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謎を通して人間を描きたい

ーー米澤穂信さんの『遠まわりする雛』とか、本多孝好さんの『dele』とか、東野圭吾さんの『悪意』とか、そういった作品が僕の大好物。どの作品もミステリーでありながら、人間や青春、生と死を描いているんです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「僕は謎を描きたいんじゃなくて、謎を通して人間を描きたい。」というテーマで話していこうと思います。


📚早朝始発の殺風景

今日は仕事が休みだったのでずっと創作にまつわることをしてきました。GW忙しすぎて投稿できていなかったnoteの記事を連投したり、今度の謎解きイベント用の物語をつくったり、それに関係のあるような音楽を聴いたり、ドラマを観たり......。

まとまった時間があったので、ようやく落ち着いてドラマを観ることができたんです。今日観たのは「早朝始発の殺風景」。青崎有吾さんの小説が原作の連続ドラマで、WOW WOWで放送されていました。プライムビデオでも観れることを知ったのが今日で、ちょうど青春もの、えもい系の物語を求めていたので観ることにしたんです。

いやぁ、これがまた良い作品なんだ。

全部で6話構成でまだ4話しか観てないんだけど、見応えは充分にあって、やっぱり僕が好きなのはこういう作品なんだよなぁと再認識することができました。

『早朝始発の殺風景』は連作短編集の形をとった青春ミステリー。表題作は、始発の電車で学校へ登校する同じクラスメイトの男女の会話劇。どうして相手は始発に乗っているのか、をお互いに探り合っていくというストーリーです。

伏線もさりげないし、話の展開にも無理がない。論理的で、でもちゃんと人間を描いているんです。僕が特に好きなのはそれでして、青春ミステリーと謳っているんだけれども、ちゃんと人間ドラマ、青春ストーリーが描かれている点にすごく惹かれるんです。


📚ミステリーが好きだけど

前回も似たような記事を投稿しましたが、僕は謎解き自体は好きなんです。ミステリー小説も、探偵アニメも、刑事ドラマも好き。そういうものに育てられてきたといっても過言ではありません。ただ、謎ばかりこだわってドラマがなかったり、あまりに現実的じゃない展開だったりすると、心の距離が遠のいてしまうんです。

なんでその謎が生まれるのか、その謎を解くことでどんな心情の変化があるのか、あるいは主人公が成長するのか。そこに僕は目をつけがちで、謎を通して人間が描かれている作品には大いに惹かれるというわけです。

米澤穂信さんの『遠まわりする雛』とか、本多孝好さんの『dele』とか、東野圭吾さんの『悪意』とか、そういった作品が僕の大好物。どの作品もミステリーでありながら、人間や青春、生と死を描いているんです。

今回紹介した『早朝始発の殺風景』もまさにそれで、どうしてその謎が生まれるのかも触れているし、謎を解くことで登場人物たちの関係が進んだりする。また、人が死なないいわゆる「日常系のミステリー」ということもあり、すごく身近に感じるほど現実的なんですよね。


📚謎を通して人間を描く

さて、最近謎解きの話題にしているのは、今度謎解きイベントを企画しているからです。「Mito escape」という謎解きサークルを運営している友達のしゅんちゃんと、僕の職場でもある木の家ゲストハウスを舞台にした謎解き体験を提供するサービスを始めようと考えているんです。

最近はそれで頭がいっぱいで、せっせと物語を練っている状況なんですが、意識しているのはちゃんと人間が描けているかどうかってこと。しゅんちゃんのつくったイベントにも参加したことがあって(というよりテストプレイをいつもやっている)、物語のある謎解き体験を楽しんできたわけですが、正直人間が描けているかといわれたら微妙なところでした。

謎のための物語になっているような気がしていて、成長もなければ、ぐっと心掴まれる部分も特にない。もちろん楽しいし魅力はあるんだけれど、謎解きの展開やギミックに依存している印象があるんです。

したがって、せっかく僕が関わるならそこをどう補強していくかが大事になってくるなぁと端から考えていました。まだ完成はしていませんが、大幅の流れはできていて、なかなか良い物語になりそうです。謎が生まれる理由もあるし、謎解きを通して人間を描くことができている。僕好みの物語に仕上がりそうです。

タイトルは『花火の幽霊〜木の家ゲストハウスからの脱出〜』。忘れられない大切な人を思い出す青春恋愛ミステリーです。また話が進んだら共有しますね。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

20240516  横山黎


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