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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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2020年4月の記事一覧

運命と私120(やっと最終回)

運命と私120(やっと最終回)

三日月のネックレスのことを祐一言ってた・・・
私はネックレスを付けた、
祐一そんなこと気にしてたなんて・・・
私はアクセサリーは苦手で身に着けないだけなのに。

引越しの準備は明日、続きをやることにして、
寝る準備をした。

電気を消すと外が明るかった。

カーテンを開けると大きな満月が見えた。

この窓から見る最後の満月。

もう11月になる。

1年前まで不倫をしていて、
現実から目を背けてい

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運命と私119(三日月)

運命と私119(三日月)

今日が最後の出社。

10月で仕事を辞める。

「寿退社」

なんか言葉が古臭いけど、
一番いい退職方法だ。

花束をもらって、
挨拶をしてと、
何かの儀式のようなお決まりの一連の流れをこなして、
私はみんなに挨拶をした。

中谷は寂しそうだった、
「川崎さんがいなくなったら、さみしいです、
誰と話したらいいんですか?」

「新しい人が入って来るから、
その人と仲良くしたら?」

「そんな~他人事

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運命と私118( 前進)

運命と私118( 前進)

あの事件のあとから私たちの関係も変わった。

お互い自分の思っていることが言えるようになった。

「みづき、オレと一緒に暮らさない?」

「えっ?」

「みづきとずっと一緒にいたいから。」

「そうだよね・・・」

私たちは結婚に向けて何度も話し合った。

私は祐一の両親にも挨拶をして、
だんだん結婚が現実となって来た。

プロポーズは祐一らしいベタな夜景の綺麗な公園でのプロポーズだった。

プロ

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運命と私117(中谷)

運命と私117(中谷)

翌日。

私は丁寧にお化粧をして会社に行った。

「川崎さん大丈夫?もう体調いいの?」

「はい、昨日の朝は怠くて熱があったんですが、
昼には下がって元気になりました。」

「川崎さんが休みなんて始めてだから、驚いたよ~」

「あはは・・・」

「あれ、川崎さん顔赤くないですか?
まだ熱あるんですか?」

そい言って来たは後輩の中谷だった。

余計なことを・・・

「えっそう?
熱は無いよ、病み上

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運命と私 116(日焼け)

運命と私 116(日焼け)

私たちは家に帰ることにした。

「ねぇ、何時にここに着いたの?」

「3時には付いてたよ。」

「祐一は寝たの?」

「オレは2時間ぐらい寝た。」

「運転大丈夫?」

「大丈夫、帰って一緒に昼寝しよう」

私たちは祐一の家に帰って来た。

家は昨日のままだった。

部屋の電気は付いていて、
鍵もかかっていなかった。

そしてピザの匂いがした。

「昨日帰って来たらみづきがいないから、
すぐに外を

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運命と私115(素直な気持ち)

運命と私115(素直な気持ち)

「空が青いね。今日は雨だって、
天気予報のお兄さんが言ってたのに。」

「なんか心がとっても軽くなった。」

「私も!」

「今の幸せを壊したくないから真実と向き合えなかった。
でも真実はいつも隣にいる。
勝手に悪い結果だと思い込んで、
真実から目を背けてしまう自分が嫌になるよ。」

「わかる、
どうせ成功するのはごく一部の人で、
自分は悪いくじを引いてしまうって思っちゃう。」

「みづきと出会え

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運命と私114(私)

運命と私114(私)

「私が好きなのは祐一だよ、
確かに家に送ってもらった時に、
抱きしめられて気持ちは揺れた、
だってあの時は祐一が浮気してると思ったから、
でもね彼付き合っていた時は、
ドキドキはしたけど、安心感は無かった。
祐一と一緒だととっても安心できる。
そんな祐一を失いたくなくて、
あの時、祐一に何も聞けなかった。

今どこにいるの?の一言が怖くて聞けなかった、
その一言で祐一が私の前から消えてしまいそうだ

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運命と私113 (勘違い)

