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TANKA

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現代短歌。過去や現在や未来のことを文字にする。漫然とだらだら書きたくなかったので、「素材:キャンバスにアクリル絵具」のような括りを文字の表現にも設けたいと思った。
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2020年11月の記事一覧

現代短歌 《灰色の今》

現代短歌 《灰色の今》

じたばたと転げ回って表情を変え続けても驚かぬ君

あなたにはどんな姿に見えている諦めずしがみつく私の影

愛される自信がなくて月影にうつして薄目で見る臆病ゆえ

こわいんだあなたに何処かへ行かれたら居場所持たない寂しさを見る

雨よ降れいつまでも降れこの場所で選択肢奪う口実となれ

ふられれば安心するのかこの心拒否され嫌われるのには慣れたよ

痛くない胸の奥へと突き刺さる棘の大きさ気付きたくない

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現代短歌《どうにもならぬ日々》

現代短歌《どうにもならぬ日々》

「あの時にこうしておけば」と言う人と「あの時」すら無かった己の日々

後悔をしない道選び歩んでも生まれた時代(とき)は変更が効かず

私には普通のことが分からないあなたの邪魔にはなりたくなくて

いつまでも手放すことが出来なくて遂に形にして並べ始め

こんなにもたくさんの想い伝えたらあなたは重さに耐えられるかしら

この気持ち全てを明かす時までに私は幾度も更新(交信)を続け

夜を待ちわざと彷徨う

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現代短歌《空のむこうで》

現代短歌《空のむこうで》

あの女(ひと)もあなたもきっと真ん中でいつか出逢うわ星と瞬き

私にはなんの資格も無いのならせめて静かに願いだけを込め

甘い嘘それでも嬉しかったのさ外に出れない今年の夏が

間違ったことがこれほど嫌なのに根本から歪む己の想い

三角の点が消えたの一つだけ残った二点は繋がらないのに

幻が消えずに寧ろ愛おしくあなたの中に残る虚しさ

私には一体何が出来るでしょう繋がった先空のむこうで

自由まで奪

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現代短歌 《ただでは済まさない》

現代短歌 《ただでは済まさない》

長いモノ巻かれて巻かれてラクをして最後に自らクビ締めるだけ

真夜中に響き渡って何処へ行く男の下卑た笑い声たち

苛立ちも重なり続け変わりゆく油断狙った復讐の的

妖怪だ化け物だなどと罵られいいねなりたいお前らも潰す

お飾りが取り仕切ってても所詮嘘坊ちゃん君には何が出来るの

永遠にふんぞり返っていればいい誰も教えてはくれぬ可哀想

いい加減はずしたらどういつまでも昔の誰かの功績頼るな

私には

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