#54 それ、ホントに、マスト?
この単語を学んだのは確か中学1年の頃。
英文法の「助動詞」の分野に出てきたのが最初だったと思う。
中学生の頃に学んだこの単語を、生きる上でここまで考えるようになるとは、当時の僕は知る由もなかった。
生きづらくしているのは自分の考え方
10代から20代にかけて、僕は強く「生きづらさ」を抱えていた。
若い僕はその「生きづらさ」に対し、
社会が悪い!
他人が悪い!
生きづらくしている周りの全てが悪い!
と思っていた時期がある。
これを全否定はできない。
合わない人間が周りにいれば生きづらいと思うだろうし、広い社会の中には生きづらさを覚える部分は絶対にある。
しかし、僕の生きづらさの原因においては、それはごく一部に過ぎない。
僕が生きづらいと思う理由は、大方自分の考え方に問題があった。
その一つがマスト思考である。
自分で自分を縛りまくるマスト思考
マスト思考とは、「しなければならない」と常に考える思考のこと。
仕事についてはこういった考え方をするのは致し方ない部分はある。
〆切だったり、決められた日程だったりがあるから、それに対しては「しなければならない」と考えるのは当然だ。
だが、これは上の辞書で言うならばaの必要を表すマストである。
ここでいうマスト思考はbの義務・命令を表すマストである。
noteにおいても、この思考が働いてしまう人もいるかもしれない。
つまり、
毎日更新しなければならない。
面白い記事を書かなければならない。
スキを増やすための記事を書かなければならない。
フォロワーを増やさなければならない。
多くの人と交流をしなければならない。
もう書いているだけで息が詰まってしまう文章だ……。
せっかくの自由な場であるnoteに対し、マスト思考を働かせていてはどうなるだろうか。
当然ながら、楽しめるものも楽しめなくなってしまう。
マスト思考の弊害はそれだけではない。
これはあくまで僕の場合なのだが、一つ一つの行動が義務になってしまうので、それができなかったときに自己否定に走ってしまう。
毎日更新しなければならないという義務感を持っていたとしたら、1日でも更新をしなかったとき——
毎日更新しなくちゃいけなかったのに……
更新できなかった僕はほんとダメ人間や……
と、自分を否定すると思う。
マスト思考は、自己否定の種になってしまうのである。
マストからウォントに鞍替えしてみる
マスト思考の代わりに取り入れた方がいいものの一つに、オーウェル思考というものがある。
梟さんの記事にとてもわかりやすく書かれている。
イライラしたり、何かに失敗したりしたときに「まあいいか」と考えるのがオーウェル思考だ。
この思考によって、義務感を覚えていたことができなかったとしても、心に余裕を持つことができる。
僕はそれに加えて、ウォント思考のトレーニングをしている。
つまり、「しなければならない」ではなく「したい」に変えるのである。
同じ行動でもマストをウォントに変えるだけで、とてつもなく前向きな文章に変えられるのである。
上記の例で変えてみる。
毎日更新したい。
面白い記事を書きたい。
スキを増やすための記事を書きたい。
フォロワーを増やしたい。
多くの人と交流をしたい。
これこれ、これだよ! と思える文章になった。
誰だってnoteを始めたときは、「書きたい」「自己表現したい」というウォント思考のもとで始めたのではないだろうか。
ウォント思考をすることは、初心に戻る方法でもあるのだと思う。
目標は重荷ではない
真剣に取り組みたい事柄なほど、マスト思考が起こりがちなんじゃないかと僕は思っている。
noteで収益化を目指したいという人もいると思う。
僕もその一人だ。
だけど、それが義務的に「目指さなければならない」ものになった途端、
目標であるはずの収益化が、ただの重たい荷物と化してしまうのだ。
そうなったときに一旦落ち着いて考えて、
「収益化は目指さなければならないもの? それとも目指したいもの?」
と自問自答してみる。
もちろん中には生活がかかっていて「目指さなければならないもの」である人もいるとは思う。
しかし、その場合のマストは義務ではなく、必要のマストだ。
この差はとても大きい。
しかし必要のマストだとしても、自分に負荷がかかる気がする。
だから、マストは極力使わずにウォントを使い、楽しんで目指した方が僕は絶対にいいと思うのである。
ゆっるゆるな余談
タイトルや文章を書いているときに韻を踏めると気持ちがいい。
「ホントに、マスト」……気持ちがいい。
ホントに、マスト? ホントは、ウォント。
いやはや、気持ちがいい。
だけどこういう文章ってなかなか思いつかない。
ラップの歌詞を書ける方を尊敬する瞬間なのであった。
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