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高校の理科の先生へ🔍換気力学が示す科目の相互連携

皆さんこんにちは🐰
先週は専門学校の授業を受けながら…
高校の理科をちゃんと学ぶって意味ある!」という思いを改めて実感した週でした😲
高校では生物・化学・物理・地学がそれぞれ独立した科目ですね🍕
学校や学科・コースによって履修のパターンもいろいろだと思います!
ですが… 実際はすべてが重なり合っていて相互に深く関連しています!

今回は生理機能検査学のなかの呼吸機能に関する内容の一部を紹介します😍
呼吸ガス交換)なので…

  • 中学理科から「生物基礎」「生物」呼吸器 (主に肺) の構造呼吸のしくみガス交換酸素を使った細胞レヴェルでの呼吸ヘモグロビンといったタンパク質の生化学が出てきますね🫁

  • 「化学基礎」「化学」では空気の組成物質の状態の化学として気体の性質の諸法則 (ボイルの法則シャルルの法則) が出てきます⚗️

 ここまでは "呼吸" と聞いて理科の先生の頭の中で湧き出てくることと思います🧐
ではそこに「物理」に出てくる交流回路の考え方を加えてみましょう⚡
なぜ電気回路の話?と思われるかと思いますが…
物理の特徴に目の前の観察された現象を数式にしていくというものがありますね!
具体的な事象を抽象化するということで… 抽出した変数同士の関係を数式として表現することになります🗒️
呼吸の物理的過程を理解する中で "抽象化すれば似ている" から "別の分野の考え方を使ってみた" ということが起こります!
物理が苦手な方にはちょーっとハードだと思いますが理科を専門にするうえで最後まで見てください🥺

換気力学の3要素

ということで今呼吸機能検査の中に出てくる「換気力学」についてです!
(臨床検査の領域では学生の身分につき誤りがあったらやさしく教えて下さい)

改めまして換気力学呼吸の物理的過程を理解するための重要な分野です!
以下の3つの要素から成り立っています:

  1. 肺コンプライアンス(肺の伸縮性):肺がどれだけ容易に膨らむかを示す指標。肺組織の弾性を表します。

  2. 呼吸抵抗(空気の流れに対する抵抗):気道を通る空気の流れに対する抵抗を指し、気道の狭さや形状に影響されます。

  3. 気道抵抗(気流の加速と減速):気道内の空気の加速や減速に関連する抵抗。呼吸の速度や強さに影響します。

これらの要素を総合的に理解することで呼吸システム全体の挙動をより正確に捉えることができます!

呼吸システム

呼吸システムのダイナミックな挙動は交流回路のアナロジーを用いて表現されます🌱
呼吸システムのインピーダンス $${Z}$$ を考える際に(←インピーダンスという用語にビックリ)粘性抵抗 $${R}$$・弾性抵抗を表すコンデンサンス $${C}$$・そして慣性抵抗を表すインダクタンス $${L}$$ を用いて次のように表されます:

$${Z = R + \dfrac{1}{j\omega C} + j\omega L}$$

  • $${R}$$ は粘性抵抗 (気道を通る空気の流れに対する抵抗)

  • $${\dfrac{1}{j\omega C}}$$​ は弾性抵抗 (肺および胸郭の伸縮に伴うエネルギーの貯蔵と放出)

  • $${j\omega L}$$ は慣性抵抗 (気流の加速および減速に関連するエネルギーの動態)

  • $${j}$$ は虚数単位 ($${j=\sqrt{-1}}$$) (高校数学では虚数単位を $${i}$$ と書きますが電流と紛らわしいため)

  • $${\omega}$$ は角周波数 (呼吸サイクルの速度や周期に関連)

ここで高校の物理にも出てくる RLC 直列回路を見てみると… 
インピーダンス $${Z}$$ は抵抗 $${R}$$,インダクタンス $${L}$$,キャパシタンス $${C}$$ のインピーダンスの合成です!
RLC 直列回路の総インピーダンス $${Z}$$ は次のように表されます:

$${Z = R + j\omega L - \dfrac{j}{\omega C}}$$

  • $${R}$$ は抵抗の抵抗値 (オーム Ω)

  • $${\omega}$$ は角周波数 (ラジアン毎秒 rad/s) で $${\omega = 2\pi f}$$ ($${f}$$ は周波数 (ヘルツ Hz))

  • $${L}$$ はインダクタンス (ヘンリー H)

  • $${C}$$ はキャパシタンス (ファラッド F)

  • $${j}$$ は虚数単位

ここで あれ?なんか似てる!呼吸の話が物理の話になっていると気づかされました😲

なおインピーダンスを極形式で表すためには実数部と虚数部を使用して絶対値と位相を計算します!
総インピーダンスの絶対値 $${|Z|}$$ は次の式で与えられます:

$${|Z|=\sqrt{ R^2+{(\omega L-\dfrac{1}{\omega C})}^{2} }}$$

以上数式が並びましたが抵抗要素を理解することで…
呼吸過程における空気の流れに対する全体の抵抗,伸縮性,および運動エネルギーの影響一つの交流回路として表現しています!
吸って吐いての空気の流れが… 交流電源からの電流と思えば確かにそうなるかーと思わされるところでした!

最後に

今回の気づきは私にとって学び続ける価値を再確認する大切な瞬間でした!
学べる環境に感謝してこれからも学びを深めていきたいと思います🍀

高校生の皆さんへ!
理科の学びが時には難しく感じることがあるかもしれません!
生物・化学・物理のそれぞれがバラバラに見えることもあります!
ですが…
これらの科目が結びつくことで初めて深い理解が得られることがあります!
理科の "基礎" を学ぶことは物の見方や考え方を養いながら応用へと繋がること間違いなしです!
教える立場・学ぶ立場の両方にあって得た大きな気づきがこれです!

教育者の皆さんへ!
私たちの使命は "生徒たちに学びの価値を伝え,その興味を引き出し,理解を深める手助けをすること" が一つだと思います!
科目間の連携を示すことで学問の壁を越えた全体的な理解を促進することができます!
それぞれの科目の面白さや意義深さを情熱をもって生徒たちに体現できるか?
そのスタートラインがそうした面白さや価値を見出すことだと思います!
そんな大人たちの背中を見てきっと学ぶことの素晴らしさを実感する生徒がいるはずです!

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