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これからの、小売の話をしよう。

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ショップは、ただモノを"売る"だけの場所ではなくて。そしてお客様は"買ってくれる"だけの相手でもなくて。明日がくるのが楽しみになるような、そんなショップがそこら中にある世界につい… もっと読む
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2018年2月の記事一覧

日本が「世界のデパート」を目指すべき理由

その国の特徴を表すとき、よく「世界の◯◯」という言い方をします。

中国であれば「世界の工場」、アメリカであれば「世界の警察」、古くはイギリスが「世界の銀行」と呼ばれ、今はスイスがそう呼ばれているように、グローバルで見たときにどの分野で一番秀でているのかが端的に理解できる表現だと思います。

日本が今現在他国から何と呼ばれているのかはよくわからないのですが、今後に関して言えば私は「世界のデパート」

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一足の靴が出来上がるのは、奇跡に近い。歩きやすく美しいハイヒールを作る「gauge(ゲージ)」の挑戦 #ブランドインタビューリレー

一足の靴が出来上がるのは、奇跡に近い。歩きやすく美しいハイヒールを作る「gauge(ゲージ)」の挑戦 #ブランドインタビューリレー

#ブランドインタビューリレーは 、「新しい作り方・届け方」を模索するブランドにインタビューし、これからの小売のあり方を考察していくシリーズです。

今回は、オーダーハイヒールブランド・「gauge(ゲージ)」を手がける五十石さんにお話を伺いました。

<目次>
1.普通のOLから木型師へ。女性木型師ならではの「ハイヒール」への想い
2.高いリピート率、複数買い。キャリア女性に「gauge」がウケる理

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化粧品が洋服よりも根強く売れる理由

化粧品が洋服よりも根強く売れる理由

少し前に出た「化粧品、婦人服上回る 17年世帯支出が逆転へ」というニュースを友人に教えてもらってから、このニュースについて私なりにあれこれ考えを巡らせてきました。

総務省が発表した家計調査によれば、1990年には63,500円だった婦人服の年間支出額は、2017年にはなんと26,803円まで減少。

対して、化粧品は1990年からずっと28,000円〜3万円を維持し続け、2017年にはバブル期よ

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サブスクリプションの未来と、人は何にお金を払うのかということ

ここ数年アメリカを中心に盛り上がっていたサブスクリプションモデルも、最近は徐々に落ち着いてきて、サブスクリプションに向いている商材と向かない商材の明暗が分かれてきたように思います。

「毎月商品を送る」というモデルの走りであるコスメサンプルのサブスクリプション・GLOSSYBOXは紆余曲折の末、日本での事業は@コスメに買収されBLOOMBOXという名前で成長を目指し、サブスクリプションビジネスで必

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「価格」へのプライド

「価格」へのプライド

私が好んで読む雑誌のひとつに、「自遊人」があります。

特に今月の「これからのリゾート。」という特集は、私自身「地方発のラグジュアリー」や「知性ある消費」への関心が高いこともあって、非常に学びの多い号でした。

個人的に特に面白かったのは、トラベルジャーナリストの寺田直子さんに、編集長の岩佐さんが「これからのリゾート」について聞くロングインタビュー。

「 "リゾート"と "バケーション"の違いは

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「服育」の重要性

「服育」の重要性

先週から大きな話題になっている泰明小学校のアルマーニ制服の一件。

個人的には、ここまでバッシングされることに驚きが隠せませんでした。

今回の一件に関しては様々な立場から多様な意見はあると思いますが、ラグジュアリーブランドのフロアからキャリアをスタートさせた私としては、日本人にとってラグジュアリーブランドのロゴはいまだに「自分の権威を誇示するためのツール」であり、「享楽的軽薄なもの」というイメー

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高齢化する社会と、「過ごす店舗」のビジネスモデル

高齢化する社会と、「過ごす店舗」のビジネスモデル

先日開催したNewsPicksアカデミアのイベント「新・小売概論〜“ZOZOSUIT以降“の実店舗の未来」の最後の方で、今後渋谷にオープン予定の商業施設についての話題がでました。

そこで60代以上をターゲットにした施設が作られる予定という話を聞いたのですが、たしかに今後高齢者向けの店舗は需要が大きく伸びていくはずです。

高齢化によるターゲット層の人口増は当然ですが、さらに暇を持て余して「居場所

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購買行動において「言い訳」が重要になる理由

ミレニアル世代以下は、昔と比べて購買行動が大きく変わっているとよく言われます。

そもそも物欲がなく、シェアやレンタルへの抵抗もない。
値段の張るブランドもので着飾るより、長く着られるこだわりのものを好む。
ファッションやインテリアを買うより、旅行や勉強などの体験にお金を払う。

こうした傾向は、あらゆるメディアで語られています。

私自身ミレニアル世代ど真ん中の人間であり、日々購買行動を研究して

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