引越し（世界と私１）

新しい生活が始まり、
1ヵ月が過ぎた。

引越しは本当に面倒。

引越しというと春を想像するけど、
今は12月。

2人の荷物を整理するのは大変
どうにか年内には片付けたい。

そしてまだ私たちは籍を入れていなかった。

私は川崎海月（みづき）３１歳。

１ヵ月前にこのマンションに引っ越して来た。

彼氏は北沢祐一（ゆういち）３２歳。

製薬会社で働いている。

色々なことがあったけど、
ついに私たちは結婚することになった・・・

だけど・・・

友達が次々と結婚したときは、
焦って私も結婚したいと思っていたけど、
いざ結婚を目の前にして迷っている自分がいた。

本当に祐一でいいの？
これでもう他の人と恋が出来ないの？
体の相性は良くないよね？
こんな迷いが私の中で渦巻いていた。

家に毎日１人でいると、
悪いことばかり考えてしまう。

新しい家は駅から歩いて５分のところにある分譲マンションで、
私の貯金を頭金にして３５年ローンで購入した。

なぜ私の貯金なのか？
理由は簡単、祐一には貯金が無かったのだ、
それも入籍を迷っている理由の一つなのだ。
お金の管理が出来ない人と結婚して大丈夫なのか？

広めの３LDKでリビングの窓からは天気が良いと富士山が見える、
この部屋を決めたのは理由はこれが大きい。

人と一緒だと眠れないので、
ベッドはシングルを2つを少し離して並べて置いた。

祐一の部屋で使っていた青いあのソファは処分して、
ベージュの肌触りの良いソファにした。

ダイニングテーブルは、
円形のかわいい物を家具屋さんで一目ぼれして買った。

他の家具は追々買い揃えて行く予定だった。

一番の問題は、
ここに引っ越して来てから、
不眠に悩まされているということだ。

つづく