運命と私113 (勘違い)

祐一が素直に真実を話してくれた。

しかし、疑問があった。

「話しはわかった、でも腑に落ちないことがあるの!
祐一の話しだと、私とカレを目撃したから、
私を信じられなくなった。ってことでしょ?」

「そうだよ。」

「そもそも暑気払いで私の具合が悪くなったのは、
祐一が嘘を付いたから、浮気してるかも?て思って、
不安で寝不足だったからなんだけど!」

「えっ!!嘘?なんのこと?」

「会社の帰り

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運命と私112(開いた心)

「あの日は具合が悪くなって、彼に送ってもらったの、
抱き合ってた訳じゃなくて、
よろけた私を支えてくれただけだよ。」

「そうは見えなかった、
みづきの顔を見ればわかるよ!」

私は何も言い返せなかった。

「あれを見てから、
オレは二股をかけられていたのかもしれない、
本当はまだ元カレと会っているのかもしれない、
会社で二人は仲良く仕事をしてるのかもしれない、
なんて考えるようになって、こんなこ

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運命と私111( 真実)

運命と私111( 真実)

私は車から降りた。

海の匂いがする。
見覚えのある海だった。

ここは祐一と始めて来た、
ジョナサンの海だ!

辺りを見渡していると、
祐一が遠くから歩いて来るのが見えた。

「起きた?」

祐一は大きな声で聞いて来た。

「ごめん寝ちゃった!」

時計を見ると6時少し前だった。

「あっ会社!」

「今日は2人とも風邪でお休みってことにしよう。」

「仕事サボるの始めて!」

「オレも!少し歩

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運命と私110( ジョナサン)

運命と私110( ジョナサン)

私を見ると祐一は走り寄って来て、
私を抱きしめた。

「無事でよかった!」

祐一を突き放した。

「離して!」

「とりあえず家に入って話そう。」

本当は話なんてしたくなかった、
でも祐一は私の家に入って来た。

「ごめん。」

祐一は謝った。

「嫌な思いさせたよね、
でもあの子とはなんにもないんだ!」

「私が行かなかったら、
あの子と寝てたでしょ!」

「そんなことしないよ。」

「嘘つ

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運命と私109(夜道)

運命と私109(夜道)

祐一に会いたくない!と思い。
遠回りだけど、いつもと違う道を通って駅まで向かった。

夜空を見上げると、
満月がにじんで見えた。

涙が止まらない。

祐一が知らない女といたことがショックだった、
でも、それ以上に今まで自分がしていた、
不倫、浮気の罪悪感が重くのしかかって来た。

バレなければいいといつも軽く考えていた、
自分が恥ずかしい。

私に祐一を責める資格はない。

私はゆっくり駅に向か

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運命と私108 (吐き気)

運命と私108 (吐き気)

祐一はオドオドしながら、
私とその女の子を交互に見ていた。

23、4歳ぐらいの若い子で、
背は小さく、
少しぽっちゃりした可愛い顔の女の子だった。

「ねえ!誰なの?」

女の子が怒り口調で祐一に問いかける、

「オレの彼女・・・」

祐一が小さな声で言った。

「えっ!彼女いたの?信じられない!サイテー。」

そう言って彼女は自分の荷物を持って部屋から出て行った。

私とすれ違った時に、
私の

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運命と私107 (浮気)

運命と私107 (浮気)

電話すると「明日でいいじゃん」と言われると思い、
私は連絡しないで祐一の家に向かった。

明日は雨で髪の毛が広がってしまう、
もさもさ頭で会社に行くなんて絶対嫌。

たかがヘアアイロンだけど、
どうしても今日取りに行きたいと、
何かに後押しされるように祐一の家に向かった。

私は1人で夜道を歩いていた。
都会の夜の匂い。
山の中と都会では空気の匂いが違う。

昨日の那須の夜空と違い、
星が見えない

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