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「雑談はスキルだ!」心理カウンセラーによる話し方・聞き方講座

東京を拠点にメンタルカウンセリング・講師活動をされている心理カウンセラー・鈴木雅幸さんが、はじめて金沢を訪れて開催されたセミナーへ参加したときの講義録です。

人生を変える雑談スキル~話し方・聞き方講座~

セミナーの主催は「朝活@金沢」というコミュニティ。金沢市中央郵便局近く「石川県女性センター」の一室で開催されました。

セミナー受講の動機

普段、なにげなく、なんとなくしている「ような気がする」雑談。特に決まった話題や目的があるわけでもない場の、他愛のない会話、世間話。

案外できんなぁー!ワシ…

話が続かなくて間が保たない、あるいは会話のきっかけがつかめない。そういうことがよくあります。

大勢の人がいる飲み会などではあまり自分の話はしませんし、特に立食パーティーなんかでは会話の輪にろくろく入れない。ああいう場はめっぽう苦手。もっとも、会話の輪に入れないことだけが立食パーティーが苦手な理由ではないのですが…できる限り避けて脇を歩いて生きてきました(汗)。

別に立食パーティーの苦手意識を克服して得意にしようというつもりではありませんでしたが、もっと広い意味で、そもそも「雑談」ってどういうものなのだっけか? その本質がわかれば、会話もよりスムーズにできるというものでは?そう思って、参加してみたのでした。


雑談が苦手な人たちの証言(心理):

鈴木さんから多くの証言が紹介されました。

会話が上手い人と自分を比べて落ち込んでしまう。
自分の知らない話になると、どう会話していいのかわからない。
自分が会話にはいるきっかけがつかめない。盛り上がりの輪に入れない。1:多数、のように感じてしまう。
飲み会や交流会で、一人になる瞬間が嫌だ。昼休みや休み時間、それ自体が苦手、苦痛ということも同様。

などなど…。どれも、確かに...と思うところあること。

今でこそ、人見知りで初対面の人に自分から会話できない意識をかなり克服することができましたが、それでも未だにひしひしと感じるのは、紹介されたうちのこのあたりでした。

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自己肯定感が低くなる要因:

鈴木さんのカウンセリング経験を踏まえて、雑談の会話 ~自己表現~ が覚束なくなってしまう要因が端的に解説されました。その要因もまたいろいろと紹介されましたが、ここに集約されるように感じました。

自分の気持ちを大事にされる(わかちあってもらう)経験の不足

わたしたちは普段から、小さい頃から、わたしたちの都合を大切にされるようでありながら、都合を言ったら言ったで反故にされる、いわば「大人の事情」、「親の立場からの発想による論理や都合」、そういう強者の思惑を押し付けられる経験を重ねてきて成長してきたというケースが多いように思います。それで「何を言ってもきいてもらえない」という、無力な気持ちが根付いてしまう。

雑談がテーマの講義ですが、意外と人間の根深い問題があることを感じた、現実を知るという意味でとても心に響いたところでした。

わたしたちはほんとうに相手を尊重できているのか?

ここから問い直すところから始めないといけないのかと...

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雑談スキル習得に向けて:

会話をするときには、自分よりも相手のことを想うこと。相手をもてなす感覚で行くとよい、とのことです。なるほど…。

自意識によって自分のことが頭をよぎると、途端に相手の話が入らなくなる。数秒間でも相手の話が抜け落ちると、その先の会話が返せなくなる。
相手に強い関心を向ける。とにかく強く。聞き漏らさない。一言半句(一言一句というレベル以上に!)正確に聞く集中力をもつ。

それこそ、外国語で話されているときの如く。あるいはリスニングするときの如く。相手の話を聞いているときには気を抜かないこと。

自分が知らない話こそ真剣に聞く。

相手の話をもっと知りたい!それってどういうこと?と、わかりたい姿勢が相手に見えることが大切。それだけでも相手は自分の話を聞いてもらえているという安心感を持てる。さらには、相手の趣味嗜好や人となりを知るチャンスでもある。それは自分の視野を広げることにもつながっていく。

