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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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#恋愛

本音(世界と私35)

本音(世界と私35)

「え?」

「私ねみづきが好きなの。
でもこの、どうにもならない、報われない恋をすることに疲れたの。
イギリスに逃げる訳じゃないけど、
このままお腹の大きくなるみづきを見ているは辛くて、
これはイギリスに行けってことなのかな?って思ったの!」

私は言葉が見つからなかった。

「南さん・・・
私も南さんに惹かれてました。

このままじゃ自分の気持ちを抑えられなくなると思って、
子供を作ったんです・

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告白(世界と私34)

告白(世界と私34)

私は南さんの前に紅茶を置いて、
ソファに座った。

「突然ですね。」

「そうだよね、ごめんね。
イギリスで勉強して、
もっと広い世界を知りたいって思って、
みんなにも話して私の気持ちを理解してもらった。」

「南さんが決めたことなら、
反対はしません、がんばって下さい・・・」

「来月で事務所閉めるから、
みづきはもう事務所来なくても大丈夫だよ、
真面目なみづきだからつわりでも仕事しようって思っ

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欲情(世界と私27)

欲情(世界と私27)

私はお風呂から上がり、
寝る準備をしてベッドに滑りこんだ。

祐一が私を後ろから抱きしめた。

「いい匂いがする。」

私は振り返り祐一にキスをした。

祐一は驚いていたけど、
私たちは無言のまま久し振りのセックスをした。

私は南さんとのキスで興奮していたのかもしれない。

私にとって南さんってなんだろう?
上司?友達?どんな言葉も当てはまらない、
私にとって南さんは特別な存在だ。

それは恋と

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お酒と疲れ(世界と私26 )

お酒と疲れ(世界と私26 )

自分でもわからなかった。
なんで抵抗しなかったのか?

沈黙が続いた。

その時、
ギャラリーのドアを叩く音した。

私はドアをゆっくり開けると祐一が立っていた。

「祐一!」

「もう帰るところだった?雨も降ってるし、
遅いから迎えに来た。」

外を見ると祐一の車が止まったいた。

「こんばんは。」

祐一は南さんに挨拶をした。

「こんばんは、はじめまして南です、
遅くまですみません、
すっか

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戸惑い(世界と私25)

私たちはチーズをつまみに飲み始めた。

外は雨が降っていた。

雨の音と雨の匂いがなぜか心地良かった。

そして私たちはまた酔っていた。

「今何時?」

時計を見るともう10時近かった。

「もうすぐ10時です。」

シャンパン1本では足りなくて、
コンビニで安い赤ワインを買って飲んだので、
私たちはかなり酔っていた。

「そろそろ帰りましょう。」

私はテーブルを片付けて、
帰る準備を始めた。

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運命と私120(やっと最終回)

運命と私120(やっと最終回)

三日月のネックレスのことを祐一言ってた・・・
私はネックレスを付けた、
祐一そんなこと気にしてたなんて・・・
私はアクセサリーは苦手で身に着けないだけなのに。

引越しの準備は明日、続きをやることにして、
寝る準備をした。

電気を消すと外が明るかった。

カーテンを開けると大きな満月が見えた。

この窓から見る最後の満月。

もう11月になる。

1年前まで不倫をしていて、
現実から目を背けてい

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運命と私119(三日月)

運命と私119(三日月)

今日が最後の出社。

10月で仕事を辞める。

「寿退社」

なんか言葉が古臭いけど、
一番いい退職方法だ。

花束をもらって、
挨拶をしてと、
何かの儀式のようなお決まりの一連の流れをこなして、
私はみんなに挨拶をした。

中谷は寂しそうだった、
「川崎さんがいなくなったら、さみしいです、
誰と話したらいいんですか?」

「新しい人が入って来るから、
その人と仲良くしたら?」

「そんな~他人事

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運命と私118( 前進)

運命と私118( 前進)

あの事件のあとから私たちの関係も変わった。

お互い自分の思っていることが言えるようになった。

「みづき、オレと一緒に暮らさない?」

「えっ?」

「みづきとずっと一緒にいたいから。」

「そうだよね・・・」

私たちは結婚に向けて何度も話し合った。

私は祐一の両親にも挨拶をして、
だんだん結婚が現実となって来た。

プロポーズは祐一らしいベタな夜景の綺麗な公園でのプロポーズだった。

プロ

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運命と私117(中谷)

運命と私117(中谷)

翌日。

私は丁寧にお化粧をして会社に行った。

「川崎さん大丈夫?もう体調いいの?」

「はい、昨日の朝は怠くて熱があったんですが、
昼には下がって元気になりました。」

「川崎さんが休みなんて始めてだから、驚いたよ~」

「あはは・・・」

「あれ、川崎さん顔赤くないですか?
まだ熱あるんですか?」

そい言って来たは後輩の中谷だった。

余計なことを・・・

「えっそう?
熱は無いよ、病み上

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運命と私 116(日焼け)

運命と私 116(日焼け)

私たちは家に帰ることにした。

「ねぇ、何時にここに着いたの?」

「3時には付いてたよ。」

「祐一は寝たの?」

「オレは2時間ぐらい寝た。」

「運転大丈夫?」

「大丈夫、帰って一緒に昼寝しよう」

私たちは祐一の家に帰って来た。

家は昨日のままだった。

部屋の電気は付いていて、
鍵もかかっていなかった。

そしてピザの匂いがした。

「昨日帰って来たらみづきがいないから、
すぐに外を

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運命と私115(素直な気持ち)

運命と私115(素直な気持ち)

「空が青いね。今日は雨だって、
天気予報のお兄さんが言ってたのに。」

「なんか心がとっても軽くなった。」

「私も!」

「今の幸せを壊したくないから真実と向き合えなかった。
でも真実はいつも隣にいる。
勝手に悪い結果だと思い込んで、
真実から目を背けてしまう自分が嫌になるよ。」

「わかる、
どうせ成功するのはごく一部の人で、
自分は悪いくじを引いてしまうって思っちゃう。」

「みづきと出会え

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運命と私114(私)

運命と私114(私)

「私が好きなのは祐一だよ、
確かに家に送ってもらった時に、
抱きしめられて気持ちは揺れた、
だってあの時は祐一が浮気してると思ったから、
でもね彼付き合っていた時は、
ドキドキはしたけど、安心感は無かった。
祐一と一緒だととっても安心できる。
そんな祐一を失いたくなくて、
あの時、祐一に何も聞けなかった。

今どこにいるの?の一言が怖くて聞けなかった、
その一言で祐一が私の前から消えてしまいそうだ

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運命と私113 (勘違い)

運命と私113 (勘違い)

祐一が素直に真実を話してくれた。

しかし、疑問があった。

「話しはわかった、でも腑に落ちないことがあるの!
祐一の話しだと、私とカレを目撃したから、
私を信じられなくなった。ってことでしょ?」

「そうだよ。」

「そもそも暑気払いで私の具合が悪くなったのは、
祐一が嘘を付いたから、浮気してるかも?て思って、
不安で寝不足だったからなんだけど!」

「えっ!!嘘?なんのこと?」

「会社の帰り

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運命と私112(開いた心)

「あの日は具合が悪くなって、彼に送ってもらったの、
抱き合ってた訳じゃなくて、
よろけた私を支えてくれただけだよ。」

「そうは見えなかった、
みづきの顔を見ればわかるよ!」

私は何も言い返せなかった。

「あれを見てから、
オレは二股をかけられていたのかもしれない、
本当はまだ元カレと会っているのかもしれない、
会社で二人は仲良く仕事をしてるのかもしれない、
なんて考えるようになって、こんなこ

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