![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127292635/rectangle_large_type_2_38a24fef6b8b6fb53fdbb0869e6dfd71.jpeg?width=800)
記念日を大切にしたくなる。
――「記念日を大切にする」「20歳の年の成人の日を大切にする」という姿勢は、「本来何の意味も価値もないものを特別視して、そこに物語をつくろうとする」と言い換えることができ、僕みたいに作家を名乗る人の生きる姿勢ともいえるし、人生をより豊かにするための術ともいうことができるんです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。
今回は「記念日を大切にしたくなる。」というテーマで話していこうと思います。
📚記念日を大切にしたくなる
僕は記念日を大切にしたくなる人です。突然何の話をするんだと思われたのでしょうが、僕は記念日が好きです。
中高生の頃から記念日をよく気にする人で、記念日にはできるかぎり付き合っていた人と一緒にいたいと思ったし、半年記念日には残るものが欲しくてふたりで買いにいったり。1年記念日ともなると僕にとっては一大事で、どこへ行こうか、何を贈ろうか、よく考えていたものです。だから、中3のときにもうすぐ1年記念を迎えた相手が風邪を引いてしまって、当日を一緒に過ごせないと分かったときだいぶ落ち込んだものです。
クリスマスとかに付き合わない限り、たいていの記念日は、他の人たちにとって何でもない日です。本人たちにとっては特別大切なものであるけれど、まわりの人からしたら前日や翌日と変わらない一日なんですよね。
だからこそ、僕は記念日が好きなんです。その人にだけ、その人たちにだけ物語があるわけだから。
さっき紹介した、僕が中高時代に付き合っていた人は、1月29日が記念日でした。閏年じゃなかったから1カ月記念日が実質なくなってしまったことを覚えています。1月29日という記念日は、国民の祝日でもなければ何かのイベント事が開催されるような日でもありません。
僕と彼女にとって、特別な1日だったんです。付き合い始めたはじまりの日という物語のある日だったんです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127292693/picture_pc_891c085eff5ae7d70c1b937b930fa1ae.png?width=800)
📚成人の日が物語を持つ日
そういえば、ちょっと前に成人の日がありましたね。このnoteでも成人の日について語る記事がたくさん見受けられました。ステキな時間を過ごせたみたいで何よりです。
前節で触れたような理由で、僕は自分が20歳の年の成人の日をものすごく大切にしました。成人の日に物語が生まれるのは、自分が20歳の年のその日だからです。19歳でもなければ21歳でもない。20歳の年の成人の日こそが、いちばん意味を持ち、価値を持ち、物語を持つんです。
一生に一度の機会をないがしろにしてはいけない。そんな焦燥感から、僕は成人の日を思う存分楽しんできました。高田馬場の一室で急遽開催することになった同窓会、幼馴染たちと朝まで呑み語り合ったカラオケ、早朝の池袋の路上……一生残り得るような輝いた時間が、僕の成人の日にはありました。
そう思えるくらいに充実したのは、僕が充実させようという気持ちでいたから。今年の成人の日は一生で一度の特別な日だという意識があったから。僕はそう振り返っています。
急に哲学的なことをいいますが、この世のすべてには意味がないじゃないですか。この世には本来、価値も物語もないんです。そこに意味、価値、物語を見つけている存在がいるから、この世には意味や価値や物語があると認識することができるんですよね。
時間という概念を定めたから、時間は存在するし、みんなが拠り所にするほど意味や価値が生まれるわけです。この日を記念日にしようとふたりで決めたから、そのふたりにとって意味や価値が生まれるわけです。
そう考えると、「記念日を大切にする」「20歳の年の成人の日を大切にする」という姿勢は、「本来何の意味も価値もないものを特別視して、そこに物語をつくろうとする」と言い換えることができ、僕みたいに作家を名乗る人の生きる姿勢ともいえるし、人生をより豊かにするための術ともいうことができるんです。
📚イベントの日程にも物語を
風呂敷を広げてしまいましたが、何でもないものを特別視することは結構大切なことだと思っていて、何事にも通じる普遍的な考え方だといえます。
それこそ、今度僕は「BOOK TALK LIVE ”桃太郎”」というイベントを開催するんです。ひとつのテーマのもと、本にまつわるエピソードを物語っていくブックトークを、会場を借りてトークイベントとして開催していきます。テーマは「桃太郎」。日本人なら誰もが知っている「桃太郎」の、あんまり知られていない物語を1時間かけて物語っていきます。
「昔の桃太郎は桃から生まれない」とか「日本最初の長編アニメーション映画は桃太郎」とか「柿太郎というパロディが存在した」とか、あんまり知られていないけれど、とっても興味深い物語を、「桃太郎」は抱えているのです。僕の卒業研究が「桃太郎」だったこともあって、だいぶ詳しくなれたので、面白いように語っていくつもりです。
さて、そのイベントの日程なんですけれども、2024年3月3日(日)に設定しています。察しがつく方もいらっしゃるかもしれませんが、この日に設定したのは「桃の節句」だからです。
「桃太郎」のイベントだから「桃の節句」という安直な話ではあるんですが、「桃」だけが共通しているわけではなくて、実はそれ以上のつながりがあるんです。
そもそも、「桃の節句」に桃の花を飾るのは、無病息災を願って邪鬼を払うためとされています。古代中国から桃は神聖な果物とされていて、悪霊払いの効果があるといわれているんです。実はその教えが日本に伝わって、古事記で伊邪那岐が桃の実を投げて黄泉の国の従軍を追い払ったシーンにつながっているし、桃から生まれた男児が鬼を退治する「桃太郎」の物語にもつながっています。
「桃の節句」をイベントの開催日にすることで「桃太郎」にまつわる物語を生むことができるし、「3月3日は桃の節句」という文化が定着しているから、参加者がイベントの日程を忘れにくくさせることもねらえます。
何でもないものを尊く見つめて特別感を付与することは、いろいろメリットがあるよねという話でした。ということで、今年の桃の節句は予定を開けておいてください。特に、開催場所である茨城大学近くにお住まいの方は特に。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20230111 横山黎
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?