表面的な会話を軽視しない。それもまた人間関係には大切なもの。

必要事項のみ伝える事務的な態度だけでは、人間関係は築けない。なんでもないような話の中にこそ、大切なことが隠れていることがある。人はパンのみでは生きられぬ…

会話の流れをしっかり押さえる。理解する。相手の様子の観察も大事。

相手の言っていること、話の流れ。それをしっかり理解できていれば、自ずと返す言葉や適切な「間」は浮かび上がってくる。当然、口調、表情、身振りなどの「非言語コミュニケーション」の要素からも、相手を感じ取ることも重要。

ネット上での、LINEやメッセンジャーなどのチャットアプリなどで文字のやりとりによる雑談をしていて、相手の気持ちや様子を察する難しさを感じるということはとてもよくありがちな話ですが、その難しさとは、会話を続けているうちに「非言語コミュニケーション」を窺い知れないという事実がいつの間にか意識から抜け落ちてしまうところにあるのでしょう。話している内容が言葉ではわかっても、非言語な要素に現れる感情や空気はどうにもわからない。この部分の講義を聴きながら、そんなこともあらためてひしひしと感じました。

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「集団会話」を楽しむ秘訣:

輪になってボールを打ち合う「バレーボール」と同じ!
ボール(話題)がいつ自分のところに飛んできても良いように、常にレシーブ体勢を維持する(聞き続ける)。

話の流れを常に押さえて聞いていたら、いつでも即応(レシーブ)できる、ということ。とにかく「聞く」ことであると。それによって、お互いになにかを分かち合えたという感覚を得ることで、もっとコミュニケーションをしたくなる。

話せないから会話ができないのではない。
聞けてないから話せない。

いちばんの衝撃でした。

聞いてなければ話せもしない。ボールが見えてなければ受け返せない。そういうことなのだ!と意識が変わった瞬間でした。

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雑談が上手になるには:

一番大切なのは「反射神経」と「思い」!
パッと反応できること。上達したい!という強い思い。

それこそ、スポーツの技量習得と同じ。実際に練習して、本番で試行錯誤して、振り返る。時には指導も受ける。

最初は意識してもなかなかできない
     ↓
意識すれば少しできるようになる
     ↓
やがて無意識にできるようになる

技能を身につけるには「基本の反復」。だからこそ「スキル」なのだと。

鈴木さんはドラッカーの言葉も紹介してくださいました。

習得・習熟とは、単純なことを嫌になるほど繰り返すこと。できるようになるまで繰り返すこと。

言われてみればそうです。
話がおもしろい人というのは「反射神経」が鋭い。相手をよく観察できている。「視点」「視野」が広い。だけどもそれは、持って生まれた資質では決してなくて、身につけられる「スキル」。人やものごととの関わり。それを繰り返すことによって、鍛えて、上手になれるもの。

そういうことであると理解できてほんとうによかったです。

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セミナー終了後に

講座終了後には、金沢港近く、古くから醤油の醸造で有名な大野地区へ向かって「醤油ソフト」をいただきながら、講師の鈴木さんを囲んで雑談。これもまた貴重なひとときでした。わたくしの雑談はまずまずだった、と思いますよ...おそらく(汗)

講義のときも雑談のときも歯切れよく柔和で、それでいて、相手の話を真剣に聴いている、真摯な姿勢の鈴木さん。その立ち振舞いだけでも話し方・聴き方の参考になる感じがしました。

余談

この日の講座に参加したことは、思いもよらず、自分にとって大きな節目になりました。

いくつもの偶然やご縁がこのときに不思議なくらいに一気に訪れたのです。詳しくはここでは触れませんが、もともとはそれらのひとつひとつになんらかの関連性があるとはまったく思っていなかった…にも関わらず、フタを開けてみたら、自分にとってはすべてがつながっていたということ。
偶然にしては、いや、そうでなくとも、ちょっと出来過ぎた話のようです。ほんとうに驚くべきこと。

このセミナーを受講する直前に、自分がしたある選択と方向性へ、一気に追い風が吹きだした感がしました。自信を持って進んでいこうと思った、幸運と充実感に満ちたひとときでした。

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