運命と私111( 真実)
私は車から降りた。
海の匂いがする。
見覚えのある海だった。
ここは祐一と始めて来た、
ジョナサンの海だ!
辺りを見渡していると、
祐一が遠くから歩いて来るのが見えた。
「起きた?」
祐一は大きな声で聞いて来た。
「ごめん寝ちゃった!」
時計を見ると6時少し前だった。
「あっ会社!」
「今日は2人とも風邪でお休みってことにしよう。」
「仕事サボるの始めて!」
「オレも!少し歩こう、
早朝の海なんてめったい来れないから。」
私たちは浜辺を歩き始めた、
靴に砂が入るので、
靴を脱いで砂の感触を感じながら歩いた。
暑くも寒くもない散歩には丁度良い気温だった。
少し歩くと高くなっている所があり私たちは座って海を見た。
すると、祐一は静かに話し始めた。
「1ヵ月ぐらい前にみづき飲み会で具合悪くなったことあったでしょ?」
「えっ?会社の暑気払の時?」
「オレが会社に携帯忘れて電話したら、
具合が悪そうだったからオレあの電話のあと、
みづきの家に行ったんだ、
そうしたらみづきが知らない男に抱っこされて、
そのあと家の前でその男と抱き合ってた。」
「えっ!!」
あの時の・・・
まさか祐一が見ていたなんて!
「あれは違うの!
具合が悪くて家まで送ってもらって、
抱きついてなんてないよ!」
「あの人が元カレなんじゃないの?」
「えっ!
そう元カレ・・・」
私は違うと言おうとしたけど、
もう嘘は嫌だった。
つづく
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