日記

僕の鬱病療養日記③

※このnoteは、小中高大と全てで不登校を経験。その後、教育系のNPOで活動するなどしていたが、2019年3月末頃より、鬱病を再発した僕の療養生活を記録しているものです。
 とりとめもない療養生活の日常の記録とともに、この期間を利用して読んでいる本や、見た映画など、芸術と思われるものについての紹介をしています。
 僕と同じように鬱や引きこもりで悩んでいる方、またその身近にいる方々、もしくはそこまでではなくとも、心が疲れているなという方々に読んでいただければ幸いです。

日常。

2019年11月24日(日)朝9:00ごろ。

 今日も朝早く起きることが出来た。昨日ほどではないにしても6:00に目が覚めることが出来ていればそれで十分だ。それにしてもやはり朝が寒くなってきている。今日も6:00に起きたと言ったけれど、実際に布団から起き出したのは6:30を過ぎたぐらいだった。

 僕は朝目が覚めると、いつもまずはスマホを少しだけ触り、フェイスブックのタイムラインを眺め、5~10分ほどだけハマっているスマホのゲームをする。そうしているとだんだんと目が冴えてきて、2度寝を防ぐことが出来るのである。

 昨日は朝4:00と、あまりにも早すぎる時間に目が覚めてしまったので、起きた時点では、日が昇っていなかったけれど、今日はすでに明るくなり始めていたので、さっそく運動着に着替えて、陽の光を浴びるため、外に出かけた。今日は朝から散歩だけではなく、ランニングをしてみようと思う。大阪マラソンを走ったときに購入した、腰につけるポーチのようなものを装着し、そこにスマホを入れて、走りながらラジオを聞けるようにした。最近はずっと「Voicy」というアプリを使って、家事のときなどにもラジオを聞くようにしている。Voicyは鬱になる前から聞いていたのだけれど、そのときにはたまにしか聞いていなかった。今は毎日いくつかのチャンネルを聞いている。ルシュカさんの「英語でまなばナイト」という番組がとても勉強になる。あと声が好き。

 少し話がそれてしまった。とにかく、朝早起きして、近くの公園、1周約1kmのコースを2周ほどしてきた。公園の真ん中の広場ではおじさまおばさま方が、太極拳(のようなこと、詳しくはわからない)をやっていて、「おお、ここでもやっているのか」と、新しい発見があった。自分がおじいちゃんになったときに朝の公園で近所の人達とラジオ体操や太極拳をやるのが夢である。今でも出来るのだけれど、それはあんまり惹かれなくて、自分が歳をとってからああいったことをするのがいいのである。よくわからないこだわりだけれど。

 昨日と続いてまた紅葉についての話になるけれど、公園を走りながら周囲の木々に目を向けていると、昨日に比べて少し葉っぱが落ちてきていることに気がついた。「ああ、もうどんどん散り始めているのだな」という気持ちになりつつ、何気なく地面に落ちている葉っぱを見た。すると木についているときにはあれだけきれいに見える紅葉なのに、こうして落ちている葉っぱ一つ一つを見ていると、たしかにきれいではあるものの、1枚だけでは単に茶色っぽくなっているだけだったりして、そこまで感動しない。紅葉は単に1枚の葉っぱがきれいというよりも、そうした葉っぱが集まっている空間全体がきれいなのかなと思った。1枚1枚色が違っていて、赤だったり、まだ緑だったり、すでに茶色くなっていたり、そうしたグラデーションも含めて「美しい」のであり、1枚の葉っぱだけではそれほど美しくは感じないのかもしれない。まあ人の感性はそれぞれなので、これは僕だけの感覚かもしれない。もちろん、1枚の葉っぱだけを見て、美しいと感じる人もいるだろう。

 そしてもう一つ、落ち葉を眺めながら考えていたことがある。木々についている間は、あれだけきれいだきれいだ言われているにも関わらず、散り始めると、今度は、掃除をしなくちゃいけなくて、どこかじゃまもののように扱われるというところに、なんとも人間の身勝手さのようなものを感じた。落ち葉もきれいだし、もちろん「邪魔だ」というほどに感じているわけではないのだけれど、そのままにしておくと、雨の日には側溝に溜まってしまうため、片付ける必要がある。葉っぱは決して悪くないはずなのに。今書きながら思ったけれど、ああいった落ち葉は回収された後にどうやって処分されるのだろうか?ただ燃やされるのかな?それとも肥料や何かに変えられるのだろうか。

