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【教育論】魅力的な言語活動とは

――僕の中で出た答えは「ワイドショーとかニュース番組を模した授業をする」でした。生徒一人一人がコメンテーターとなって自分の考えを語り合います。教師がやるのはMC。発言権を渡したり、意見を求めたり、場を回す役割を果たせばいいのです。



人生は物語。
どうも横山黎です。

今回は「魅力的な言語活動」というテーマで話していこうと思います。


◆悩み続ける教育実習


普段は創作に関する記事を投稿しているんですが、実は僕は教育学部に所属していて、現在絶賛実習中の身でございますので、教育に関する記事を投稿しています。


さて、前回、教育にはやっぱりエンタメが必要だよねという話をしました。

授業をするためには学習指導案をつくらなければいけません。僕は全部で5時間の単元を扱うことになったのですが、昨日まで全体の見通しが立っていました。しかし、指導教員から生徒の主体性を尊重するためには楽しくなきゃだめだよねという話を聴き、「もう一回やり直しさせてください!」と言うに至りました。

面白くなきゃ生徒は前のめりにならない。そんなことはずっとずっと前から分かっていたことですが、いざ実習が始まって授業づくりをしてみて失念していました。それを改めて突き付けられ、僕は「ひゃー」となりました。
#ひゃー


『森には魔法つかいがいる』という説明文を担当するんですが、前半で内容の理解や論理の展開の把握、後半で魅力的な言語活動を行うことになりました。元々言語活動は設定していたんですが、より魅力的にしようということになったのです。


ちょっと具体的にいうと、本文の内容を受け、自分の考えを書き、それを他の生徒たちと共有し、自分の考えを確かなものにするのを目標としていて、「他の生徒たちと共有する」ための言語活動を魅力的にしたいと考えているわけです。

僕のイメージとしては、教師が司会者となって生徒たちの討議を回している感じです。それを面白くするためにはどうすればいいのか、そのなぞなぞを解かなければいけません。

昨日も夜遅くまでうーんと唸っていたんですが、なかなかいい案は浮かびませんでした。結論の出ないまま重い瞼を閉じて、朝早く起きて弁当をつくって実習先の中学校に出勤。午前中に時間があったので、ノートを広げて再びうーんと唸っていました。


午前中にひとつ思い付いたのが、「世界一受けたい授業」のシチュエーションですね。あらゆるジャンルの先生が面白い情報や役に立つ学びを提供して、ゲストの芸能人は生徒役として話を聴き、くりいむしちゅうの上田さんとか堺正章さんが司会者として場を回す番組ですよね。

先生=自分の考えを発表する生徒
ゲストの芸能人=話を聴く生徒
司会者=教師(僕)

こんな風に置き換えた言語活動を展開しようと考えていました。

しかし、この活動には問題点があります。「先生役の生徒の負担が増えること」「今の中学生は世界一受けたい授業を知っているのか(観ているのか)」「知っていたとしてもそのパロディって面白いのか」などです。

面白さを追求しているのに、面白さを見失っては元も子もありません。いくらパロディとはいえそのパロディ元を知らなければ意味がありませんし、かえって知らない番組んパロディに付き合わせれて退屈にさせてしまう事態が起こりかねません。

中には面白いと思って取り組んでくれる人もいるでしょう。しかし、40人近い生徒を相手に授業を展開するわけですから、少人数のために強行突破はできません。学校の授業で面白いことをするとなると、クラスメイト全員の共感を呼ばなければいけないのです。


以上のような理由で、「やっぱり違うなあ」と考えを改めました。とりあえず放課後に指導教員に相談しよう、と決めました。

教科指導の時間になり、僕は指導教員に相談を持ち掛けました。返答はすぐに返ってきました。僕はその返答を聴いて、3秒考えて、「あ、それだ」となりました(笑)


◆授業でニュース番組をやる


結論からいうと、ニュース番組とかワイドショーをクラスでやるイメージです。


指導教員から言われたのは「コメンテーターとかどう?」でした。僕は瞬時に自分の中に落とし込みます。

前半にも述べましたが僕が重きを置きたいのは、「他者と共有するための言語活動」です。あれこれ語り合い、教師が場を回すのが基本的な流れです。つまり、ニュースキャスターとか先生とか教育系YouTuberのように「伝える」がメインではないんですよね。「語り合う」が前提の言語活動を考えなければいけません。かつ、パロディをするならクラス全員が認知しているものでなければいけない。


3秒後、僕の中で出た答えは「ワイドショーとかニュース番組を模した授業をする」でした。

生徒一人一人がコメンテーターとなって自分の考えを語り合います。教師がやるのはMC。発言権を渡したり、意見を求めたり、場を回す役割を果たせばいいのです。机の配置もみんな黒板に向いているんじゃなくて向かい合わせとかにしたら面白そうですね。

生徒たちがコメンテーターになりきるためにどうすればいいのか、そのあたりのしかけはこれから考えなければいけませんが、なかなか面白い授業になりそうです。


◆魅力的な言語活動


最後に、魅力的な言語活動とは何かまとめておこうと思います。

①生徒が主体的になれる活動。
②全生徒が共感できる活動。
③少しレベルが高い活動。

こんな感じでしょうか。①、②はこれまでに述べてきた通りです。③に関して補足しておきます。

中学1年生の題材ですから比較的やさしめな説明文でした。筆者の言いたいこともすぐに分かるはずです。つまり、生徒からしたら話の内容は分かり切っているので内容整理に時間をかけても生徒はつまらないだけというわけです。生徒のモチベーションを高めるためには、少しレベルの高い活動が求められます。

教科書から少し離れて自分で調べてみて考えを整理したり、コメンテーターになったつもりで他の生徒と意見を交換したり、簡単ではない、考えなければいけない活動を行うことで、生徒の学習意欲は向上するのです。これも指導教員が教えてくれました。


もっともまだ実践していないので今回僕が紹介した言語活動が魅力的かどうか、面白いかどうか、結論を急ぐことは早計です。しかし、「ワイドショーとかニュース番組をやる感じでどうですか?」と訊ねたら、指導教員は「いいじゃん。面白いじゃん」と言ってくれたのでそれなりの保障はあると思います。ベテランの教師ですから。


最後の授業は一斉研究授業といって、大学の教授陣や好機に実習のある大学生たちが観覧しに来ます。「そうきたか」「面白い」と思わせられるような授業を展開していければ本望といったところです。

もちろん、教師の力量次第で、もっと面白くすることもできるし、企画を殺すこともできます。しっかりと準備して、必ず成功を収めたいです。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20220902 横山黎




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