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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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#結婚

結婚(世界と私11)

結婚(世界と私11)

南さんは山のようにやることがあるというので、
私たちはささっとご飯を食べて、
お店の前で別れた。

「ごちそうさまでした。」

「いえいえ、じゃ明日の8時にギャラリーでお願いします。」

「はい、わかりました。」

私は軽い足取りでスーパーに向かった。

夜になり夜ご飯を食べながら、
祐一に今日のことを話した。

「えーあんな住宅街にギャラリーがあるんだ!
いいんじゃない、働いてみたら、
家にいる

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結婚の現実(世界と私5)

結婚の現実(世界と私5)

祐一は私が婚姻届けを出していないことに気が付いていなかった。

引越しの前に色々と二人で話し合った。

結婚式をやるか?やらないか?
いつ婚姻届けを出すか?
どこに引っ越すか?
親族の挨拶はどうする?
仕事は?お金は?

結婚は大変。

「好き」だけじゃ結婚は出来ない、
って言っていた人がいたけど、
今なら意味が理解できる。

他人が一緒に暮らすには、
譲り合いが必要。

そこには愛と許しが無いと

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窮屈な生活(世界と私2)

窮屈な生活(世界と私2)

毎日家にいると、
時間は余るほどあるのに、
やる気は日に日に無くなっていった。

片付かない荷物、
慣れない生活、
窮屈に感じる他人との暮らし。

1人暮らしと違って、
相手に合わせないといけない生活にまだ慣れていなかった。

疲れている時は適当で良かったご飯も、
今はそうはいかない。

疲れていても、面倒でも、ご飯を作らないといけない。

そして、仕事を辞めてしまった今、
言葉で言い表せない空虚

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引越し(世界と私1)

引越し(世界と私1)

新しい生活が始まり、
1ヵ月が過ぎた。

引越しは本当に面倒。

引越しというと春を想像するけど、
今は12月。

2人の荷物を整理するのは大変
どうにか年内には片付けたい。

そしてまだ私たちは籍を入れていなかった。

私は川崎海月(みづき)31歳。

1ヵ月前にこのマンションに引っ越して来た。

彼氏は北沢祐一(ゆういち)32歳。

製薬会社で働いている。

色々なことがあったけど、
ついに私

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運命と私118( 前進)

運命と私118( 前進)

あの事件のあとから私たちの関係も変わった。

お互い自分の思っていることが言えるようになった。

「みづき、オレと一緒に暮らさない?」

「えっ?」

「みづきとずっと一緒にいたいから。」

「そうだよね・・・」

私たちは結婚に向けて何度も話し合った。

私は祐一の両親にも挨拶をして、
だんだん結婚が現実となって来た。

プロポーズは祐一らしいベタな夜景の綺麗な公園でのプロポーズだった。

プロ

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運命と私106 (忘れ物)

時計はもうすぐ2時になろうとしていた、
「行かなくて大丈夫?」

「もう2時?じゃ行って来る。」そう言って祐一は出て行った。

なんか祐一いつも違かった・・・
気のせいかな?

私は旅行の荷物を片付けて、
洗濯機を回した。

結局、結婚の話しは出なかった・・・
なんでだろう?

祐一が何を考えているのかわからない。

結婚する気あるのかな?
やっぱり浮気?
まさかね・・・

旅行って楽しいけど、や

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運命と私94( 反省)

運命と私94( 反省)

祐一が「結婚」なんて言葉を出すから、
おとうさんとおかあさんは私を無視して祐一と話し出した。

「みづきもいい歳だから結婚を考えてくれて嬉しいわ。
ねっお父さん。」

「うん、結婚を考えているなら早めに行動しないと、
あっという間に年月は過ぎるから。」

「はい、仕事がもう少し落ち着いたらって思ってました。
みづきさん優しくてマメな人で、家事は得意で料理もおいしいし、
働き物で真面目な人なので、理

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運命と私93( 結婚)

運命と私93( 結婚)

おかあさんとおとうさんは顔を見合わせていた。

「わかったみづきが言うなら今日はその話しはしないけど、
ちゃんと考えてよ。」

「わかってる。」

場の空気が重くなった。

少しして祐一が到着した。

「遅くなってすみません、
みづきさんとお付き合いさせて頂いてる、
北沢祐一です。」

「はじめまして、みづきの父です。」

「はじめましてみづきの母です。
随分男前だね、今日はお仕事だったの?」

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運命と私92( 私の気持ち)

運命と私92( 私の気持ち)

予約したお店は、駅の近くにある料亭で、
個室になっていて落ち着いたお店だった。

「いいお店ね、良く来るの?」

「ううん、始めてだよ。
ねえ、彼とまだ結婚の話しとかしてないから、
あんまり結婚の話ししないでね。」

「そうなの?
あんたは結婚する気は無いの?」

「わからない、もう少し付き合ってから考えようと思って・・・」

「考えてるような年齢じゃないでしょ?
子供が産めなくなるよ。」

「わ

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運命と私90(断れない私)

運命と私90(断れない私)

「もしもし。」

「みづき?おかあさんだけど。」

「おかあさん?こんな夜にどうしたの?」

「みづき、かずこおばちゃん覚えてる?」

「覚えてるよ、おかあさんのおねえさんでしょ?」

「かずこおばちゃん入院したんだって。」

「えっ?どうしたの病気?」

「階段から落ちて骨折したんだって、
おかあさんとおとうさんで週末お見舞い行くんだけど、
みづきの家の近くの病院だから、
帰りにみづきとご飯食べ

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運命と私 59

運命と私 59

「もしもし、みづき、
あけましておめでとう。家にいたの?」

母には「友達がお正月1人で寂しいから一緒にいて欲しいと懇願された」
と言ってあった。

「あけましておめでとう。うん、今から出かけるところなんだ。」

「そうなの出掛ける前にごめんね。」

「ううん、大丈夫だよ、お父さんとかみんな元気?」

「こっちはみんな元気だよ、
あんたは元気?たまには帰って来て顔見せてよ。」

「うん、今年中には

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運命と私 6

運命と私 6

「もうこんな時間行かなきゃ!」

とるみがカバンから財布を出した。

その財布はエルメスの財布だった。

「私ね去年独立して、
今は自分で会社経営してるんだ。
明日はニューヨークに行かないと行けなくて、
これから明日持って行く物を買いに行くのよ!」

「えっ!?独立?会社経営?社長ってこと?」

私は頭が混乱した。

「うん、小さな会社で従業員は6人だけどね。」

「すごい!社長なんて・・・
ニュ

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運命と私 4

運命と私 4

4年前。

この会社に入社して2年が過ぎた25歳の時、
学生の時の友達が結婚ラッシュで、
結婚式に招待されることが多かった。

ウエディングドレスを着た友達を始めた見た時は、
違和感があった、
学生の時はいつも一緒にふざけていた友達が、
結婚して家庭を築くなんて・・・
大人になったんだと実感した瞬間でもあった。

みんなキラキラした笑顔で幸せが溢れていた。

当時の私は彼氏もいなく、
自分だけ取り

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