 そんなこんなで朝のランニングを終えて、帰宅。シャワーを浴びて汗を洗い流し、朝食を食べた後、いまこの文章を書いている。昨日とだいたい同じリズム。そしてまた、ここまでも文章を振り返ることもなく、推敲することもなく、気分のおもむくままに書いている。昨日もこんなふうに書いてみて、そして今日も書いて、今の自分にとってこうした時間はとても幸せだなと思う。久しぶりに書くことに没頭しているし、変に読まれることを意識することもないため、頭の中の言葉をスムーズに書き出すことが出来ている。

 本当はこんなことをしている場合なのかなという心配がないわけでもない。鬱から回復し始めて、ここまで日常をたんたんと過ごせるようになってきたのだから、そろそろ何か社会復帰に向けて動き出していかなければ行けないのではないかなとも思う。けれどまあ、文章を書いているのは楽しいし、これを止めたからといって、途端に自分がその時間を何かに使えるわけではないとも思うから、これはこれで楽しみとしてやりつつ、何か動き出すための助走のようなものとして書くことを続けられればと思う。文章を書くことはエネルギーを使うかもしれないけれど、心地よく書いていくこと、何かを生み出すことは、自分の中にエネルギーを作ることにつながるはず。と、やや言い訳じみている気もするけど。

読書と映画と、その他芸術と思われるものについて。

 三度の飯より本が好きとプロフィールに書いているほどに、毎日している読書と、趣味である映画鑑賞の中から、好きな作品・言葉を紹介するコーナー的なもの。ときどきその他芸術と思われるものについても紹介するかもしれません。

 今日は最近読んだ小説、西加奈子さんの「きりこについて」からある言葉を紹介します。

 こちらの小説、僕が読んだのは単行本の方なのですが、また最初にざっくりと内容を説明すると、「きりこ」と呼ばれる女の子の生まれてからの生活について、書かれたものなのですが、このきりこ、それはまあ周囲の人たちも驚くほどの「ブス」な子なのですが、両親は彼女のことを溺愛しており、本人自身はまったくもって自分自身が「ブス」であるということを気にもとめていない。そしてなぜか周囲の子どもたちもそれを指摘することもなく、むしろきりこはみんなからのあこがれのように、常に友達の中では中心にいる存在だった。けれど、外見を気にし始める思春期のころに、ある日あるクラスメイトの男の子から「ブス」とついに言われ、途端に周囲の子たちも離れていき、きりこは不登校になってしまう。最初は「どうして?」と思うきりこだけれど、その後日々を過ごしていくなかで、きりこが生きるうえで大切なことに気がつき始めていく。というものです。

 これは本当にいい作品。特に外見を気にしていたりする方や、思春期にいる人達にも読んでもらいたい。西加奈子さんの作品はこれまでに5冊ほど読んできたのですが、その中でも特に好きだなと思った作品の一つです。

 さて、本題の紹介したい言葉ですが、この作品の中に、きりこの友達の「ちせちゃん」という子が、男に無理やり性行為を迫られ、そのことを周囲の人たちに訴えかけるというシーンがあります。しかし、このちせちゃんは普段からいろんな男の人達と身体を重ねており、セックスが好きだと公言している。それがゆえに、周囲からは「自業自得だ、自分で自分の体を大切にしていないからだ」と言われてしまいます。いわゆる「セカンドレイプ」と呼ばれるものです。これについての是非等々はここでは書きませんが、そこできりこがちせちゃんにかけた言葉が僕にはとても響きました。

 ちせちゃんは、自分の体が何をしたいかをよく分かってて、その望むとおりにしてるんやから、それは大切にしてる、ていうことやと思う。自分のしたいことを、叶えてあげるんは、自分しかおらんと思うから。(単行本:p157)

  なんて力強く、救いのある言葉なんだろう、と僕は思いました。個人的な感想ですが、西加奈子さんの小説には「これ!」というバシッとした伝えたいメッセージのようなものが多い気がします。それはもちろん受け取る読み手によってもぜんぜん違うとは思いますが。

 周囲がなんと言おうと、自分の望むことをすることは自分を大切にしているということ。自分のしたいことを、叶えてあげられるのは自分だけ。それはきっと別に大きな目標や夢とかそんな大げさなものだけじゃなくて、食べたいものを食べるとか、自分だけが好きな歌手やアイドルのことを応援するとか、こんなことしてていいのかな?と迷いながらも文章をかくこととか。きっとそういった小さなことにも当てはまるんだろうなと。だから、学校に通うわけでもなく、働けているわけでもなく、周りから見たら全然ダメダメな僕かもしれないけれど、今はとにかく、自分の体がしたいと思うことをやっていければいいなと、そう思いました。

ぜひ皆さんも一読してみてください。おすすめの作品です。
もし「これ見て読んだ!」という方がいらっしゃれば、コメントで教えていただけると幸いです。

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