#コラム
老舗しか持ち得ない価値
古いもの、歴史を重ねてきたものが好きだ。最新のトレンドアイテムにも惹かれるけれど、古さは一周まわると新しさになる。時代が変わっても次の世代に新鮮さを与えつづけるもの、普遍的な価値のあるものが好きだ。
先日、大日本市さんにお声がけいただいて参加した「登竜門」という企画の総括でこんな話をした。
「老舗感」って、新しいブランドには絶対に作り出せないんですよね。100年なら100年、歩んできた歴史の重
「もっと、もっと」ではなく「ちょうどよさ」の時代へ
「僕は『エレガンス』という言葉を "人に迷惑がかからない範囲の『ちょうどよさ』"と解釈している」。
この定義を聞いたとき、これまでエルメスに感じてきた心地よさの一端が理解できたような気がした。エルメスのアイテムは、主張しすぎることなく持ち主に寄り添う。声高にブランドを叫ぶことなく、モノの上質さによって見る側の心を爽やかにさせる。
中原淳一は、装いの意味は他人への配慮が大前提だと言った。
「身
文化の継承手段としての小売を考える
「リテール・フューチャリストです」と名乗ると、十中八九「具体的にどんなお仕事をされているんですか?」と聞き返される。私も自分で名乗り始めるまでは「フューチャリスト」という肩書き自体を知らなかったし、コンサルタントやライターと比べるとまだわかりやすい共通のイメージが確立していない職業だと思う。私自身も、名乗り始めたはいいものの仕事内容の説明にはいつも四苦八苦してきた。
私が専門として掲げている「消
「知性ある消費」を目指して。noteと新しい取り組みをはじめます。
本日より、noteの新カテゴリページ「ショッピング」がオープンしました。
この状況下で厳しい状況にあるお店やブランドを支援したいと前倒しのローンチも考えていましたが、「せっかくならきちんと準備していいものを届けよう」ということで、議論を重ねながらやっとお披露目の運びとなりました。
ショッピングカテゴリが生まれた背景については公式noteにも綴られていますが、個人的に思い入れの強いプロジェクトで
オンラインでも、店舗は「メディア」になっていく
私が「店舗はメディアになる」と考え始めたのは百貨店勤務時代のこと。
気づけばもう10年近く、店舗とメディアの関係について考え続けてきたことになる。
この2、3年は、「店舗」といえば実店舗を指すことが多かった。
アメリカやヨーロッパを中心に体験型店舗が増え、デジタルネイティブブランドたちもこぞって実店舗を持ち、実店舗のメディア化こそがこれから小売がやるべきことだと考えられてきた。
しかし世界中の
それでも、ファッションの楽しみを絶やさないために
昨日のnoteでファッション誌に求められる今後のコンテンツとして、おうち時間の楽しみ方がキーになるのではないか、という話を書いた。
3年以上前から書いている通り、私はファッションと外出には深い結びつきがあると考えている。
逆に言えば、出かけることが禁止されれば洋服が売れなくなるのは当然のこと。
すでに海外の小売系メディアはこうしたアパレル需要のダウントレンドにまつわる記事ばかりが並んでいるけれど