ったときに、僕が「あ、これやりたいかも」と思いついたのは、ジブリ飯のイベントでした。
ジブリ映画の魅力のひとつに「食」があります。ジブリの登場人物たちの食べっぷりがいいせいか、食べ物がやけにおいしく見えるんですよね。「ジブリ飯」というワードが生まれるくらいにひとつのカテゴリーとして定着していて、それを提供する空間があれば興味を持ってくれる人は少なくないんじゃないかと考えました。そして、それをやるのにふさわしいのが「The FAVORITE」ではないかと。木造の開放的な空間でこそ開催すべきイベントだと思うからです。
②ビブリオ
あともうひとつ良さげだなと思ったのが、ブックバー。本を読むというよりかは、「本を通して人と関わる場所」のイメージです。
以前「The FAVORITE」に初めて来店した知り合いが、「ここでじっくり本を読むのいいかも……」という声がありました。確かに、カフェっぽい雰囲気はあるし、静かな場所にあるから、豊かな読書の時間になりそうです。
ただ、飲食店である以上、複数人で来店したお客さんはしゃべるし、さっきもいったようにコミュニケーションの場所に価値を見出すこともあるので、黙々と読書する場所として打ち出していくのは難しそう。ならば、本を通して人と関わる場所があったらいいんじゃないかと思い至りました。
そういえば僕には、このプランに転用できる僕の要素がありました。
「ビブリオ」です。
僕は高校時代からビブリオバトルの公式戦に参加していました。ビブリオバトルとは、自分のお気に入りの本を5分間で紹介する書評合戦のことです。大学生になっても続けていて、これまでに2回、全国大会の舞台に立つことができました。あだ名がビブリオになったこともあったし、人よりも本を紹介する力には長けていると自負しているし、「ビブリオ×バー」を僕がやる意味がある。
さらに、会場となる場所の名前は「The FAVORITE」。「お気に入り」の本を紹介する場所にふさわさい店名です。
いろんな人の、いろんなお気に入りの本が集まる場所は、本好きの人にとって価値のあるものだし、本を通して人と関わることができるので、コミュニケーションの場所としての価値も発生する。そんなことを思いました。
「ジブリ飯」にしろ「ビブリオ」にしろ、とりあえず単発イベントとして実験してみることが優先かもしれません。またやりたいことが増えちゃったな(笑) 進捗状況はまた共有します。最後まで読んで下さりありがとうございました。
20230807 横山黎
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